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サンコール株式会社

5985東証スタンダード金属製品

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サンコール株式会社5985

事業内容

サンコール株式会社は1943年創業の精密機能部品メーカーで、自動車分野(材料関連・自動車関連製品)と電子情報通信分野(通信関連・プリンター関連)を主軸に、日本・北米・アジア・欧州の4セグメントで事業を展開する。主要製品は自動車エンジン用弁ばね、バスバー・シャントバスバー・電流センサー等のEV電動化関連部品、光ファイバー用精密コネクタ・アダプタなど。

トヨタ自動車を筆頭とする自動車メーカーや、データセンター向け光通信機器メーカーが主要顧客層。2026年3月期の連結売上高は52,223百万円。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

コア技術である精密塑性加工技術(伸ばす・曲げる)と電子情報通信部品製造技術を基盤に、材料工程から最終製品まで一貫生産することで高品質・高精度な製品を提供し、自動車メーカーや通信機器メーカーへの継続的な部品供給で収益を得るBtoBモデル。日本・中国・メキシコの世界3極体制で地産地消型の安定供給を実現し、顧客の現地調達ニーズにも対応する。

企業の強み

1995年のSCコネクタライセンス取得以来、光ファイバー用精密コネクタ・アダプタの開発・製造・供給を一貫して自社で行い、日本・北米・アジア・欧州市場に展開。自社独自設計による豊富なラインナップを強みに、2026年3月期の通信関連売上高は6,959百万円(前期比40.2%増)を達成した。

精密塑性加工技術を核に、材料工程から最終製品まで一貫生産する体制を構築。自動車エンジン用弁ばねでは全周全長の非破壊試験(渦流探傷)による全長品質保証を実施。バスバーではスマートライン(一貫生産自動化ライン)を2025年度より本格稼働させ、成形タクトの短縮・省人化を実現している。

1952年よりトヨタ自動車株式会社他数社への自動車エンジン用弁ばね納入を開始し、70年超の取引実績を持つ。2026年3月期においてトヨタ自動車向け売上高は5,543百万円(総販売実績の10.6%)を占める。自動車関連製品全体の売上高は28,986百万円と安定した受注基盤を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期はHDD用サスペンション事業の生産・出荷終了(2025年6月・7月)により前期計上の事業整理費用(1,393百万円)・減損損失(976百万円)・和解金(3,955百万円)が消滅し、営業利益は3,442百万円から7,125百万円へ107.0%増と大幅改善した。外部要因として生成AI普及によるデータセンター向け通信関連需要の急拡大が重なり、売上高は18.3%減収ながら売上総利益率が24.2%へ改善。

構造転換の効果が数値に明確に表れた決算であった。

2027年3月期の会社予想は売上高50,500百万円(前期比3.3%減)、営業利益5,800百万円(同18.6%減)、当期純利益4,200百万円(同32.4%減)と大幅な減益を見込む。HDD撤退に伴う一過性利益の剥落に加え、米国通商政策による関税影響・サプライチェーン懸念が自動車分野の需要不透明感を高めている。

通信関連の成長継続性と北米セグメントの収益維持が業績の鍵を握る。また中期経営計画2027の定量計画を見直したことも、当初計画比での下振れリスクを示唆する。

2026年3月期末の自己資本比率は59.6%(前期末44.2%)、純資産34,214百万円(同26,592百万円)へ急改善し、現金及び現金同等物も12,048百万円(同9,195百万円)と潤沢な財務基盤を確立した。一方、2027年3月期は減収減益予想であり、2025年5月公表の中期経営計画2027定量計画を見直したことが開示されている。

配当は年間30円(配当性向21.6%)へ増配予定であり株主還元姿勢は評価できるが、最終年度2028年3月期の計画達成に向けた具体的な施策の進捗確認が今後の投資判断の焦点となる。

成長戦略

通信関連・EV電動化製品の成長加速と自動車既存事業の収益性改善を三本柱とする中期経営計画2027

生成AI普及・データセンター投資拡大を背景に、光通信用コネクタ・アダプタの北米・アジア向け販売を拡大。2026年3月期に通信関連売上高6,959百万円(前期比40.2%増)を達成し、アジアセグメント利益の主要牽引役となった。中期経営計画2027では「成長事業の基盤強化」として継続投資を推進。

バスバー・LED関連製品等のEV・HV電動化対応製品の拡販と、材料関連製品・プリンター関連の収益性改善を推進。2026年3月期に自動車関連製品売上高28,986百万円(前期比2.4%増)を確保。

米国関税政策・サプライチェーン懸念による需要不透明感が課題であり、2027年3月期は自動車分野の慎重な見通しを前提とした計画を策定。

HDD用サスペンションの生産委託先での生産を2025年6月、顧客への出荷を同7月に終了し、事業撤退を完了。前期計上の事業整理費用・減損損失・和解金等の一過性損失が消滅し、2026年3月期の収益構造正常化に大きく貢献。自動車・通信関連の2分野への経営資源集中体制が確立された。

借入金削減(短期借入金5,420百万円純減)と営業キャッシュフロー10,026百万円の創出により自己資本比率を59.6%へ改善。配当は2026年3月期年間20円(配当性向9.8%)から2027年3月期は年間30円(同21.6%)へ増配予定。

中期経営計画2027最終年度(2027年度)に配当性向30%以上を目標とする方針を掲げている。

最終更新: 2026年7月19日