指定・登録取消リスク
日本ERI株式会社など4子会社は建築基準法・住宅品確法に基づく国土交通大臣の指定・登録機関として事業を展開しており、法的規制への抵触により指定・登録の取消、更新拒否、業務停止処分を受ける可能性がある。処分を受けた場合、当該子会社の事業活動に支障をきたすとともに、グループ全体の業績に重大な影響を及ぼす。対応として内部統制・リスク管理体制を整備しており、有価証券報告書提出日現在において法的規制に該当すべき事由は発生していない。
制限業種による議決権規制
建築基準法の規定により、制限業種(設計・工事監理業、建設業、不動産業、昇降機製造・供給)に従事する株主の議決権保有割合が総株主議決権の1/3を超えた場合、確認検査業務・住宅性能評価業務の国土交通大臣による指定・登録が取り消される可能性がある。2025年5月31日現在の制限業種による議決権保有割合は25.8%(19,575個)であり、現時点では基準内に収まっているが、株主構成の変動によりリスクが顕在化し得る。当社では株主名簿に基づく属性確認・調査を継続的に実施し、割合を開示している。
関連法令の改廃リスク
確認検査業務・住宅性能評価業務は建築基準法・住宅品確法をはじめとする多くの法令による規制を受けており、ソリューション事業においても一級建築士事務所登録・建設コンサルタント登録・測量業者登録・補償コンサルタント登録等の各種登録が必要である。今後これらの法令の改廃や新たな法令が設けられた場合、その内容や影響をあらかじめ予測・コントロールすることは困難であり、グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。対応策として法令動向の継続的なモニタリングを行っているが、具体的な対策の詳細は開示されていない。
住宅市場の需要変動リスク
当社グループの中核事業である確認検査業務・住宅性能評価業務は住宅市場と密接に連動しており、雇用状況・景気動向・金利動向・地価動向・住宅税制等の外部要因の変化により住宅購入者の購入意欲が減退した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。過去には改正建築基準法施行に伴う混乱(2007年6月)、リーマン・ショック(2008年9月)、消費税増税前の駆け込み需要の反動(2014年度:前年度比14.1%減)、コロナ禍(2020年度)等により建築確認件数が大幅に落ち込んだ実績がある。住宅市場の外部要因は当社グループがコントロールできないため、継続的なリスク要因となっている。
競合激化による地位喪失リスク
確認検査業務では2025年5月末時点で128機関が指定を受けており、地域密着型機関との競争が激しい。住宅性能評価業務においても123機関が登録しており、大手住宅供給会社間の取引拡大を巡る競争が激化している。当社グループは確認検査・住宅性能評価ともに業界最大手(2024年度設計評価交付戸数シェア22%で1位)の地位にあるが、将来にわたって最大手の地位を維持できるとは限らないと有報に明記されている。
有資格人材の確保リスク
確認検査業務・住宅性能評価業務の遂行には「確認検査員」「副確認検査員」「評価員」等の法定資格保有者の確保が必須であり、全国33支店(2025年5月31日現在)を展開する当社グループでは拠点ごとの確認検査員等の確保が不可欠である。万が一、業務量に対して有資格者の確保が十分でない場合、確認検査業務・住宅性能評価業務の遂行に支障をきたすこととなる。ソリューション事業においても建設コンサルタント・測量業者・補償コンサルタント登録等の更新に有資格者が必要であり、当社グループでは人材育成・採用によって有資格者の確保に努めている。
業績の季節変動リスク
当社グループの売上高の約3割を占める竣工時の現場検査収入(完了検査・建設住宅性能評価)は、建築物の竣工が集中する3月・9月・12月に偏重する傾向がある。消費増税による駆け込み需要の反動や自然災害・感染症による工事中断等の予想し得ない事態により竣工案件が翌期にずれ込んだ場合、当該期の業績に影響を及ぼす可能性がある。また、ソリューション事業においても官公庁向け業務の納期が年度末に集中するため、売上高が第4四半期連結会計期間に偏重する傾向がある。
訴訟・審査請求リスク
確認検査業務・住宅性能評価業務は行政不服審査法に基づく審査請求の対象となり、当社グループの過失の有無にかかわらず訴訟を受ける可能性がある。近隣住民からの審査請求が問題化・訴訟に発展した場合、当社グループが行った建築確認の適正性を問わず、公正中立な専門的第三者機関としての信用に影響を及ぼす可能性がある。業務遂行により発生する損害に備え「建築確認検査機関・住宅性能評価機関賠償責任保険」に加入しているが、想定外の訴訟による風評悪化等のリスクは残存する。
個人情報漏洩リスク
当社グループは多数の顧客情報をはじめとする個人情報を保有しており、大規模な情報漏洩等が発生した場合、監督官庁からの行政処分・損害賠償請求・社会的信用の毀損等により業績に影響を及ぼす可能性がある。対応として各社において「個人情報保護基本規程」等の情報管理規程を定め、役職員への教育・研修等により社内に徹底通知しているが、これらの対策にもかかわらずリスクが完全に排除されるわけではないと有報に明記されている。
M&Aに伴うのれん減損リスク
当社グループは事業拡大の施策としてM&Aを活用しており、今後も必要に応じて実施する方針である。M&A後に偶発債務等の発生や事業環境の変化等により計画通りの事業展開を行えなかった場合、のれんや関係会社株式の減損処理が発生し、グループの業績に影響を与える可能性がある。対応として対象企業の財務内容・契約関係等について詳細な事前調査・検討を行い、極力不確実性を排除するよう努めているが、将来予測に基づくM&Aには本質的な不確実性が伴う。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

