事業内容
瀧上工業は1937年創業の鋼構造物専業メーカーで、橋梁・鉄骨・鉄構物の設計・製作・施工を中核事業とする。グループは当社と子会社7社・関連会社1社で構成され、鋼構造物製造事業(完成工事高20,697百万円)を筆頭に、不動産賃貸事業(売上高1,044百万円)、材料販売事業(外部売上高1,449百万円)、運送事業(売上高630百万円)を展開する。
主要顧客は国土交通省・西日本高速道路・中日本高速道路等の公共発注者であり、売上高の約47%を上位3社が占める。東京・名古屋証券取引所に上場し、本社は愛知県半田市に置く。
ビジネスモデル
鋼構造物製造事業では橋梁・鉄骨工事を受注生産方式で請け負い、設計変更獲得や保全工事の収益改善を通じて利益を確保する。不動産賃貸事業は賃貸マンション・土地賃貸等から安定的な家賃収入(営業利益率53%超)を得る。
材料販売事業は鋼板・鉄筋等の加工販売でグループ内外に素材を供給し、運送事業はグループ製品輸送を担いつつ外販も展開する。受注残高30,319百万円が中期的な売上を下支えする構造となっている。
企業の強み
2026年3月期末の鋼構造物製造事業の受注残高は30,319百万円(橋梁28,859百万円・鉄骨1,460百万円)に達しており、当期完成工事高20,697百万円の約1.5年分に相当する。この受注残高は中期的な売上の可視性を高め、工場稼働・輸送需要の安定にも寄与している。
不動産賃貸事業は売上高1,044百万円に対し営業利益553百万円と営業利益率53%超を誇り、グループ全体の収益安定化に貢献している。前年度取得の新築賃貸マンションが通期寄与し前年同期比15.3%増益を達成。鋼構造物製造事業の業績変動を緩和するバッファーとして機能している。
2026年3月期において、橋梁部門では進行中工事の設計変更獲得が大幅に収益に寄与し、前期の営業損失5,400百万円から営業利益320百万円へと黒字転換を果たした。完成工事総利益は前年同期比48.1%増の2,577百万円となり、設計変更対応力と保全工事の収益管理が実績として確認されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期14,678百万円から2024期23,328百万円まで急拡大後、2025期・2026期は23,840百万円・23,434百万円と横ばい圏で推移。2025期は工事損失引当金の大量計上により営業損失389百万円に転落したが、2026期は保全工事の収益改善・設計変更の大幅寄与により営業利益482百万円へ回復した。
経常利益1,409百万円は受取配当金849百万円(投資有価証券ポートフォリオ由来)が大きく貢献。一方、鋼道路橋発注量が過去最低水準(外部要因)となる中、受注高は13,407百万円と前期比44.3%減に急落しており、2027年3月期の会社予想は売上高23,500百万円・営業利益200百万円と再び利益圧迫が見込まれる。
営業CFは210百万円と前期3,620百万円から大幅減少しており、キャッシュ創出力の低下も懸念材料である。
成長戦略
第5次中計最終年度に向け橋梁保全・受注地域多様化・不動産収益最大化・DX推進を軸に収益基盤を再構築
進行中工事の確実な設計変更獲得と大規模保全工事の受注を目指す。中部地区中心から地域・発注者の範囲を拡大し、鋼橋に限定されない発注内容へのリサーチ力・技術提案力を強化。2026年3月期は保全工事収益改善が業績を大幅に押し上げており、施策の有効性が確認された。
社内異動・即戦力採用・外国人人財活用等による配置技術者の増強を推進。技術者不足が橋梁保全工事の受注機会減少の主因となっており、人材確保が受注回復の前提条件。2026年3月期も技術者不足による受注機会の減少が継続しており、解決には時間を要する見込み。
グループ会社との協業案件を積極的に推進し、作図・製造・輸送・現場施工の全工程における実力底上げと顧客信頼性向上を図る。案件ごとの予実管理徹底・原価管理精度向上・不適合削減による収益性改善を推進。鉄骨部門の受注高は2,119百万円と前期比52.1%減と厳しい状況が続く。
老朽化対策の着実な実施により入居率の維持・向上に努め、収益性の一層の改善を図る。2026年3月期は売上高1,044百万円・営業利益553百万円と前期比増収増益を達成し、グループの安定収益源として機能している。前年度取得の新築賃貸マンションが通期寄与し計画通りに推移。
新基幹システムへの円滑な業務移行を重視し、2026年度にテスト稼働を実施したうえで2027年度の本稼働に向けて準備を進める。実践的なDXの推進および情報セキュリティ体制の整備を引き続き推進し、業務効率化と管理精度向上を図る。
今年度を最終年度とする第5次中期経営計画の数値目標について見直しを実施。受注環境の悪化・人材不足・建設コスト上昇等の構造的課題を踏まえ、コスト管理の徹底・施工製造体制の最適化を通じた持続可能な収益基盤の構築に取り組む。2027年3月期予想は売上高23,500百万円・営業利益200百万円。
最終更新: 2026年7月19日

