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楽天銀行株式会社

5838東証プライム銀行業

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楽天銀行株式会社5838

事業内容

楽天銀行は2001年開業のインターネット専業銀行で、楽天グループ株式会社が49.26%を出資する上場子会社(東証プライム、2023年4月上場)。物理的な支店・自前ATMを持たず、スマートフォンアプリ・PCを通じて個人・法人に預金・貸出・為替・決済・保険・証券仲介等の幅広い金融サービスを提供する。

2026年3月末時点で口座数1,807万口座・預金量12,964,475百万円と国内インターネット銀行業界で最大の顧客基盤を有し、楽天エコシステム(国内外1億超ID)を活用した低コスト顧客獲得と生活口座化戦略を推進している。台湾子会社・楽天信託等を含む連結グループで銀行業を単一セグメントとして運営する。

ビジネスモデル

収益の約77%を資金運用収益(貸出金・買入金銭債権・有価証券等の運用利息)が占め、残り約20%を役務取引等収益(為替手数料・カード関連手数料・口座振替手数料等)が構成する。支店・ATM不要のインターネット専業モデルにより固定費を抑制し、楽天エコシステム経由で新規口座開設の約60%を低コストで獲得。

楽天信託の信託機能を活用した証券化アレンジにより独自の運用資産を創出し、収益基盤を多様化している。

企業の強み

2026年3月末時点で口座数1,807万口座・預金量12,964,475百万円と国内インターネット銀行業界最大規模。メイン口座率は32.8%(メイン口座数5,930千口座)に達し、給与振込・口座振替を通じた生活口座化が着実に進展。

2026年3月期の決済件数は977百万件(前年比9.1%増)と高頻度利用が定着している。

楽天グループの1億超IDを活用し、2025年度の新規口座開設(BaaS専用支店除く)の約60%が楽天グループ経由。ブランドライセンス・ポイントプログラム(ハッピープログラム)・楽天証券とのマネーブリッジ連携・楽天モバイルとの銀行代理業務提携等により、顧客獲得コストを抑制しながら大量の新規顧客を継続的に獲得している。

行員がシステムの開発・運用・保守をコントロールする自行開発体制により、他行比高いシステムコスト競争力を実現。この柔軟な開発能力を活用し、大垣共立銀行・西日本シティ銀行・第一生命・JRE BANKへのBaaS提供を実現。

2026年3月期の設備投資総額は18,893百万円で、システム基盤強化・新サービス開発に継続投資している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の資金運用収益は前期比69,459百万円増の197,643百万円と、経常収益増加分71,045百万円の大半を占めた。外部要因として日銀の政策金利引き上げが資金運用利回りを押し上げた(通期1.23%、前期比+0.36pt)一方、預金利率上昇(通期0.29%、前期比+0.17pt)による資金調達費用増加(55,169百万円、前期比+28,040百万円)も顕在化している。

総資金利鞘は0.55%(前期比+0.16pt)と拡大しており、現時点では利上げの恩恵が調達コスト増を上回っている。ROEは21.7%(前期18.0%)へ改善した。

楽天グループとの間で2026年2月に基本合意書を締結し、楽天カード・楽天証券ホールディングス等との統合を目指すフィンテック事業再編の協議が再開された(効力発生目標:2026年10月)。統合実現により調達コスト最適化・データ連携強化・意思決定の機動性向上が期待される一方、みずほ銀行(楽天カード株式14.99%保有)・みずほ証券(楽天証券株式49.00%保有)の関与方針が未定であり、再編の具体的形態・条件・スケジュールには不確実性が残る。

現時点で連結財務諸表への影響は算定不能とされており、投資家は再編の進捗を注視する必要がある。

総資産は前期比1,843,500百万円増の16,592,139百万円と急拡大する一方、自己資本比率(告示ベース)は連結10.74%・単体11.01%と前期比改善しており、資本充実度は維持されている。ただし、貸出金の急拡大に伴い貸倒引当金繰入額は4,022百万円(前期比838百万円増)、不良債権残高は7,590百万円(前期比3,166百万円増)と増加傾向にある。

与信関係費用合計(単体)は4,958百万円(前期比1,611百万円増)であり、今後の景気動向・金利環境次第では信用コストの更なる上昇が収益を圧迫するリスクがある。

成長戦略

生活口座化の深化・運用資産多様化・フィンテック事業再編による総合金融プラットフォーム化

ボーナス金利プログラムの拡充(給与・賞与・年金受取、デビットカード利用、口座振替等に応じた普通預金金利上乗せ)、楽天モバイルとの銀行代理業務提携(2026年1月開始)、スマホATMサービス開始(2025年12月)等により、口座の生活インフラ化を推進。役務取引等収益の安定的拡大を図る。

投資用マンションローン・提携ローン・カードローンに加え、証券担保ローン(2025年6月開始、同年10月に残高100億円突破)・リバースモーゲージ(極度型、2025年5月開始)等の新商品を投入し、貸出ポートフォリオを多様化。有価証券(政府保証債・事業債・外国債券等)の積み上げも継続し、運用資産全体の収益性向上を図る。

楽天カード・楽天証券ホールディングス等を1グループに集約する組織再編を目指し、2026年2月に基本合意書を締結。調達コストの最適化、データ連携・AI活用の強化、意思決定の機動性向上により、総合フィンテック会社としての成長加速を図る。

効力発生は2026年10月を目標とするが、監督官庁の許認可等により変更の可能性がある。

2026年1月より、マネーブリッジ登録者の普通預金に対する最大優遇金利の適用残高を300万円から1,000万円に引き上げ。楽天証券ユーザーの資産運用ニーズを取り込み、預金残高の増加と顧客エンゲージメントの向上を図る。

最終更新: 2026年7月19日