事業内容
インテグラル株式会社は2006年設立の独立系PE投資会社。「Trusted Investor=信頼できる資本家」を経営理念に掲げ、日本の中堅・中小企業への未公開株式投資を中核事業とする。
GPとしてファンドを組成・運用し、管理報酬・キャリードインタレスト・プリンシパル投資収益の三層構造で収益を得る。2023年9月に東証グロース市場へ上場。
2024年11月に不動産投資事業、2025年3月にグローバルテック・グロース投資事業を開始し、マルチアセット運用会社への転換を進めている。2025年12月期末のAUMは5,765億円(前期比2,880億円増)に達し、2026年10月にはグループ統括会社体制への移行を予定している。
ビジネスモデル
GPとしてファンドの出資約束金額または投資残高に対し年率1.85〜2.0%の管理報酬を安定的に受領する。ファンドリターンがハードルレート(年率8%)を超過した場合、超過利益の20%をキャリードインタレストとして受領する。
さらに自己資金によるプリンシパル投資(案件ごとに3〜34%)を組み合わせ、長期コミットメントを示しつつキャピタルゲインも獲得する。投資先への常駐型経営支援(i-Engine)により企業価値を高め、IPOやトレードセールでExitを実現する。
企業の強み
2025年1月に5号ファンドシリーズ(出資約束金額総額2,500億円規模)の投資期間が開始したことにより、受取管理報酬は前期比116%増の7,553百万円に急増。Fee-Earning AUMも前期1,645億円から3,789億円へ倍増以上となり、リカーリング収益基盤が大幅に強化された。
2025年12月期末時点で、3号ファンドシリーズの未実現キャリードインタレストは165億円、4号ファンドシリーズは176億円に達し、合計341億円の将来収益ポテンシャルを保有。税引後ベースのUCATは240億円(前期164億円)と拡大しており、今後のExit実現に伴う収益化が期待される。
役員派遣にとどまらず、多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを投資実行後からExitまで投資先企業に常駐させるi-Engineは、国内PE投資ファンドの中で稀な手法と有報に記載。DX推進室との連携によるDX支援も加わり、投資先の企業価値向上を実践的に支援する体制を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
財務推移は2023期売上高14,083百万円・営業利益10,995百万円、2024期31,230百万円・26,017百万円(Exit集中による急拡大)、2025期13,655百万円・9,256百万円(反動減)と大きく変動。2026年12月期第1四半期は収益11,283百万円・営業利益9,680百万円・親会社帰属四半期利益6,716百万円と前年同期から急回復。
主因は3号ファンドシリーズのExit実現によるキャリードインタレスト8,927百万円の計上。外部要因として金利上昇・株式市況の軟化が非上場・上場投資先の公正価値を押し下げており、投資収益総額は275百万円にとどまった。
現金及び現金同等物は24,832百万円と前期末比5,554百万円増加し、財務基盤は堅固。
成長戦略
PE主軸のマルチアセット化(不動産・グロース)とAUM中長期拡大、持株会社体制への移行
2025年1月より投資期間が開始した5号ファンドシリーズで、2026年3月までに八十島プロシード株式会社への資本参画を実行。投資期間中の出資約束金額を基礎とする管理報酬が安定的に計上され、受取管理報酬の拡大に寄与している。
2026年5月に出資約束金額総額235億円でファイナルクロージングを完了。取得累計26物件・取得総額450億円超に拡大し、Fee-Earning AUMが確定。管理報酬の安定受領基盤が整備され、将来のキャリードインタレスト獲得に向けたポートフォリオ構築が進展している。
2025年3月開始の新興アセットクラスとして、2026年3月までにPixAI(アニメイラスト特化型AI画像生成)およびOmio社(グローバル交通インフラプラットフォーム)へ新規投資を実行。セグメント資産は4,238百万円に拡大しており、将来の収益源多様化を目指す。
マルチアセット運営基盤の整備を目的としたグループ統括会社体制への移行を推進中。2026年12月期の一時費用564百万円のうち、移行関連の専門家報酬が含まれており、移行コストが発生している。中長期的なガバナンス強化と事業拡大の布石と位置づけられる。
3号ファンドシリーズは東洋エンジニアリング株式会社の全株式売却を2026年3月以降に完了し、追加キャリードインタレストを受領予定。4号ファンドシリーズはMUTOHホールディングス株式会社の公開買付応募による売却を実行。未実現キャリードインタレスト(3号69億円・4号171億円)の順次実現を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

