事業内容
サンコール株式会社は1943年創業の精密機能部品メーカーで、自動車分野(材料関連・自動車関連製品)と電子情報通信分野(通信関連・プリンター関連)を主軸に、日本・北米・アジア・欧州の4セグメントで事業を展開する。主要製品は自動車エンジン用弁ばね、バスバー・シャントバスバー・電流センサー等のEV電動化関連部品、光ファイバー用精密コネクタ・アダプタなど。
トヨタ自動車を筆頭とする自動車メーカーや、データセンター向け光通信機器メーカーが主要顧客層。2026年3月期の連結売上高は52,223百万円。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
コア技術である精密塑性加工技術(伸ばす・曲げる)と電子情報通信部品製造技術を基盤に、材料工程から最終製品まで一貫生産することで高品質・高精度な製品を提供し、自動車メーカーや通信機器メーカーへの継続的な部品供給で収益を得るBtoBモデル。日本・中国・メキシコの世界3極体制で地産地消型の安定供給を実現し、顧客の現地調達ニーズにも対応する。
企業の強み
1995年のSCコネクタライセンス取得以来、光ファイバー用精密コネクタ・アダプタの開発・製造・供給を一貫して自社で行い、日本・北米・アジア・欧州市場に展開。自社独自設計による豊富なラインナップを強みに、2026年3月期の通信関連売上高は6,959百万円(前期比40.2%増)を達成した。
精密塑性加工技術を核に、材料工程から最終製品まで一貫生産する体制を構築。自動車エンジン用弁ばねでは全周全長の非破壊試験(渦流探傷)による全長品質保証を実施。バスバーではスマートライン(一貫生産自動化ライン)を2025年度より本格稼働させ、成形タクトの短縮・省人化を実現している。
1952年よりトヨタ自動車株式会社他数社への自動車エンジン用弁ばね納入を開始し、70年超の取引実績を持つ。2026年3月期においてトヨタ自動車向け売上高は5,543百万円(総販売実績の10.6%)を占める。自動車関連製品全体の売上高は28,986百万円と安定した受注基盤を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期の63,940百万円から2026年3月期は52,223百万円(前期比18.3%減)へ減収。HDD用サスペンション売上高が16,371百万円から3,865百万円(同76.4%減)へ急減したことが主因。
一方、利益面は大幅改善。前期に計上した事業整理費用・減損損失・和解金等の一過性損失が消滅し、外部要因として生成AI普及によるデータセンター向け通信関連需要拡大(通信関連売上高40.2%増)が加わり、営業利益7,125百万円(同107.0%増)、経常利益7,484百万円(同137.1%増)、親会社株主帰属当期純利益6,209百万円(前期は769百万円の損失)と黒字転換を達成。
売上高営業利益率は13.6%(前期5.4%)へ大幅改善。2027年3月期は売上高50,500百万円・営業利益5,800百万円と減収減益を予想しており、一過性利益剥落後の実力値が問われる局面に入る。
成長戦略
通信関連・EV電動化製品の成長加速と自動車既存事業の収益性改善を三本柱とする中期経営計画2027
生成AI普及・データセンター投資拡大を背景に、光通信用コネクタ・アダプタの北米・アジア向け販売を拡大。2026年3月期に通信関連売上高6,959百万円(前期比40.2%増)を達成し、アジアセグメント利益の主要牽引役となった。中期経営計画2027では「成長事業の基盤強化」として継続投資を推進。
バスバー・LED関連製品等のEV・HV電動化対応製品の拡販と、材料関連製品・プリンター関連の収益性改善を推進。2026年3月期に自動車関連製品売上高28,986百万円(前期比2.4%増)を確保。
米国関税政策・サプライチェーン懸念による需要不透明感が課題であり、2027年3月期は自動車分野の慎重な見通しを前提とした計画を策定。
HDD用サスペンションの生産委託先での生産を2025年6月、顧客への出荷を同7月に終了し、事業撤退を完了。前期計上の事業整理費用・減損損失・和解金等の一過性損失が消滅し、2026年3月期の収益構造正常化に大きく貢献。自動車・通信関連の2分野への経営資源集中体制が確立された。
借入金削減(短期借入金5,420百万円純減)と営業キャッシュフロー10,026百万円の創出により自己資本比率を59.6%へ改善。配当は2026年3月期年間20円(配当性向9.8%)から2027年3月期は年間30円(同21.6%)へ増配予定。
中期経営計画2027最終年度(2027年度)に配当性向30%以上を目標とする方針を掲げている。
最終更新: 2026年7月19日

