事業内容
株式会社ナルネットコミュニケーションズは、「Mobility's Transformer」を経営理念に掲げ、法人・個人向けリース車両のメンテナンス管理業務を一括受託するBPO専業企業である。主力のメンテナンス受託事業(売上高の約82%)に加え、マイカーリースサポート(MLS)事業、データ管理・タイヤ保管・納税管理・中古車納車前整備等のBPO事業、その他事業の4区分で構成される。
全国13,686ヵ所(2026年3月末時点)の提携整備工場ネットワークを活用し、総管理台数212,423台を管理。主要顧客はトヨタモビリティサービス株式会社(売上比率13.6%)、日本カーソリューションズ株式会社(同13.6%)等のオートリース企業である。
ビジネスモデル
オートリース企業からリース期間に合わせてメンテナンス管理業務を一括受託し、全国の提携整備工場に作業を手配する仲介・管理型BPOモデルを採る。管理台数の積み上げが収益基盤となるストック型構造であり、受託価格の継続的見直しにより整備価格上昇を収益に転嫁できる。
加えて、車検プラットフォームのOEM提供やデータ管理サービス等の新規BPO領域を展開し、収益の多様化を推進している。
企業の強み
2026年3月末時点で全国13,686ヵ所の提携整備工場と連携し、総管理台数212,423台を管理する広域ネットワークを保有。オウンドメディア「モビノワ」や統合管理システム「momoCan」を通じた工場との関係構築により、競合が短期間で模倣困難な業務インフラを形成している。
旧ナルネットコミュニケーションズの1978年創業以来、オートリース企業との長期継続取引を積み重ねてきた。2026年3月期においてトヨタモビリティサービス(売上比率13.6%)・日本カーソリューションズ(同13.6%)等の大手リース企業との取引が継続しており、リース期間に連動した契約構造が収益の安定性を支えている。
整備価格上昇局面において受託価格の継続的見直しを実施し、2026年3月期の営業利益は811百万円(前期比83.6%増)、当期純利益は501百万円(同110.6%増)と大幅改善を達成。長年蓄積した整備データを活用した適正価格算出能力が、コスト上昇を収益に転嫁する交渉力の基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024期7,672百万円→2025期8,543百万円→2026期9,925百万円と加速的に拡大。営業利益は2025期に442百万円(前期比16.1%減)と落ち込んだが、2026期は811百万円(同83.6%増)へ大幅回復。
受託価格の継続的見直しによる収益性改善(売上高営業利益率5.2%→8.2%)と、自動車メーカー系リース企業からの受注増加・MLS事業の管理台数拡大が主因。外部要因として整備価格上昇が続く環境下での価格転嫁進捗が利益回復を後押しした。
営業CFは838百万円(前期427百万円)と大幅改善し、長期借入金返済(505百万円)を進めつつ期末現金995百万円を確保。
成長戦略
メンテナンス受託拡大・MLS成長・車検PF横展開・AI活用DXで事業領域を拡大
自動車メーカー系リース企業からの新規受注増加を継続し、メンテナンス受託事業の管理台数拡大を図る。2026年3月末時点の管理台数は84,664台(前事業年度末比2.1%増)。2027年3月期もメーカー系リース企業からの受託増台を主要成長ドライバーとして位置付けている。
マイカーリース市場の成長を取り込み、既存提携先との取引を堅調に維持しつつ新規提携先との取り組みを積極推進。2026年3月末の管理台数は87,632台(前事業年度末比5.0%増)と堅調に拡大。新規提携先開拓による更なる成長を目指す。
ユニオンエタニティ社と共同開発した車検プラットフォームを2025年9月よりコープさっぽろ関連会社(株式会社エネコープ)へ提供開始。整備データを活用した定額車検サービスを流通業・小売業等へ横展開し、新たな収益軸として確立することを目指す。
インバウンドテック社との協業により、提携整備工場への入庫依頼・部品交換確認等の電話対応をAI音声ボットが代行するシステムの実用化を推進。「IT活用企業」から「AI活用企業」へ進化し、蓄積整備データとAIを連携させたモビリティ業界向けDXソリューション提供領域への展開を図る。
中古車販売事業者向け納車前整備等の受託拡大に加え、様々な業界の新たな顧客層に向けた新規フロー商材の展開を加速。BPO事業の業容拡大により収益多様化を図る。2027年3月期は販管費増加(前期比5.6%増)を計画しており、人員増強等の先行投資を伴う成長フェーズにある。
最終更新: 2026年7月19日

