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川岸工業株式会社

5921東証スタンダード金属製品

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川岸工業株式会社5921

事業内容

川岸工業株式会社は1906年創業、「鉄骨で日本を支える」を経営理念に掲げる鋼構造物専業メーカーである。主力事業は鉄骨等鋼構造物の設計・製作・現場施工であり、子会社の川岸プランニング株式会社が設計・積算業務を担う。

プレキャストコンクリート事業も展開し、建築用製品の製造・販売・取付工事を行う。千葉・筑波・岡山・山口など全国に複数の製造拠点を持ち、鹿島建設・清水建設・大成建設・戸田建設等の大手ゼネコンを主要顧客とする。

首都圏大型再開発案件を中心に受注を積み上げており、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。

ビジネスモデル

受注から製作・施工・完成引渡しまでを一貫して手掛ける建設請負型ビジネスモデル。鹿島建設(売上高比30.9%)・清水建設(同20.2%)・大成建設(同15.6%)等の大手ゼネコンから個別工事を受注し、自社工場で鉄骨を製作後、現場施工まで完結する。

受注残高が将来売上の先行指標となり、2025年9月期末の受注残高は32,472百万円と高水準を維持している。

企業の強み

2025年9月期末の受注残高は32,472百万円(前期比26.6%増)。品川駅西口・八重洲・みなとみらい・大阪IRなど首都圏・主要都市の大型再開発案件を多数受注しており、将来売上の可視性が高い。

鉄骨受注残高29,812百万円、プレキャストコンクリート受注残高2,660百万円(前期比125.9%増)。

2025年9月期は完成工事高24,219百万円(前期比12.1%減)と減収となったが、採算性の良い大型工事の前倒し完成により売上総利益が283百万円増加し、営業利益は1,873百万円(前期比12.2%増)を達成。営業利益率は7.7%と過去5期で最高水準に達した。

2025年9月期末において借入金残高はゼロ。純資産合計28,956百万円、自己資本比率は約82.7%(純資産28,956百万円÷総資産34,992百万円)と極めて健全な財務構造を維持。営業CFも3,243百万円の獲得と大幅に改善し、現金及び現金同等物は3,166百万円。

エンヴァリスの着眼点

2026年9月期中間期は完成工事高が12,799百万円(前年同期比8.8%増)と増収を達成したものの、工場加工の稼働率低下により完成工事総利益率が12.2%から7.8%へ大幅に低下。営業利益487百万円(前年同期比49.1%減)、中間純利益401百万円(同44.3%減)と利益面は深刻な悪化となった。

通期予想は営業利益1,000百万円(前期比46.6%減)を据え置いているが、中間期進捗率は48.7%にとどまり、下期での挽回が必要な状況である。

当中間期の営業外費用は51百万円(前年同期10百万円)と急増し、うち訴訟関連費用28百万円が新たに発生した。また、外部要因として米国・イスラエルによるイラン攻撃を背景とした中東情勢の混乱が輸入原材料等の高騰リスクを高めており、これまで進展しつつあった価格転嫁の効果を相殺する可能性がある。

レアアース輸出規制や人手不足・人件費高騰も重なり、下期の採算改善シナリオには複数の下振れリスクが存在する。

受注残高32,742百万円は将来売上の可視性を高める一方、工場加工の稼働率低下が利益を大きく圧迫している構造が明確になった。売上高が増加しても稼働率が低ければ固定費負担が重くなり、利益率は改善しない。

外部要因として業界全体の鉄骨需要が3年連続400万トン割れと低位横ばいが続く中、受注の量的確保と採算性の両立が課題である。配当は通期140円(普通配当90円+記念配当50円)を予定しており、株主還元姿勢は維持されているが、利益水準との乖離が拡大している点は留意が必要である。

成長戦略

第1次中期経営計画(2024〜2026年9月期)で採算重視の受注確保と成長基盤の基礎固めを推進

鉄骨需要が低位横ばいで推移する中、受注の確保と適正な受注価格の両立を最優先課題として取り組む。当中間期の受注高は13,069百万円(前年同期比0.8%減)と微減にとどめ、受注残高32,742百万円の高水準を維持した。

これまでの原材料等の上昇に対する価格転嫁に目途がたちつつあったが、中東情勢の混乱により新たな原材料高騰リスクが加わり、転嫁の進展が再び不透明となっている。完成工事総利益率の回復が課題。

当中間期の有形固定資産取得による支出は395百万円(前年同期144百万円)と増加。建物・構築物の純額は1,931百万円と前期末比増加しており、工場設備の維持・更新投資を継続している。稼働率改善に向けた生産体制の整備が期待される。

最終更新: 2026年7月17日