事業内容
DMG森精機は、5軸加工機・複合加工機・マシニングセンタ・ターニングセンタ等の工作機械を製造・販売する世界有数のメーカーである。連結子会社127社・持分法適用関連会社8社で構成され、日本・欧州・米州・アジアにグローバル生産・販売網を展開する。
主要顧客は航空・宇宙・防衛、メディカル、電力・エネルギー、データプロセス・半導体・通信等の産業向けで、工作機械本体にとどまらず、ソフトウェア・計測装置・MRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)・スペアパーツ・エンジニアリングまでトータルソリューションを提供する。2025年度の売上収益は514,976百万円。
ビジネスモデル
マシンツールセグメント(売上収益343,277百万円)が工作機械の製造・販売を担い、インダストリアル・サービスセグメント(売上収益171,652百万円、セグメント利益率9.9%)がMRO・スペアパーツ・エンジニアリング等のアフターサービスで安定収益を確保する。機械販売で顧客基盤を拡大し、稼働機械台数の増加がサービス需要を継続的に押し上げる構造となっている。
MX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略による自動化・工程集約の推進が機械の高付加価値化と受注単価上昇(79.6百万円)に寄与している。
企業の強み
2025年12月末の機械受注残高は240,533百万円(前期比10.3%増)。受注高も523,370百万円(前期比5.5%増)と回復基調にあり、第4四半期受注は前年同期比24%増と加速。この受注残高は2026年度の増収への確度を高める先行指標として機能している。
インダストリアル・サービスセグメントのMRO・スペアパーツ・エンジニアリング受注は125,900百万円と安定推移し、全社受注構成比24%を占める。機械販売の景気変動に左右されにくいストック型収益として、グループ全体の収益安定性に貢献している。
国際環境非営利団体CDPの「CDP2025」において、気候変動分野で2年連続・水セキュリティ分野でも最高評価「Aリスト企業」に認定。伊賀事業所では国内最大級の自家消費型太陽光発電システムが2025年2月より稼働し、年間電力需要の約30%を賄い年間約6,000トンのCO2削減を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2023期548,529百万円をピークに2025期527,196百万円まで減少したが、2026年第1四半期は135,531百万円(前年同期比18.9%増)と明確な回復を示した。営業利益も3,417百万円(前年同期比88.0%増)と大幅改善し、営業利益率は2.5%(前年同期1.6%)へ上昇。
外部要因として航空・防衛・宇宙・エネルギー・AIデータセンタ向け設備投資需要の底堅さと対ユーロ円安が追い風となっている。通期予想は売上収益565,000百万円(前期比9.7%増)、営業利益28,000百万円(同47.6%増)へ上方修正済み。
ただし親会社帰属当期利益の通期予想15,000百万円は前期24,033百万円を大幅に下回る見通しであり、利益の質の改善が引き続き課題。
成長戦略
MX戦略による高付加価値化・自動化推進と成長産業向け顧客開拓で持続的成長を目指す
5軸加工機・複合加工機を中核とするMX機の拡販を推進し、機械1台当たり受注単価を84.2百万円(前年度平均79.6百万円)へ引き上げ。NMV 3000/5000 DCG 2nd Generation等の新機種投入と複合加工機NTXシリーズ向けテクノロジーサイクル拡充により競争力を強化している。
前期より再度販売促進を開始したBX機の受注が好調に推移し、MX機とのバランスある受注獲得を実現。2026年第1四半期の連結受注額は四半期ベースで過去最高水準を記録しており、機種ポートフォリオの多様化が受注拡大に貢献している。
MRO・スペアパーツ・エンジニアリング受注は2026年第1四半期に35,700百万円(前年同期比18.3%増)と好調。稼働機台数の蓄積と受注残266,000百万円の売上転換に伴い、サービス対象機台数の拡大が見込まれ、高利益率のアフターサービス収益の持続的成長が期待される。
2026年2月にドイツ・フロンテン工場に約4,500㎡・最大150名受入可能なトレーニングセンタを開設。2026年4月には東京大学大学院工学系研究科内にMXセンターを共同開設し、次世代製造業を牽引する技術開発と高度専門人材の育成を推進している。
各国政府の防衛費予算拡大、大手航空機メーカーの豊富な受注残、AIデータセンタ投資、社会の高齢化に伴うメディカル需要増大を背景に、これら成長産業向け受注が好調に推移。地域別ではEMEA・米州ともに前年同期比約30%増と大幅増を記録しており、グローバルな顧客基盤の強みが発揮されている。
最終更新: 2026年7月17日

