事業内容
中央発條株式会社は1925年創業のばねメーカーで、シャシばね・精密ばね・コントロールケーブルを主力製品とする自動車部品サプライヤーである。国内では鳴海・碧南・三好・藤岡・長崎など複数工場を擁し、海外は北米(米国)・中国(6社)・アジア(台湾・タイ・インドネシア・インド)に連結子会社19社・関連会社1社を展開する。
主要顧客はトヨタ自動車で売上高の約34%を占め、その他自動車メーカーにも幅広く供給する。非自動車分野(住環境・医療・航空・宇宙)への展開も進めており、2026年3月期の連結売上高は110,869百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
顧客(主にトヨタ自動車等の完成車メーカー)から四半期・月次の生産計画提示を受け、グループの生産能力に合わせて製造・納入する受注生産型モデルを採用する。日本・北米・中国・アジアの4極で製造拠点を持ち、グローバル調達ソーシングによる直材費低減と合理化改善による原価低減を収益改善の主軸とする。
インフレ・関税等のコスト増は顧客への売価転嫁交渉で対応し、技術供与ロイヤルティ収入も補完的収益源となっている。
企業の強み
1925年創業以来、シャシばね・精密ばね・コントロールケーブルの製造技術を蓄積し、南アフリカ・タイへの技術供与契約(自動延長)を締結するなど技術力は国際的に認知されている。高付加価値製品ODDS(On Demand Disconnectable Stabilizer)の量産継続や、H3ロケット採用のニットメッシュ製品など独自技術の事業化実績を持つ。
連結子会社19社・関連会社1社を日本・北米・中国・アジアに展開し、2026年3月期の海外売上高(北米9,057百万円・中国7,131百万円・アジア14,117百万円)は連結売上高の約27%を占める。アジアセグメントは前期比6.0%増収・営業利益41.3%増と高成長を示し、日本セグメントの減益をグローバルでカバーできる収益構造が整いつつある。
2026年3月期末の自己資本比率は56.6%(前期末53.7%から改善)、現金及び現金同等物残高は31,751百万円、有利子負債残高は23,858百万円であり、ネットキャッシュポジションを維持する。2025年11月の投資有価証券売却(売却益約12,886百万円)により利益剰余金が増加し、成長投資・株主還元の両立を支える財務余力が拡充された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は110,868百万円(前期比0.6%増)と過去最高を更新したが、成長率は鈍化。営業利益は2,847百万円(前期比35.0%減)と大幅減益で、売上高営業利益率は2.6%(前期4.0%)に低下。
減益要因は「意志ある固定費増」(安全対策・老朽設備更新・人的投資)と北米関税影響の売価回収時期ずれ。一方、親会社株主帰属当期純利益は12,420百万円(前期比569.4%増)と急増したが、投資有価証券売却益12,886百万円(特別利益)が主因であり一時的。
外部環境として北米関税・中東情勢・為替(期中平均151.09円/ドル)が業績に影響した。2027年3月期は営業利益3,300百万円(前期比15.9%増)を予想するが、純利益は売却益消滅で2,400百万円(前期比80.7%減)の見込み。
成長戦略
中長期経営計画2030のもと、安全・設備基盤強化と「ニーズを捉えた製品開発」で企業価値最大化を目指す。
前年の重大事故を踏まえ、安全対策投資・老朽設備更新・暑熱対策等の職場環境整備・安全最優先の企業文化醸成を最優先で実施。2026年3月期に設備投資71百万円規模を投下し、翌期以降の生産基盤強化の土台を構築。
コイルラインの老朽更新・最新設備・再生エネルギー導入など先進的取り組みを行うモデルライン構築のため、藤岡工場新棟(第12工場)を建設。投資有価証券売却資金を充当する計画。
中長期経営計画2030の成長戦略基本軸として、高付加価値製品(スタビライザODDS等)の拡充と新規分野進出を推進。インドの関連会社(SSS CHUHATSU PRECISION SPRINGS PRIVATE LTD.)を持分法適用に追加し新市場開拓も加速。
中長期経営計画2030の財務戦略として金融資産売却を計画的に実施し、株主還元を段階的に拡充。2026年3月期年間配当60円、2027年3月期予想90円(前期比30円増配)と積極的な増配方針を公表。
最終更新: 2026年7月19日

