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株式会社いよぎんホールディングス

5830東証プライム銀行業

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株式会社いよぎんホールディングス5830

事業内容

株式会社いよぎんホールディングスは、2022年10月に伊予銀行の単独株式移転により設立された銀行持株会社。連結子会社17社を擁し、銀行業(伊予銀行・本支店150店)を中核に、リース業(いよぎんリース)、情報処理・ソフトウェア開発業(いよぎんコンピュータサービス)、証券業(四国アライアンス証券)等を展開する。

主要営業エリアは愛媛県を中心とした瀬戸内圏で、個人・中小企業・地方公共団体を主要顧客とし、預貸・有価証券投資・役務・資産運用サービスを総合的に提供する地域密着型金融グループである。

ビジネスモデル

伊予銀行が地域から預金を集め、貸出金(連結2026年3月末6,107,233百万円)・有価証券(同1,705,787百万円)で運用する資金利益が収益の根幹。これに加え、投資信託・保険等の預り資産残高(連結1,008,322百万円)拡大による役務収益、グループ内IT受託・証券仲介・リース等の周辺事業収益が積み上がる複合収益モデルを採用している。

企業の強み

連結貸出金残高は2026年3月末に6,107,233百万円と前期末比268,070百万円増加し、29年連続の増加を達成。国内貸出の業種別では運輸業・不動産業・製造業等に分散し、中小企業向け残高(伊予銀行単体)は3,408,400百万円に達する。

長年の地域密着営業が生み出した顧客基盤の厚みは競合が短期間で模倣困難な固有の強みである。

前期に計上された次期基幹系システム構築費用の剥落等により、伊予銀行単体の物件費は29,314百万円と前期比5,805百万円減少。連結経費合計も前期比4,426百万円減の63,947百万円となり、連結コアOHRは48.5%まで改善した。

コスト構造の改善は自社の意思決定に基づく固有の成果であり、収益性向上に直結している。

連結預り資産残高は2026年3月末に1,008,322百万円(前期末比198,206百万円増)に達し、うち四国アライアンス証券分が487,515百万円(前期末比121,567百万円増)、伊予銀行分が520,806百万円(前期末比76,638百万円増)。銀行・証券の連携による資産運用プラットフォームは役務収益の安定的な拡大基盤となっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の経常利益99,206百万円(前期比32.2%増)の主因は、外部要因として国内金利上昇による資金利益の拡大(連結資金利益104,432百万円、前期比14,902百万円増)と総資金利鞘の改善(伊予銀行単体0.43%)にある。金利環境が今後も追い風となるかは不透明であり、金利上昇局面での調達コスト上昇(預金利息23,314百万円、前期比7,766百万円増)が利鞘を圧迫するリスクも顕在化しつつある。

コア収益力の自律的な持続性を見極める必要がある。

2026年3月期の連結有価証券関係損益は36,599百万円(株式等関係損益28,435百万円、国債等債券関係損益8,164百万円)と経常利益の約37%を占める。政策保有株式・外国国債の売却は一時的な収益であり、売却可能残高の減少に伴い将来の計上余地が縮小する可能性がある。

また、特別利益に計上された受取和解金6,000百万円(基幹系システム計画変更関連)も非反復的であり、実力ベースの利益水準の評価が重要である。

2027年3月期の連結経常利益予想は111,000百万円(前期比11.9%増)、親会社株主帰属純利益は77,000百万円(同3.7%増)と増益継続を見込む。一方、2026年3月期の連結貸倒引当金繰入額は6,340百万円(前期比4,896百万円増)と信用コストが拡大しており、倒産・ランクダウン等の増加傾向が続く場合は業績下振れリスクとなる。

米国通商政策や中東情勢等の地政学リスクが愛媛県経済に与える影響も引き続き注視が必要である。

成長戦略

総還元性向50%以上の株主還元強化と貸出・預り資産の継続的残高拡大

2024年度中期経営計画の資本政策として「2026年度までに総還元性向50%以上」を掲げる。2026年3月期の年間配当は60円(前期比15円増)、配当性向23.6%。2027年3月期は年間80円(前期比20円増)を予定し、自己株式取得も2025年度は総額170億円を実施。

伊予銀行単体の貸出金残高は29年連続増加を達成し、2026年3月末に6,164,420百万円に到達。個人ローン(住宅ローン925,267百万円含む)・中小企業向け融資を軸に地域密着型の貸出拡大を継続し、資金利益の安定的な成長を図る。

連結預り資産残高は2026年3月末に1,008,322百万円(前期末比198,206百万円増)に拡大。四国アライアンス証券の預り資産(487,515百万円)や投資信託・保険・国債の販売強化により役務収益の拡大を図り、金利依存度を低減する収益多角化を推進する。

次期基幹系システム構築費用の剥落により2026年3月期の物件費は大幅に減少(伊予銀行単体29,314百万円、前期比5,805百万円減)。基幹系システムの高度化推進に係る計画変更に関する和解金6,000百万円を特別利益に計上済み。引き続き業務効率化によるコスト構造の改善を図る。

最終更新: 2026年7月19日