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瀧上工業株式会社

5918東証スタンダード金属製品

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瀧上工業株式会社5918

事業内容

瀧上工業は1937年創業の鋼構造物専業メーカーで、橋梁・鉄骨・鉄構物の設計・製作・施工を中核事業とする。グループは当社と子会社7社・関連会社1社で構成され、鋼構造物製造事業(完成工事高20,697百万円)を筆頭に、不動産賃貸事業(売上高1,044百万円)、材料販売事業(外部売上高1,449百万円)、運送事業(売上高630百万円)を展開する。

主要顧客は国土交通省・西日本高速道路・中日本高速道路等の公共発注者であり、売上高の約47%を上位3社が占める。東京・名古屋証券取引所に上場し、本社は愛知県半田市に置く。

ビジネスモデル

鋼構造物製造事業では橋梁・鉄骨工事を受注生産方式で請け負い、設計変更獲得や保全工事の収益改善を通じて利益を確保する。不動産賃貸事業は賃貸マンション・土地賃貸等から安定的な家賃収入(営業利益率53%超)を得る。

材料販売事業は鋼板・鉄筋等の加工販売でグループ内外に素材を供給し、運送事業はグループ製品輸送を担いつつ外販も展開する。受注残高30,319百万円が中期的な売上を下支えする構造となっている。

企業の強み

2026年3月期末の鋼構造物製造事業の受注残高は30,319百万円(橋梁28,859百万円・鉄骨1,460百万円)に達しており、当期完成工事高20,697百万円の約1.5年分に相当する。この受注残高は中期的な売上の可視性を高め、工場稼働・輸送需要の安定にも寄与している。

不動産賃貸事業は売上高1,044百万円に対し営業利益553百万円と営業利益率53%超を誇り、グループ全体の収益安定化に貢献している。前年度取得の新築賃貸マンションが通期寄与し前年同期比15.3%増益を達成。鋼構造物製造事業の業績変動を緩和するバッファーとして機能している。

2026年3月期において、橋梁部門では進行中工事の設計変更獲得が大幅に収益に寄与し、前期の営業損失5,400百万円から営業利益320百万円へと黒字転換を果たした。完成工事総利益は前年同期比48.1%増の2,577百万円となり、設計変更対応力と保全工事の収益管理が実績として確認されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の鋼構造物製造事業の受注高は13,407百万円と前期比44.3%減に急落した。鋼道路橋発注量が前年比28.2%減の約9万トンと過去最低水準(外部要因)に加え、大型案件の受注機会逸失・技術者不足による受注機会の減少(内部要因)が重なった。

受注残高も38,655百万円から30,319百万円へ21.6%減少しており、2027年3月期以降の完成工事高の下押し圧力は明確。会社予想の2027年3月期売上高23,500百万円(前期比0.3%増)の達成には受注回復が不可欠であり、進捗を注視する必要がある。

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は953百万円(前期比376.2%増)と大幅改善したが、その主因は橋梁保全工事の収益改善と新設橋梁における設計変更の大幅な収益寄与という一時的・非定常的要因である。営業利益482百万円に対し経常利益1,409百万円と乖離が大きく、受取配当金849百万円(投資有価証券ポートフォリオ由来)が経常利益を底上げしている構造も留意が必要。

2027年3月期の会社予想営業利益200百万円(前期比58.5%減)は実態的な収益力の低さを示唆している。

2026年3月期の包括利益は7,194百万円と当期純利益953百万円を大幅に上回るが、その差額6,241百万円のほぼ全額はその他有価証券評価差額金の増加(6,197百万円)によるものである。純資産50,275百万円のうち16,717百万円(33.3%)がその他の包括利益累計額であり、株式市況(外部要因)の変動により純資産・自己資本比率が大きく変動するリスクを内包している。

時価ベースの自己資本比率が19.7%(前期23.4%)と低下傾向にある点も投資家は意識すべきである。

成長戦略

第5次中計最終年度に向け橋梁保全・受注地域多様化・不動産収益最大化・DX推進を軸に収益基盤を再構築

進行中工事の確実な設計変更獲得と大規模保全工事の受注を目指す。中部地区中心から地域・発注者の範囲を拡大し、鋼橋に限定されない発注内容へのリサーチ力・技術提案力を強化。2026年3月期は保全工事収益改善が業績を大幅に押し上げており、施策の有効性が確認された。

社内異動・即戦力採用・外国人人財活用等による配置技術者の増強を推進。技術者不足が橋梁保全工事の受注機会減少の主因となっており、人材確保が受注回復の前提条件。2026年3月期も技術者不足による受注機会の減少が継続しており、解決には時間を要する見込み。

グループ会社との協業案件を積極的に推進し、作図・製造・輸送・現場施工の全工程における実力底上げと顧客信頼性向上を図る。案件ごとの予実管理徹底・原価管理精度向上・不適合削減による収益性改善を推進。鉄骨部門の受注高は2,119百万円と前期比52.1%減と厳しい状況が続く。

老朽化対策の着実な実施により入居率の維持・向上に努め、収益性の一層の改善を図る。2026年3月期は売上高1,044百万円・営業利益553百万円と前期比増収増益を達成し、グループの安定収益源として機能している。前年度取得の新築賃貸マンションが通期寄与し計画通りに推移。

新基幹システムへの円滑な業務移行を重視し、2026年度にテスト稼働を実施したうえで2027年度の本稼働に向けて準備を進める。実践的なDXの推進および情報セキュリティ体制の整備を引き続き推進し、業務効率化と管理精度向上を図る。

今年度を最終年度とする第5次中期経営計画の数値目標について見直しを実施。受注環境の悪化・人材不足・建設コスト上昇等の構造的課題を踏まえ、コスト管理の徹底・施工製造体制の最適化を通じた持続可能な収益基盤の構築に取り組む。2027年3月期予想は売上高23,500百万円・営業利益200百万円。

最終更新: 2026年7月19日