事業内容
日本発条株式会社(ニッパツ)は1936年創業の精密部品メーカーで、国内外67子会社・8関連会社を擁するグローバルグループ。主力事業は懸架ばね・シート・精密部品・DDS(HDD用サスペンション)・産業機器の5セグメントで構成される。
自動車関連部品では日系・外資系OEMに幅広く供給し、情報通信分野ではHDD用サスペンションで世界的な地位を持つ。売上高816,879百万円のうち自動車関連が約7割、情報通信・産業機器関連が約3割を占め、タイ・米国・中国・インド・メキシコ・ハンガリー等に製造拠点を展開する。
ビジネスモデル
材料開発・金属加工・熱処理・シミュレーション・接合の5つのコア技術を基盤に、自動車用懸架ばね・シート・精密部品から、HDD用サスペンション・半導体プロセス部品まで多品種を製造販売する。OEMや情報機器メーカーへの長期供給関係を軸に安定的な受注を確保しつつ、高付加価値製品の開発と合理化施策による収益改善を並行して推進する。
研究開発費は売上高の3.0%(24,676百万円)を投じ、技術競争力の維持・向上を図る。
企業の強み
DDS事業は2026年3月期に売上高126,753百万円・営業利益26,058百万円・営業利益率20.6%を達成。タイ・中国・国内の複数拠点で製造し、10〜11枚ディスク搭載の高容量HDD向けCLA/TSAサスペンションを量産。
AIを活用したAOI導入等の合理化施策により生産性を継続的に向上させており、グループ全体の利益の過半を稼ぐ高収益中核事業として機能している。
懸架ばね・シート・精密部品・DDS・産業機器の5セグメントを保有し、自動車生産台数の変動リスクをHDD需要や半導体需要で補完できるポートフォリオを構築。2026年3月期において自動車関連市場が軟調な中でもDDS事業・産業機器事業が増収を達成し、グループ売上高816,879百万円を維持した実績がポートフォリオ分散の有効性を示している。
2026年3月期末の自己資本比率は59.3%、純資産453,035百万円、有利子負債残高64,271百万円と低水準。格付投資情報センター(R&I)より「シングルAフラット」の信用格付を取得。
営業キャッシュ・フローは77,446百万円(前期比39.0%増)と潤沢で、設備投資47,675百万円を自己資金で賄いながら現金及び現金同等物89,963百万円を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は純利益が前期比42.2%減と大幅悪化したが、2027年3月期第1四半期は売上高216,159百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益14,356百万円(同30.0%増)、純利益15,726百万円(同75.2%増)と急回復。データセンター向け高容量HDD需要拡大というマクロ追い風を受けたDDS事業(営業利益同43.1%増)が牽引役となった一方、米国関税影響を受けた懸架ばね事業は営業損失に転落し、事業間の明暗が鮮明になった。
通期予想は据え置き。
成長戦略
DDS・産業機器の高成長維持と自動車関連の収益力強化を両輪とする「2026中計」最終年度
データセンター向け高容量HDD需要の中長期成長を見据え、適切な生産能力増強とAOI等の合理化施策で収益性を維持。1Q営業利益は前年同期比43.1%増、通期予想も31,000百万円へ上方修正。
タイでの原材料価格転嫁進展や北米拠点の売価・生産性改善を進めるが、1Qは米国関税影響・一過性費用により営業損失510百万円に転落。通期営業利益予想も3,000百万円に下方修正され、改善は道半ば。
半導体プロセス部品・金属基板の数量増加が続き、1Q営業利益は前年同期比66.7%増と大幅成長。データセンター投資拡大や自動車電動化対応製品の拡販が寄与。
最終更新: 2026年8月6日

