事業内容
株式会社ジャパンエンジンコーポレーションは、1910年創業の歴史を持つ舶用内燃機関(主機関)の専業メーカーである。三菱UEディーゼル機関の技術を基盤に、開発・設計・製造・販売・アフターサービスまでの一貫体制を構築し、国内外の造船所・船主を主要顧客とする。
事業は舶用内燃機関の製造販売と修理・部品等(アフターサービス・ライセンス・部品供給)の2区分で構成され、海外ライセンシーへの技術供与を通じてグローバルにUEエンジンの普及を推進している。2026年3月期の売上高は29,707百万円、受注残高は34,454百万円に達する。
ビジネスモデル
主機関(LSHシリーズ等)の製造販売で初期収益を獲得しつつ、稼働船舶の増加に伴うメンテナンス部品・修理需要を継続的に取り込むストック型収益を積み上げる。加えて、海外ライセンシーへの技術供与によるロイヤリティー収入と部品供給ビジネスがグローバルに拡大しており、2026年3月期の修理・部品等売上高は15,536百万円と全体の52.3%を占め、主機関販売を逆転した。
企業の強み
開発・設計・製造・販売・アフターサービスの一貫体制を自社内に保有するグローバルライセンサーとして、海外ライセンシーを含むUEエンジンのエコシステムを構築。2022年12月にはUEディーゼル機関生産4,000万馬力を達成しており、長年の技術蓄積と実績が競合他社の短期模倣を困難にしている。
NEDOグリーンイノベーション基金事業の支援のもと、50LSJA機関(アンモニア)の初号機を世界に先駆けて完成させ、2025年10月に納入を完了した。水素燃料エンジン(35LSGH)の検証運転も2026年3月に開始しており、次世代脱炭素エンジン分野での先行者地位を確立している。
2026年3月期末の受注残高は34,454百万円(前期比+25.9%)に達し、舶用内燃機関単独でも26,659百万円を確保している。造船所から先行き3年程度の生産枠取り内示を取得済みであり、自社の営業・生産管理能力に基づく受注積み上げが中期的な売上の視界を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期13,164百万円から2026年3月期29,707百万円へ4年間で2.3倍に拡大。成長率は2025年3月期+37.6%から2026年3月期+2.9%へ鈍化したが、これはアンモニア・水素燃料エンジン初号機製造による操業負荷調整で舶用内燃機関が前期比△15.6%(14,170百万円)と減収となったことが主因。
一方、修理・部品等が前期比+28.6%(15,536百万円)と急拡大し全体の減収を補った。営業利益率は18.4%(前期17.6%)と改善し、経常利益は補助金収入(1,012百万円)の寄与もあり前期比+18.7%の6,433百万円。
外部環境として造船業界の旺盛な発注継続と船舶の高稼働運航がアフターサービス需要を下支えしている。
成長戦略
脱炭素エンジン先行開発・UEエンジン世界シェア拡大・新工場建設による中長期増産体制確立
50LSJA機関(アンモニア)初号機を2025年10月に世界初完成・納入済み。2027年3月期中に造船所での建造・海上試運転を経て本船就航予定。NEDOグリーンイノベーション基金の支援のもと、60LSJA機関(アンモニア)も同時並行開発中。
35LSGH機関(水素)初号機の工場内検証運転を2026年3月から開始。2027年3月期中に検証運転を完了させ造船所へ納入予定。完了により次世代脱炭素燃料エンジン製造による操業負荷調整が順次解消し、主機関生産台数の回復が見込まれる。
GHG削減・SOx/NOx排出削減に寄与する低炭素燃料エンジンとして50LSJM機関を開発中。脱炭素・重油燃料エンジン開発で培った知見を活用し短期間での市場投入を計画。脱炭素・低炭素・重油の全燃料対応ラインナップを確立する。
中国リーディングライセンシーの新工場が前期に建設完了し生産台数が漸増中。J-ENG上海(中国現地法人)と連携した海外ライセンシー製主機関向けアフターサービス支援を強化。
Guangzhou Diesel Engine Factory Co., Ltd.向け売上高が4,294百万円と前期比+48%増加し主要顧客首位に浮上。
60LSH機関(重油)・60LSJA機関(アンモニア)等の船舶ボリュームゾーン向けエンジンを効率的に生産する新工場を建設中。2028年度稼働予定で、稼働後は更なる受注増を計画。建設仮勘定は2026年3月期末時点で909百万円。
最終更新: 2026年7月19日

