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日本発条株式会社

5991東証プライム金属製品

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日本発条株式会社5991

事業内容

日本発条株式会社(ニッパツ)は1936年創業の精密部品メーカーで、国内外67子会社・8関連会社を擁するグローバルグループ。主力事業は懸架ばね・シート・精密部品・DDS(HDD用サスペンション)・産業機器の5セグメントで構成される。

自動車関連部品では日系・外資系OEMに幅広く供給し、情報通信分野ではHDD用サスペンションで世界的な地位を持つ。売上高816,879百万円のうち自動車関連が約7割、情報通信・産業機器関連が約3割を占め、タイ・米国・中国・インド・メキシコ・ハンガリー等に製造拠点を展開する。

ビジネスモデル

材料開発・金属加工・熱処理・シミュレーション・接合の5つのコア技術を基盤に、自動車用懸架ばね・シート・精密部品から、HDD用サスペンション・半導体プロセス部品まで多品種を製造販売する。OEMや情報機器メーカーへの長期供給関係を軸に安定的な受注を確保しつつ、高付加価値製品の開発と合理化施策による収益改善を並行して推進する。

研究開発費は売上高の3.0%(24,676百万円)を投じ、技術競争力の維持・向上を図る。

企業の強み

DDS事業は2026年3月期に売上高126,753百万円・営業利益26,058百万円・営業利益率20.6%を達成。タイ・中国・国内の複数拠点で製造し、10〜11枚ディスク搭載の高容量HDD向けCLA/TSAサスペンションを量産。

AIを活用したAOI導入等の合理化施策により生産性を継続的に向上させており、グループ全体の利益の過半を稼ぐ高収益中核事業として機能している。

懸架ばね・シート・精密部品・DDS・産業機器の5セグメントを保有し、自動車生産台数の変動リスクをHDD需要や半導体需要で補完できるポートフォリオを構築。2026年3月期において自動車関連市場が軟調な中でもDDS事業・産業機器事業が増収を達成し、グループ売上高816,879百万円を維持した実績がポートフォリオ分散の有効性を示している。

2026年3月期末の自己資本比率は59.3%、純資産453,035百万円、有利子負債残高64,271百万円と低水準。格付投資情報センター(R&I)より「シングルAフラット」の信用格付を取得。

営業キャッシュ・フローは77,446百万円(前期比39.0%増)と潤沢で、設備投資47,675百万円を自己資金で賄いながら現金及び現金同等物89,963百万円を確保している。

エンヴァリスの着眼点

売上高は前期比1.9%増の816,879百万円と増収を確保したものの、営業利益は前期比12.2%減の45,784百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比42.2%減の27,862百万円と大幅に落ち込んだ。特別損失として減損損失9,835百万円(産業機器ほか事業6,809百万円が主因)が発生したほか、法人税等合計が21,677百万円(前期9,662百万円)と急増したことが純利益を大きく圧迫した。

また、退職給付に係る会計処理の誤りが判明し決算短信を訂正した点は内部統制面での懸念材料となる。

2026年3月期の営業利益45,784百万円のうちDDS事業が26,058百万円(約57%)を占める一方、売上高の約56%を占めるシート・懸架ばね両事業の合計営業利益は8,779百万円(営業利益率約1.9%)にとどまる。シート事業は国内・タイでの日系メーカー減産影響や北米の車種構成変化で前期比28.3%減益。

自動車関連セグメントの収益回復が全体評価の鍵を握る。外部要因として、グローバル自動車生産の電動化シフトや通商政策の不確実性が引き続き下押しリスクとなる。

会社は2027年3月期に売上高860,000百万円(前期比5.3%増)、営業利益59,000百万円(前期比28.9%増)、純利益45,000百万円(前期比61.5%増)を予想し、ROE10.0%・ROIC8.0%の中計目標達成を見込む。DDS事業の継続成長(予想30,000百万円)とシート事業の回復(予想9,000百万円)が前提となるが、外部要因として米国関税政策の動向・為替(想定150円/ドル)・データセンター投資の持続性が達成確度を左右する。

設備投資拡大(有形固定資産増加額47,675百万円)に対し営業CFが77,446百万円と十分なカバレッジを確保している点は評価できる。

成長戦略

DDS・産業機器の高成長維持と自動車関連の収益力強化を両輪とする「2026中計」最終年度

データセンター向け高容量HDD需要の拡大を背景にHDD用サスペンションの販売数量増加を図る。2027年3月期予想売上高144,000百万円・営業利益30,000百万円を目標とし、AIを活用したAOI導入等の合理化施策で生産性向上を推進。

国内・タイでの日系メーカー減産影響や北米の車種構成変化で2026年3月期は前期比28.3%減益となったシート事業について、販売価格への原材料・物流コスト上昇分の転嫁推進と合理化施策により2027年3月期は売上高311,000百万円・営業利益9,000百万円への回復を目指す。

半導体プロセス部品・金属基板の将来需要増に対応した設備投資(2026年3月期セグメント有形固定資産増加額13,307百万円)を継続実施。減損損失6,809百万円を計上した資産の整理を経て、2027年3月期は売上高133,000百万円・営業利益11,000百万円(前期比50.8%増)への大幅改善を見込む。

2026年度を最終年度とする中期経営計画でROE10%以上・ROIC7%以上を掲げる。2026年3月期実績はROE6.6%・ROIC6.8%と目標未達。2027年3月期予想ではROE10.0%・ROIC8.0%の達成を見込み、資本コストを意識した投資推進と収益改善を図る。

2026年3月期の年間配当は1株当たり66円(配当性向48.0%)。2027年3月期は69円(中間33円・期末36円)を予定し、配当性向31.1%を見込む。純利益の大幅回復予想を前提に安定配当を継続する方針。

最終更新: 2026年7月19日