事業内容
島精機製作所は1962年創業の和歌山発のニット機械専業メーカーで、コンピュータ横編機(ホールガーメント横編機を含む)を世界に販売する横編機事業を中核に、アパレルCAD/CAMソフトウェア「SDS®-ONE APEX」シリーズや自動裁断機「P-CAM®」を提供するデザインシステム関連事業、手袋靴下編機事業、メンテナンス部品・繊維原料等のその他事業を展開する。欧州・アジア・米州に販売子会社を持ち、アパレル・ファッション業界のサプライチェーン全体を支援するソリューションプロバイダーとしての転換を図っている。
2026年3月期の連結売上高は33,509百万円。
ビジネスモデル
主力の横編機は自社製造・直販または代理店経由で世界に販売し、稼働台数の積み上げに伴うメンテナンス部品・修理保守収益(その他事業)が安定的に積み上がる構造を持つ。デザインシステム事業ではAPEXFiz®のサブスクリプションライセンスによる継続収益化を推進しており、ハードウェア販売依存からの脱却を進めている。
自動裁断機P-CAM®は横編機に次ぐ第二の事業柱として育成中。
企業の強み
1995年に世界初の完全無縫製型コンピュータ横編機(SWG)を製品化し、2022年には最新フラッグシップ「SWG®-XR」を初出荷。スライドニードルや可動型シンカー装置など独自技術を多数保有し、競合他社が短期間で模倣困難な技術的参入障壁を形成している。
2023年ITMA展では「Rシリーズ」次世代機をフルラインナップで出展した。
欧州(英・伊・西・葡・仏・モロッコ)、米国、香港・上海・東莞・タイ・韓国・ベトナムに販売子会社・拠点を持ち、主要市場に直接アクセスできる販売・サービス網を自社で構築している。稼働台数の積み上げに伴うメンテナンス部品・修理保守収益(2026年3月期その他事業売上高6,084百万円)が安定的な収益基盤となっている。
ニット(横編機)と布帛(自動裁断機P-CAM®)の双方を製造販売できる世界唯一のメーカーであり、アパレルサプライチェーン全体をカバーするソリューション提案が可能。P-CAM® Rは「世界トップレベルの高生産性・高裁断性能」と評価されており、横編機事業に続く第二の事業柱として育成中。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期37,886百万円をピークに減少し、2025年3月期32,520百万円まで落ち込んだ後、2026年3月期は33,509百万円(+3.0%)と小幅回復。営業損失は前期の11,914百万円から1,720百万円へ大幅縮小し、当期純利益は856百万円と黒字転換した。
ただし改善の主因は前期の棚卸資産評価損・減損損失等の一過性費用の剥落と投資有価証券売却益1,229百万円の計上であり、本業の収益力回復は限定的。外部要因として、バングラデシュの政情安定化・欧州イタリア市場の景気回復の兆候が販売台数増加に寄与した一方、中国市場での販売台数減少と中国メーカーとの競合激化が逆風となっている。
2027年3月期は売上高41,000百万円・営業利益300百万円を予想(前提為替:米ドル157円、ユーロ183円)。
成長戦略
中期経営計画「Ever Onward 2026」の4重点施策で2027年3月期売上高41,000百万円を目指す
徹底した原価低減・経費削減と生産体制の強化を推進。2026年3月期に販売費及び一般管理費を前期の20,548百万円から13,617百万円へ大幅圧縮し、全社費用も6,900百万円から6,076百万円へ削減。研究開発・人的資本への投資は継続する方針。
APEXFiz®サブスクリプションのライセンス契約数拡大と、デジタル技術を融合したソリューション訴求を推進。2026年3月期のデザインシステム関連事業売上高は3,036百万円(+7.8%)、セグメント利益671百万円と改善。国内外ファッション関連教育機関への普及が進んでいる。
コストパフォーマンスモデルの新型成型機をアジア地域を中心に早期展開。バングラデシュ・欧州イタリア市場での販売台数増加により2026年3月期横編機売上高は23,866百万円(+2.7%)と回復基調。ただし下半期予定の新型機投入が遅延し、受注高は21,128百万円(△19.3%)と大幅減。
P-CAM®について海外市場および高付加価値ゾーンを主要ターゲットとして売上拡大に注力。2026年3月期は国内を中心に需要が回復傾向。非アパレル市場(産業資材・生活関連分野)への参入強化も進め、国内外の展示会・商談機会を積極活用している。
最終更新: 2026年7月19日

