事業内容
LIXILは2011年に国内主要建材・設備機器メーカー5社が統合して誕生した住宅設備・建材の総合メーカーである。ウォーターテクノロジー事業(衛生機器・水栓・ユニットバス等)、ハウジングテクノロジー事業(サッシ・玄関ドア・シャッター等)、リビング事業(システムキッチン・洗面・インテリア建材等)の3セグメントを展開する。
GROHEやAmerican Standardといった世界的ブランドを傘下に持ち、子会社152社・関連会社36社で構成されるグループは約48,000人の従業員を擁し、毎日10億人以上が同社製品を使用している。主要顧客は住宅建設業者・リフォーム業者・一般消費者・ビル建設事業者等にわたる。
ビジネスモデル
売上収益1,510,704百万円の大半は製品・商品の直接販売から構成される。国内では新築向けに加えリフォーム市場へのシフトを加速し、高付加価値製品(高断熱窓・省エネ水回り製品等)の価格適正化で利益率を改善する。
海外ではGROHEブランドを核に欧州ハイエンド市場でのシェア拡大と、中東・インドの成長市場での需要取り込みを図る。研究開発費25,092百万円・設備投資60,855百万円を投じ、製品差別化と生産効率化を継続的に推進している。
企業の強み
2015年に買収したGROHE AGを中核に、American Standard等の世界的ブランドを傘下に持つ。欧州では水栓金具・フラッシングシステム等の大半のカテゴリーで販売数量が増加し、ハイエンドカテゴリーでのシェア拡大が実現している。
ブランド力を背景に価格競争に依存しない収益構造の構築が進んでいる。
衛生機器・水栓から窓・ドア・シャッター、キッチン・洗面・インテリア建材まで住宅設備・建材のほぼ全領域をカバーする。2026年3月期の3セグメント合計売上収益は1,544,288百万円(消去前)に達し、クロスセル・ワンストップ提案が可能な製品ポートフォリオを有する。
ハウジングテクノロジー事業の工事物件受注残高は134,147百万円(前期比9.4%増)に達しており、将来売上の可視性が高い。国内新設住宅着工戸数が前年比12.9%減と大幅に落ち込む中でも、リフォーム需要の取り込みにより事業利益は増益を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期1,428,578百万円から2026年3月期1,510,704百万円へと緩やかな増収基調を維持しているが、成長率は0.4%程度にとどまる。営業利益は2022年3月期69,471百万円をピークに大幅に低下し、2026年3月期は28,403百万円と低水準が続く。
当期利益は2024年3月期に-13,908百万円の赤字を計上した後、2026年3月期は8,143百万円まで回復した。事業利益ベースでは2026年3月期に38,500百万円(事業利益率2.5%)と改善傾向にあり、国内での価格適正化効果、欧州での構造改革効果、中東・インドの需要拡大が主な業績ドライバーとなっている。
一方、米国住宅市場の回復遅延・中国不動産市況の低迷・資材エネルギーコストの高止まりが引き続き収益の重石となっている。
成長戦略
リフォームシフト・GROHEブランド強化・差別化商品開発を軸に事業利益率10%・ROIC10%を目指す
新設住宅着工戸数の構造的減少に対応し、水回り・窓・断熱建材を中心としたリフォーム需要の取り込みを強化する。政府の住宅省エネ支援策を背景に高断熱窓・省エネ水回り製品へのリソースを集中させ、価格適正化と合わせて収益性を改善する。
欧州ハイエンドカテゴリーでのシェア拡大と、中東・インドの成長市場における積極的な需要取り込みを推進する。付加価値の高い製品の販売拡大・販売チャネル多角化・戦略的ブランドポートフォリオ構築によりコモディティビジネスからの脱却を図る。
浴槽事業のAmerican Bath Groupへの完全移管を完了し、人員配置・販売戦略の最適化による収益改善を推進する。リフォーム市場の需要回復を見据えた事業基盤の再構築を継続する。
リサイクル素材を活用したPremiAL(アルミ建材)・レビア(廃プラ・廃木材融合素材)等の循環型商品を拡充し、ブランド力向上とリフォーム需要拡大につなげる。環境戦略を事業戦略に統合し、差別化による価格競争回避と収益性改善を図る。
事業利益率7.5%・ネット有利子負債EBITDA倍率3.5倍以下・親会社所有者帰属持分比率35%以上を中期目標として掲げる。2026年3月期時点で事業利益率2.5%・同倍率4.4倍・持分比率35.3%であり、長期目標の事業利益率10%・ROIC10%に向けた道筋を構築中。
最終更新: 2026年7月19日

