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株式会社ファインシンター

5994東証スタンダード金属製品

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株式会社ファインシンター5994

事業内容

株式会社ファインシンターは1950年創業の粉末冶金専業メーカーで、金属粉末を焼き固める焼結技術を核に自動車焼結部品・鉄道焼結部品・油圧機器製品の3事業を展開する。国内外6製造子会社(タイ・米国・中国・インドネシア等)を擁するグローバル体制を持ち、トヨタ自動車・デンソーを主要顧客とする。

売上高の約91%を自動車焼結事業が占め、新幹線用すり板・ブレーキライニングを手掛ける鉄道焼結事業(利益率27%超)と、デンタルチェア向け小型油圧機器の油圧機器製品事業(利益率約24%)が高収益の柱として補完する構造を持つ。東京・名古屋両証券取引所に上場。

ビジネスモデル

金属粉末の成形・焼結・仕上げ加工を一貫して行う製造直販モデルを採用。自動車焼結事業では量産型の受注生産で規模の経済を追求し、鉄道・油圧事業では高い技術障壁と顧客固定性を活かした高利益率ビジネスを展開する。

近年は部品単体販売からユニット製品(設計から生産まで一貫)への付加価値シフトを推進し、収益構造の高度化を図っている。研究開発費は596百万円(2026年3月期)を投じ、HEV用インバーター部品・次世代磁性材製品の開発を継続している。

企業の強み

ハイブリッド車用インバーター部品(リアクトルコア)において新型品の量産ラインを増設し、2026年3月期に生産を開始。HEV車520万台分を賄う計画規模に達しており、設計から生産まで一貫で手掛ける高付加価値ユニット製品の量産設備導入もほぼ完了している。

電動化対応製品が自動車焼結事業の増収・増益を牽引した実績が確認できる。

鉄道焼結事業は新幹線用すり板・ブレーキライニングを主力とし、2026年3月期のセグメント利益率は27.1%に達する。受注水準は前年度と同水準を維持しつつ原価改善が進み、セグメント利益は前年度比24.7%増の646百万円を達成。

集電性と耐摩耗性を両立するコア技術は競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。

タイファインシンター第2拠点が2024年11月に本格生産を開始し、駆動系部品の販売が好調に推移。2026年3月期の自動車焼結事業売上高は41,895百万円(前年度比8.9%増)となり、過去最高売上高の達成に貢献した。グローバル6拠点体制により顧客の生産地に近接した供給体制を構築している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高46,206百万円(前期比8.2%増、過去最高)、営業利益1,195百万円(同75.0%増)と事業収益力の改善は明確。しかし、グローバル生産拠点再編に伴う固定資産減損損失2,191百万円(AFS・滋賀・山科工場等)および棚卸資産評価損473百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,414百万円と前期(207百万円の損失)から大幅に拡大した。

減損は構造改革の前向きな一歩だが、損失の規模と継続性は引き続き注視が必要。

2026年4月28日の取締役会でAFS(米国オハイオ州、資本金64,624千米ドル、当社100%子会社)の事業停止を決議し、2028年3月末までに段階的に停止・他拠点移管を予定している。AFSは2026年3月期に減損損失1,804百万円超を計上した問題拠点であり、事業停止に伴う追加損失・撤退コストの詳細は現在精査中とされている。

2027年3月期業績予想(売上高44,500百万円、営業利益1,200百万円)にはAFS停止の影響が一部織り込まれているが、不確実性は高い。

2026年3月期末の自己資本比率は30.9%(前期29.5%)と小幅改善し、営業活動によるキャッシュ・フローは4,759百万円(前期814百万円)と大幅に改善した。現金及び現金同等物の期末残高も5,537百万円(前期4,119百万円)に増加。

一方、短期・長期借入金合計は17,318百万円(短期8,228百万円+1年内返済予定3,650百万円+長期5,440百万円)と依然として高水準であり、米国通商政策・自動車電動化の不確実性が中期業績の主要リスクとして残る。

成長戦略

生産拠点再編による基盤収益力底上げと磁性材・鉄道・油圧の成長3領域への集中投資

業績低迷が続く米国子会社AFS(オハイオ州)の事業を2028年3月末までに段階的停止し、グループ内他拠点へ生産移管。固定費削減と資産効率向上により中長期的な稼ぐ力の向上と財務体質強化を図る。

2025年5月30日付で精密焼結合金(無錫)有限公司の持分を追加取得し完全子会社化。資本剰余金1,276百万円増加。固定資産残存価額の見直し(取得価額の10%→1%)も実施し、実態に即した資産管理体制を整備。

HV用インバーター部品(リアクトルコア等)の新型品生産開始を実現。中期経営計画では磁性材をユニット製品取扱いと合わせた重点成長領域と位置づけ、付加価値・利益率のさらなる向上を目指す。

高収益の鉄道焼結事業(利益率27.1%)・油圧機器製品事業(利益率23.6%)に経営資源を重点投入。新幹線向け原価改善継続、油圧事業での北米顧客拡大・新規案件獲得を推進し、自動車事業依存度を低減する。

不採算製品の販売価格適正化、原材料・エネルギー価格高騰の販売価格への転嫁、過年度原材料単価変動の価格反映を継続実施。2026年3月期の売上総利益率は14.2%(前期13.5%)に改善した。

最終更新: 2026年7月19日