事業内容
株式会社ソラストは1965年創業の医療事務管理者養成を起源とし、現在は医療事務受託・人材派遣(医療事業)、通所・訪問・施設介護(介護事業)、認可保育所を中心とした保育サービス(こども事業)の3事業を柱とする総合ヘルスケアサービスグループ。連結子会社17社を含むグループで、約1,300の医療機関、688ヶ所の介護事業所、67ヶ所の保育施設を運営する。
主要顧客は病院・診療所、要介護高齢者・その家族、乳幼児を持つ共働き世帯であり、医療・介護・保育という社会インフラ領域において幅広いサービスを提供している。2026年3月にMBOが成立し、上場廃止・完全子会社化の手続きが進行中。
ビジネスモデル
医療事業では医療機関との業務受託・人材派遣契約により継続的な売上を確保し、価格改定交渉を通じた単価改善で収益性を高める。介護・こども事業は介護保険・保育公定価格という公的価格体系に基づく収益構造であり、稼働率・入居率の向上が利益改善の主要レバーとなる。
いずれも労働集約型であるため、人材確保・処遇改善とテクノロジー活用による生産性向上が収益性の鍵を握る。
企業の強み
医療事業では約1,300の医療機関を対象に全国で医療事務関連業務・医事周辺業務・病院経営支援業務を提供。1979年の医事業務全面受託開始以来40年超の実績を持ち、業務受託・人材派遣の双方で継続的な取引関係を構築している。
既存請負業務における価格改定交渉が2025年度も前年を上回って進捗し、売上高73,834百万円を達成した。
売上高141,144百万円のうち医療事業52%、介護事業40%、こども事業8%と3事業に分散。単一事業への依存度が低く、各事業が独立した公的価格体系・需要基盤を持つため、特定セグメントの業績悪化が全体に与える影響を緩和する構造を有する。2025年度は3事業すべてが増収を達成した。
2014年以降、ベストケア、日本ケアリンク、三井住友海上ケアネット(現ソラストケア)、ポシブル医科学など複数の介護事業者をM&Aにより子会社化し、関東・中京・関西圏で688ヶ所(直営)の介護事業所を運営。訪問介護・デイサービス・グループホーム・有料老人ホーム等の多様なサービス形態を持ち、地域密着型の面的展開を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年度117,239百万円から2026年度141,144百万円へ5期連続増収。営業利益は2024年度に一時落ち込んだ後、2025年度7,017百万円・2026年度7,345百万円と2期連続増益で回復基調。
2026年度の増益要因は医療事業の価格改定効果(外部要因として診療報酬改定も寄与)と介護事業の大幅増益(+24.0%)。一方、純利益は減損損失751百万円(介護・こども事業)とMBO関連費用397百万円の計上により3,740百万円(前年比5.6%減)に留まった。
物価高騰(水道光熱費・食材費)が介護・こども事業のコストを押し上げる外部要因として継続している。
成長戦略
MBO非公開化を経て、人的資本経営×テクノロジーによる収益構造改革を推進
既存請負業務の価格改定交渉を継続的に進捗させ、2025年度は前年を上回る改定効果を実現。医療事業売上高は73,834百万円(前年比3.7%増)、ただし処遇改善・IT投資強化により営業利益は4,173百万円(同4.9%減)と利益率は5.7%に低下。価格改定と投資のバランスが課題。
直営介護事業所を709から688へ統廃合し、デイサービス稼働率向上・施設系入居率改善・外部労働力コスト圧縮を推進。2025年度営業利益は2,750百万円(前年比24.0%増)、営業利益率4.9%へ改善。減損損失の増加(751百万円)は一部事業所の収益性課題を示唆。
2025年4月1日付組織改編により、従来「その他」に含まれていたスマートホスピタル事業を医療事業セグメントに統合。次世代オペレーションへの移行による生産性改善および新規IT投資(2025年度計画通り実行)を通じ、医療事業の付加価値向上を図る。
MP-2605株式会社による公開買付けが2026年5月に成立。上場廃止後は短期的な株主圧力から解放され、処遇改善・IT投資・事業再編等の中長期施策を機動的に実行できる経営環境を整備。MBO後の親会社からの借入(極度額190億円)で既存借入金148億円を返済し財務構造を再編。
最終更新: 2026年7月19日

