事業内容
株式会社ディスコは1937年創業の精密加工装置・ツールメーカーで、「切る・削る・磨く(Kiru・Kezuru・Migaku)」技術を事業の核とする。主力製品はダイシングソー、グラインダ、ポリッシャ等の精密加工装置と、ダイシングブレード等の消耗品(精密加工ツール)。
主要顧客は半導体・電子部品メーカーで、TSMC(当期売上高48,240百万円、構成比11.0%)をはじめ台湾・韓国・中国・米国・欧州の大手ファウンドリ・IDMに製品を供給する。国内製造拠点(広島・長野・東京)を中心に、世界7カ国の販売・サービス子会社を通じてグローバルに事業を展開している。
ビジネスモデル
装置(精密加工装置)の販売に加え、消耗品(精密加工ツール)の継続的な供給、無償テストカットを通じたアプリケーション技術の提供、導入後のアフターサービスという4要素を組み合わせたトータルソリューションモデルを採用する。消耗品は顧客の設備稼働率に連動して繰り返し購入されるため、装置販売後も安定的な収益を生む構造となっている。
また、60年超にわたるテストカットで蓄積した加工ノウハウと専門エンジニアが参入障壁を形成し、高い顧客ロイヤルティを維持している。
企業の強み
1960年代から継続するテストカット(無償加工検証)を通じて蓄積した膨大な検証データとノウハウ、それを使いこなせる専門エンジニアが競合の参入を阻む。同等のアプリケーション技術を構築するには数十年規模の時間的投資が必要であり、新興企業には模倣困難な構造的優位性を形成している。
2026年3月期の営業利益率は42.3%、経常利益率も42.3%に達した。4年累計経常利益率は41.4%となり、自社目標「4年累計経常利益率20%以上」を10期連続で達成。
4年累計RORA(Return On Risk Assets)は51.2%、自己資本比率は78.9%と財務基盤も極めて強固である。
自社製造拠点を戦略資産と位置づける「Fab Important戦略」のもと、主要部品の内製化と開発製造同居体制を維持する。これにより仕様変更への高速対応、多品種少量生産への柔軟な対応、サプライチェーンの強靭性を実現。
当期設備投資総額は32,708百万円で、郷原工場建設着手金10,312百万円・羽田R&Dセンター建設着手金3,632百万円を含む積極投資を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高436,889百万円(前期比11.1%増)、営業利益184,989百万円(同10.9%増)、親会社株主帰属当期純利益135,521百万円(同9.4%増)と増収増益を達成し、出荷額・売上高ともに6期連続で過去最高を更新した。市場環境として生成AI需要拡大によるデータセンタ向け投資継続が主要ドライバーとなった一方、製品・用途構成変化に伴う僅かなGP率低下(売上総利益率:前期70.6%→当期70.1%)や人件費・研究開発費の増加が利益成長率を売上成長率並みに抑制した。
5期の売上高推移は253,781→284,135→307,554→393,313→436,889百万円と拡大基調が継続している。
成長戦略
Kiru・Kezuru・Migaku技術の深化とFab Important戦略で生産能力を拡充
先端ロジックおよびHBM向け高性能半導体需要に対応した高付加価値製品の開発・出荷を強化。2026年3月期は高付加価値製品の収益寄与が増収増益の主因となり、台湾向け売上高が117,378百万円へ急拡大した。
製造用土地建物等への積極的な設備投資を継続。建設仮勘定が前期16,946百万円から当期33,885百万円へ倍増しており、将来の生産能力拡充に向けた投資が進行中。定期預金100,000百万円の預入も含め、将来の事業拡大に備えた資金確保を実施。
当社の目指すべき目標の一つである「4年累計経常利益率20%以上」を10期連続で達成。当期時点の4年累計経常利益率は41.4%(前期40.0%)と目標を大幅に上回る水準を維持しており、高収益体質の持続的な維持が確認されている。
半導体・電子部品業界の需要予測困難性を踏まえ、業績予想は1四半期先のみ開示する方針を継続。2027年3月期第1四半期は売上高106,100百万円(前年同期比18.0%増)、営業利益42,000百万円(同21.8%増)を予想。想定為替レートは1USドル157円。
最終更新: 2026年7月19日

