事業内容
株式会社アビストは、ハイエンド3次元CAD(3D-CAD)を主要ツールとして機械・機械部品の設計開発およびソフトウェア開発を行う設計開発アウトソーシング企業。2006年設立、2022年東証プライム市場上場(2023年10月スタンダード市場へ移行)。
主力の設計開発アウトソーシング事業が売上高の約99%を占め、自動車メーカー・部品メーカーを中心に家電・精密機器・情報処理など多岐にわたる顧客に技術者を派遣・請負形態で提供する。第20期末時点で技術者数1,200名を擁し、三鷹市本社を拠点に全国展開。
2025年4月にはベトナム・ハノイに海外子会社VIETNAM ABIST CO., LTD.を設立し、オフショア開発を含むグローバル展開を開始した。美容・健康商品製造販売事業(水素水)および不動産賃貸事業も運営するが、規模は限定的。
ビジネスモデル
技術者を常用雇用し、顧客企業へ派遣業務(顧客指揮命令下)または請負業務(受託型・常駐型)として提供することで売上を得る。付加価値の高い請負業務比率を50%以上に維持する方針のもと、第20期は請負売上高比率58.6%(請負6,127百万円、派遣4,326百万円)を達成。
技術力・難易度に応じた単価改善を継続的に推進することで、技術者数の増加と単価上昇の両輪で収益を拡大する構造。設備投資は主にCAD端末等に限定され、原則として自己資金で賄う財務規律を維持している。
企業の強み
第20期の請負売上高比率は58.6%(6,127百万円)と、経営目標の50%以上を大きく上回る水準を維持。単価改善の継続的な進捗が設計開発アウトソーシング事業のセグメント利益率17.5%(1,839百万円)を支えており、第19期比4.7%の利益成長を実現した。
第20期末の技術者数は1,200名(前期比+46名)。年間平均稼働率は95.4%と高水準を維持しており、第16期(94.1%)から第18期(97.9%)にかけての推移を含め、安定した稼働実績を持つ。ISO/IEC 27001認証取得など品質・セキュリティ管理体制も整備済み。
第20期末の総資産9,769百万円に対し純資産7,405百万円(純資産比率約75.8%)。運転資金・設備資金は原則自己資金で賄う方針を堅持し、有利子負債への依存度は低い。配当性向35%以上を原則とし、第20期の配当金支払額は405百万円と株主還元も継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は9,022百万円(2021期)→10,627百万円(2025期)と安定成長を継続。2026年9月期中間期は売上高5,610百万円(前年同期比+7.7%)、営業利益572百万円(同+13.6%)と好調に推移。
稼働要員の増加と単価改善が主要ドライバー。前年同期に計上された特別損失(過年度決算訂正関連費用75百万円)の消滅により中間純利益は前年同期比+37.0%増と大幅改善。
通期予想は売上高11,200百万円(前期比+5.4%)、営業利益850百万円(同△11.8%)と増収減益見通し。外部要因として自動車業界の脱炭素化・次世代技術開発向け研究開発投資の継続が受注環境を下支えしているが、国際情勢の不透明感は下振れリスクとして残存する。
成長戦略
デジタルソリューション企業への転換と第22期売上高12,500百万円達成
主力事業において技術者数の継続的な増加と技術力・難易度に応じた単価改善を推進。2026年9月期中間期のセグメント売上高5,556百万円(前年同期比+7.8%)、セグメント利益率19.0%と着実に進捗している。
2025年4月に事業開始したベトナム子会社を通じ、グローバルな設計開発アウトソーシング体制を構築。コスト競争力の強化と海外顧客獲得を目指す。現時点では立ち上げフェーズ。
OEM事業の受注増加が確認されているが、通販事業の受注減少や消耗品費発生により2026年9月期中間期はセグメント損失14百万円と赤字継続。収益化には通販事業の立て直しとコスト構造改善が課題。
既存の設計開発アウトソーシングにとどまらず、付加価値の高いソリューション提案型企業を目指す中期方針。DX進展に伴う企業の設計開発アウトソーシング需要の多様化・拡大を取り込む戦略。第22期売上高12,500百万円を中期目標として掲げる。
最終更新: 2026年7月17日

