事業内容
株式会社エイチワンは、1939年創業の自動車部品専業メーカーで、本田技研工業グループを主力顧客とする自動車フレーム部品の製造・販売を中核事業とする。国内4工場に加え、米国・カナダ・メキシコの北米拠点(連結子会社5社)、中国5拠点(連結子会社4社)、タイ・インドネシアのアジア拠点(連結子会社4社)を擁し、グローバルに事業を展開する。
超ハイテン材のプレス・溶接加工技術や自動車フレームの性能解析・金型技術を強みとし、研究から量産までの一貫体制を構築している。2026年3月期の売上収益は209,659百万円で、ホンダグループ向け販売が総販売実績の約67%を占める。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
主力顧客である本田技研工業グループから自動車フレーム部品の長期受注を獲得し、日本・北米・中国・アジアの各製造拠点で量産・納品することで収益を得るモデル。新機種立ち上がりに伴う設備売上(専用設備の顧客向け販売)も収益源の一つ。
中期経営計画「Change 2027」のもと、製造拠点・ラインの集約による固定費削減と販売価格の適正化を推進し、売上規模よりも利益率の改善を優先する事業構造への転換を進めている。
企業の強み
自動車フレームの性能解析から金型技術、超ハイテン材のプレス・溶接加工まで研究から量産までを一貫して手掛ける体制を保有。次世代ボディコンポーネントや軽量材料の成形・接合技術の開発も継続しており、2026年3月期の研究開発費は2,143百万円を投じている。
米国・カナダ・メキシコに連結子会社5社(うちKTH Texas, Inc.は2025年8月設立)、中国4社、タイ・インドネシア4社を擁し、主力顧客の現地生産に対応できるグローバル供給体制を構築。北米セグメントは売上収益115,339百万円と全社最大の収益基盤を形成している。
2024年3月期に営業損失18,826百万円を計上した後、製造拠点・ラインの集約や要員適正化などの事業構造改革を推進。2025年3月期に営業利益11,860百万円、2026年3月期には営業利益14,648百万円(前期比23.5%増)へと急回復し、インタレスト・カバレッジ・レシオも16.9倍に改善した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022〜2024年3月期は構造的損失が累積し、2024年3月期には営業損失18,826百万円・当期損失21,656百万円に達した。2025年3月期に構造改革効果と減損損失剥落により営業利益11,860百万円へ大幅黒字転換。
2026年3月期は売上収益が209,659百万円(前期比約18,500百万円減)と減収となったものの、営業利益は14,648百万円・当期利益10,974百万円と増益を維持。外部要因として円安が北米セグメントの円換算収益を押し上げた一方、製造コスト圧縮と販売価格適正化の定着が減収下での増益を支えた。
なお、2025年3月期の日本セグメント営業利益は訂正により2,839百万円から4,780百万円へ修正されており、前期実績の把握には注意が必要。
成長戦略
「Change 2027」でポートフォリオ転換・収益構造改革を推進。2027年3月期営業利益16,000百万円・ROIC7%以上を目指す。
拠点集約・不採算事業売却・生産ライン合理化を通じた固定費削減と製造コスト圧縮を全セグメントで推進。2026年3月期に減収下での増益を実現しており、施策の定着が確認されている。
原材料費・エネルギーコスト上昇分の価格転嫁を主要顧客との交渉により推進。日本・北米・中国・アジア全セグメントで収益改善の要因として機能しており、継続的な取り組みが進行中。
KTH Texas, Inc.の連結子会社化による事業規模拡大に加え、既存生産ラインの合理化・生産パターン見直しによるコスト削減を推進。北米セグメントは連結最大の収益源として機能している。
中期経営計画「Change 2027」に基づき、既存事業の採算性改善にとどまらず、新たな事業領域への展開を含むポートフォリオ転換を推進。ROIC7%以上の達成を財務目標として設定。
最終更新: 2026年7月19日

