事業内容
株式会社ウチヤマホールディングスは、2006年設立の持株会社で、事業子会社・株式会社さわやか倶楽部を通じて主に5事業を展開する。中核の介護事業は全国23都道府県116拠点195事業所を擁し、介護付ホームを中心に有料老人ホーム・グループホーム・デイサービス等を提供。
カラオケ事業は「コロッケ倶楽部」64店舗、飲食事業は居酒屋9店舗を九州中心に運営。不動産事業では賃貸・売買仲介に加え収益不動産の取得も行う。
その他セグメントでは特定技能外国人材の紹介・登録支援やインドネシア職業訓練校を通じた人材供給パイプラインを構築しており、介護事業の人材確保とも連動する。主要顧客は要介護・要支援認定を受けた高齢者であり、介護保険制度に基づく公的報酬が収益の根幹を成す。
ビジネスモデル
売上高の約83%を占める介護事業では、介護保険法に基づく介護報酬を各都道府県の国民健康保険団体連合会から受領する。入居一時金を原則不徴収とすることで入居障壁を下げ、稼働率向上と採算性改善を図る。
施設開設はセールアンドリースバック(SPC活用)を優先し、自社資本負担を抑制しながら拡大する。カラオケ・飲食事業は来店型サービス収益、不動産事業は賃貸・売買仲介収益、その他は外国人材紹介フィーが収益源となり、介護事業を補完する。
企業の強み
2026年3月期末時点で116拠点195事業所を全国展開。介護付ホーム72事業所を中心に、グループホーム・ショートステイ・デイサービス等を複合的に配置し、地域ごとに多様な介護ニーズに対応できる体制を構築している。福岡県だけで94事業所を擁し、九州基盤の深耕と全国展開の両立を実現している。
一部施設を除き入居一時金を受領しない料金形態を採用し、所得水準に関わらず幅広い高齢者の入居を促進。2026年3月期の既存施設平均入居率は93.9%(前期93.1%)と高水準を維持しており、稼働収益の安定化に直結している。この差別化戦略は他社施設との競合においても有効に機能している。
自社開発した介護施設を国内外投資ファンド等が出資するSPCへ売却後にリースバックする手法を活用し、多額の設備投資負担を軽減しながら施設数を拡大してきた。2026年3月期末時点で40施設超がSPCまたは信託会社との長期賃貸借契約(主に20〜30年)下で運営されており、安定的な事業基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期24,958百万円から2026年3月期29,578百万円へ4期連続増収。2026年3月期は前期比1.6%増の29,578百万円。
営業利益は2022・2023年3月期の赤字から回復し、2026年3月期は551百万円(前期比164.6%増)と改善が鮮明。ただし当期純利益は296百万円と前期2,051百万円から大幅減少しており、これは前期に繰延税金資産計上(法人税等調整額△1,651百万円)という一時的要因があったためで、実態ベースの収益力は改善傾向にある。
外部要因として、介護報酬改定・物価上昇・金利上昇が今後の収益に影響を与える可能性がある。営業CFは685百万円と前期254百万円から大幅改善し、キャッシュ創出力の回復が確認できる。
成長戦略
介護事業の全国展開加速とDX・外国人材活用で生産性向上、非介護事業の収益構造改善を並行推進
介護事業を中心に展開地域および拠点数の拡大を推進。2026年3月期末時点で116カ所195事業所を運営し、既存施設平均入居率は93.9%に改善。住宅型有料老人ホーム1カ所・訪問介護事業所1カ所を閉鎖する一方、新規拠点開設を継続する方針。
次世代型介護研究ラボ「INOVEL BASE」を通じてICT・福祉機器の導入支援、先進的ケアの研究・実証を実施。介護ロボット等のテクノロジー活用で職員負担を軽減し、利用者・職員双方の質向上を図る。2040年問題を見据えた構造的人手不足への対応策として位置付け。
排泄ケア専門士・認知症ケアリーダー・ケアクリエイター・ランク2アップの4種の社内認定資格を新設・運用開始。専門的知識・実践スキルの習得支援でサービス品質を向上させ、利用者の安心・安全な環境構築と稼働率維持に貢献。
登録支援機関として外部への特定技能外国人材紹介および支援業務を拡大。グループ内支援業務の内製化によりコスト削減を実現。その他セグメントの売上高は前期比43.3%増の102百万円、セグメント利益は74百万円(同38.5%増)と高収益で成長中。
カラオケ事業は3店舗退店(期末64店舗)、飲食事業は1店舗退店(期末9店舗)を実施し固定費削減を推進。カラオケ事業のセグメント損失は前期311百万円から18百万円へ大幅縮小。飲食事業は損失4百万円と依然赤字で、さらなる構造改善が課題。
その他セグメントにおいて新たに学習塾事業を開始し、子どもたちの成長を支える環境づくりに取り組む。外国人材紹介・支援事業との相乗効果も期待される小規模新規事業として育成段階にある。
最終更新: 2026年7月19日

