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株式会社yutori

5892東証グロース小売業

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事業内容

株式会社yutoriは2018年設立のZ世代(1997〜2009年生まれ)を主要顧客層とするファッション企業。ヤングカルチャー・韓国・ニュアンス・デザイナー・コスメ・Her lip toの6事業部に分類される多数のブランドを展開し、衣料品・コスメ商品の企画・小売・卸売を行う。

販売チャネルは自社ECサイト「YZ Store」を中心に、2026年3月期末時点で53店舗の実店舗も運営。EC比率40.6%、オフライン比率48.1%とオンライン・オフラインを相互補完的に活用している。

M&Aによるブランド取得も積極的に推進し、2024年8月に株式会社heart relation(Her lip to事業)を子会社化するなど事業規模を急拡大している。

ビジネスモデル

InstagramやTikTok等のSNSマーケティングで認知を獲得し、自社ECサイト「YZ Store」への流入を促進して直販収益を得る。複数ブランドをワンプラットフォームで提供することでクロスセルを促進し、会員プログラム「YZ MEMBERS」で顧客エンゲージメントを高める。

実店舗ではSNSフォロワーを持つインフルエンサーをスタッフに配置し、初期投資を抑えた小型店舗で収益性を確保。売上総利益率は約63%(2026年3月期)と高水準を維持している。

企業の強み

「Yリーグ」制度によりブランドごとの採算を5段階でランク管理し、立ち上げ1年でY4(損益分岐点)未達の場合は原則撤退とする明確な基準を設けている。各ブランドディレクターにターゲット層と年齢の近いスタッフを配置し、流行変化への迅速な対応を実現。

週次の全社共有会議で成功事例を横展開する仕組みも整備している。

Instagram・TikTok等のSNSを主要マーケティングチャネルとし、フォロワー数・リーチ数・プロフィールアクセス数を管理指標として広告投資効率を最適化している。2026年3月期の売上総利益は8,987百万円、売上総利益率は約63%を達成。

SNSによる需要予測と認知拡散を先行させてから販売開始する手法が在庫リスクの低減にも寄与している。

2022年のF-LAGSTUF-F取得・A.Z.R完全子会社化を皮切りに、2024年8月のheart relation子会社化(Her lip to事業)、2024年11月のえをかく完全子会社化、2024年12月のminumブランド事業譲受と連続的なM&Aを実施。2026年3月期の売上高は14,234百万円と前期比71.4%増を達成し、M&Aが売上規模拡大の主要ドライバーとなっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属純利益は310百万円(前期比1.4%減)にとどまったが、これは非支配株主持分(heart relation等)への利益流出が233百万円に達したことが主因。2026年4月のheart relation完全子会社化により、翌期(2027年3月期)の親会社帰属純利益予想は800百万円(前期比158.1%増)と大幅拡大が見込まれる。

ただし取得原価1,960百万円に対し1,843百万円の新規借入を実行しており、財務レバレッジの上昇と返済負担(84ヶ月均等返済)が今後の財務柔軟性を制約する点は注視が必要。

2026年3月期の商品残高は2,702百万円と前期比1,094百万円増加し、棚卸資産増加額が営業CF計算書上で1,117百万円のマイナス要因となった。営業CFは481百万円と黒字転換したものの、売上高14,234百万円に対して低水準。

事業拡大に伴う在庫積み増しは成長投資の側面もあるが、消費者の購買意欲が物価上昇で弱まる外部環境下では在庫回転の鈍化リスクが存在する。減損損失も55百万円計上(前期8百万円)しており、M&A由来資産の評価動向も継続監視が必要。

2026年3月期の売上高は前期比71.4%増の14,234百万円と高成長を維持。翌期予想も30.0%増の18,500百万円と高い成長率を見込む。

一方でのれん償却額166百万円・商標権残高670百万円が継続的に利益を圧迫。また2026年3月期に新株発行(499百万円・65百万円)を実施し発行済株式数が5,364,000株(前期4,697,100株)に増加、さらに後発事象として53,600株の第三者割当増資も実施。

潜在株式(新株予約権199,609株)を含めた希薄化圧力が1株当たり利益の改善を抑制する構造は継続している。

成長戦略

heart relation完全子会社化・SNSブランド拡大・実店舗拡大・M&Aの4軸で成長

「Her lip to」等を運営するheart relationの全株式を取得原価1,960百万円で取得し完全子会社化(2026年4月30日完了)。非支配株主への利益流出を解消し、翌期親会社帰属純利益800百万円(前期比158.1%増)を見込む。

みずほ銀行等4行から1,843百万円を借入(84ヶ月均等返済)。

Instagram等SNSを主要チャネルとして活用し、低コストで高い購買転換率を実現するD2C構造を維持・強化。翌期も売上高30%増(18,500百万円)を目標とし、SNS起点の顧客獲得を成長の主軸に位置づける。

2026年3月期に有形固定資産取得支出575百万円を投じ実店舗網を拡充。建物附属設備(純額)は936百万円(前期比375百万円増)。翌期も地代家賃・人件費の増加を見込みながら実店舗拡大を継続し、インバウンド需要の取り込みを図る。

2026年3月期に新規3社(株式会社YZ、株式会社pool、悠特莉股份有限公司)を連結化し、売上規模を拡大。コスメ等商材ミックスの拡充により売上総利益率約60%の維持を目指す。翌期は売上原価率の上昇を見込みつつも利益成長を維持する方針。

最終更新: 2026年7月19日