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株式会社フジクラ

5803東証プライム非鉄金属

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株式会社フジクラ5803

事業内容

株式会社フジクラは1910年創業の電線・ケーブルメーカーで、現在は情報通信・エレクトロニクス・自動車・エネルギー・不動産の5事業部門を展開する。主力の情報通信事業では光ファイバケーブル・光コネクタ・融着接続機等をグローバルに製造・販売し、米国ハイパースケールデータセンタ向けを中心に急成長している。

子会社107社・関連会社12社を擁し、アジア・欧州・北南米に生産拠点を持つ。主要顧客は通信キャリア・データセンタ事業者・自動車メーカー・電力会社等で、2026年3月期の連結売上高は1,182,358百万円に達する。

ビジネスモデル

光ファイバケーブルから融着接続機・光コネクタ・通信エンジニアリングまでを自社グループで一貫供給するトータルソリューションを強みとする。情報通信事業が全社営業利益の約8割を占める収益構造で、高密度ケーブルSWR®/WTC®等の差別化製品で高い利益率を確保。

エネルギー事業・不動産事業が安定収益を補完し、エレクトロニクス・自動車事業がグローバル製造基盤を提供する多層的な収益構造を持つ。

企業の強み

超細径・高密度光ファイバケーブルSWR®/WTC®は限られた布設スペースの有効活用と接続時間短縮を実現し、データセンタ市場での競争力の源泉となっている。2025年度には世界初の13,824心WTC®を開発・販売開始し、日本経済新聞社主催「2025年日経優秀製品・サービス賞」最優秀賞を受賞。

継続的な新製品投入により差別化優位性を確立している。

2026年3月に日米合計最大3,000億円を投じ光ファイバ及びSWR®/WTC®の生産能力を現状の最大3倍に拡大する方針を決定。佐倉事業所では約450億円を投じた次世代工場を建設中。

MTフェルールも2024年度比約1.7倍の増産投資を実施済みであり、旺盛な需要に対応できる供給体制の構築を自社投資で推進している。

旧深川工場跡地「深川ギャザリア」を核とする不動産事業は2026年3月期営業利益率44.9%を誇る高収益事業。エネルギー事業も同12.1%の利益率を維持。

2026年3月期末の純資産は593,200百万円、ネットキャッシュ残高は96,200百万円(前年度比58,400百万円増)と財務基盤は強固で、自己資本比率50%維持を方針として掲げている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の情報通信事業部門の営業利益152,729百万円は連結営業利益188,707百万円の80.9%を占め、前年度の68.0%から更に集中が進んだ。一方でエレクトロニクス事業部門は川下サプライチェーン問題・競争激化・タイバーツ高により営業利益が前年度比66.5%減の7,666百万円に急落した。

情報通信部門の需要が何らかの理由で減速した場合の業績下振れリスクは依然として大きく、ポートフォリオの分散効果が限定的な点は引き続き注視が必要である。

2027年3月期の連結業績予想は売上高1,243,000百万円(前年度比5.1%増)、営業利益211,000百万円(同11.8%増)と増収増益を見込む。ただし、足元ではホルムズ海峡封鎖による物流停滞が生じており、ナフサ需給逼迫を背景とした一部原材料の供給不足・価格上昇リスクが業績予想に織り込まれていない。

また、光ケーブルの急峻な増産に伴う水素等原材料調達の追いつかない懸念を保守的に見込んでいるとしており、外部環境次第で予想の上下双方への乖離が生じうる。

2026年3月期の年間配当は1株当たり225.0円(配当性向39.5%)と前年度の100.0円から大幅増配し、配当金総額は62,190百万円に達した。配当性向の目安を従来の30%から40%へ引き上げるとともに、2026年4月1日付で1株につき6株の株式分割を実施し投資家層の拡大を図った。

2027年3月期の予想配当は1株当たり38.0円(分割後ベース)で配当性向40.3%を見込む。利益成長と還元強化の両立は評価できるが、大規模設備投資(日米合計最大3,000億円)との資金配分バランスが今後の焦点となる。

成長戦略

データセンタ向け光ファイバ増産投資と2028年中期計画での「攻めの選択と集中」加速

2026年3月に日米で合計最大3,000億円を投じ、光ファイバケーブルの生産能力を現状の最大3倍に拡大する方針を決定。北米ハイパースケールデータセンタ向けの旺盛な需要に対応し、情報通信事業部門の売上・利益成長を持続させる中核施策。

MT/MMCフェルールの増産に加え、ベトナム・メキシコ・ポーランド工場における配線部品の生産能力強化を推進。グローバルでのAIインフラ拡大を見据えた供給能力の確保が目的であり、欧州・アジア等の新規市場開拓とも連動する。

2026年5月に2028年中期経営計画を公表予定。強固な財務基盤を土台に「情報インフラ」「情報ストレージ」「情報端末」の3成長分野へ経営リソースを重点配分し、カーボンニュートラル向け先行投資や新領域R&Dにも積極投資する方針。

2026年度よりエレクトロニクス事業部門と自動車事業部門を統合し、電子・電装事業部門として運営。次世代車・AIロボット等の新事業機会を見据え、高精度微細加工技術と優良顧客基盤・グローバル生産拠点の両強みを融合させ新ビジネスを創出する。

研究開発部門では短期事業化テーマを事業部門に移管し、超電導・ファイバレーザ・次世代光ファイバ(マルチコアファイバ・ホローコアファイバ)等の中長期コア技術創出に注力。CPO等の光電融合技術発展への貢献も目指す。

その他セグメントの有形固定資産及び無形固定資産の増加額が前年度1,087百万円から6,064百万円へ急増しており、先行投資が本格化している。

最終更新: 2026年7月19日