事業内容
株式会社小田原エンジニアリングは1979年設立、神奈川県足柄上郡松田町に本社を置く巻線設備の専業メーカーである。主力の巻線機事業では、xEV駆動モーター・発電機用をはじめ家電・産業・医療・OA機器向けのモーター用巻線設備およびボビンコイル用巻線設備を完全受注生産で世界各国に販売する。
第2セグメントの送風機・住設関連事業では、工作機械・産業用ロボット・半導体関連向け小型送風機(クロスフローファン・軸流ファン)および浴室照明器具・住宅換気装置を製造販売する。国内外に子会社7社を擁し、北米・欧州・中国に販売・サービス拠点を展開するグローバル体制を構築している。
ビジネスモデル
巻線機事業は完全受注生産方式を採用し、顧客仕様に応じた設備を個別開発・製造することで高い参入障壁と価格交渉力を確保する。初期設備納入後も追加治具・改造案件・消耗品・予備品等のアフターマーケット収益が継続的に発生し、利益率を押し上げる構造を持つ。
送風機・住設関連事業は量産型製品の製造販売で安定的な売上基盤を補完する。2025年12月期の巻線機事業セグメント利益率は24.5%に達した。
企業の強み
2025年12月期の巻線機事業売上高は13,583百万円(前年同期比49.4%増)、セグメント利益は3,332百万円(同117.0%増)でいずれも過去最高を更新。xEV用トラクションモーター向けヘアピン成型・溶接工程の品質・生産性向上技術を中心に研究開発を継続し、技術的差別化を維持している。
米国・ドイツ・中国に子会社を持つグローバル体制を構築。2025年12月期にはAstemo Americas, Inc.向け売上高9,093百万円(総売上の49.9%)を計上し、北米市場での大型案件遂行能力を実証した。
前期は日立Astemo動力系統(南京)有限公司向けが総売上の27.4%を占めており、主要顧客との継続的取引関係を有する。
2025年12月期末の自己資本比率は74.5%(前期58.9%から大幅改善)、現金及び現金同等物は8,225百万円を保有。有利子負債は極めて少なく、インタレスト・カバレッジ・レシオは834.9倍。原則として自己資金で事業運営を賄う財務方針を堅持しており、財務リスクは低い。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期14,703百万円をピークに2024期13,176百万円へ落ち込んだ後、2025期に18,238百万円と過去最高を更新した。営業利益も2025期3,052百万円と急拡大した。
2026期は通期予想売上高14,000百万円(前期比-23.2%)、営業利益1,170百万円(前期比-61.7%)と大幅な反動減を見込む。ただし2026年12月期第1四半期実績は売上高3,118百万円・営業利益323百万円と前年同期の損失から黒字転換しており、xEV向けリピート案件の原価率低減効果と送風機事業の回復が寄与した。
外部要因として米国通商政策・補助金変化による自動車メーカーの設備投資計画見直しが需要変動の主因となっている。
成長戦略
xEV・ブラシレスモーター向け技術強化と北米・中国重点地域戦略で持続成長を目指す
xEV用モーター向け巻線ラインシステム・追加治具・改造案件を中心に受注を積み上げ、2026年12月期第1四半期末時点で受注残高10,624百万円を確保。延期されていた案件の受注再開も確認されており、今後の売上計上の裏付けが強化されている。
中期経営計画の最終年度として巻線機事業・送風機住設関連事業の重点施策に取り組む。第1四半期は両セグメントで前年同期比大幅増収増益を達成しており、計画遂行は順調に進捗している。
工作機械・ロボット向け軸流ファンや倉庫向けビッグファン等の送風機応用製品を戦略アイテムとして拡販推進。第1四半期に工作機械・ロボット向け受注が大幅増加し、セグメント利益が前年同期比530.1%増と急回復しており、施策の効果が顕在化している。
最終更新: 2026年7月17日

