事業内容
住友電気工業は1897年創業の総合電気・電子部品メーカーで、環境エネルギー・情報通信・自動車・エレクトロニクス・産業素材の5事業を展開する。電力ケーブル・光ファイバ・ワイヤーハーネス・FPC・超硬工具など幅広い製品群を持ち、国内外の電力会社・通信事業者・自動車メーカー・電子機器メーカー等を主要顧客とする。
連結売上高5,110,171百万円、従業員約30万人のグローバル企業であり、東京・大阪・名古屋証券取引所プライム市場に上場している。
ビジネスモデル
導体材料・高分子材料・化合物半導体等の独自素材技術と製造プロセス技術を核に、電力インフラ・通信インフラ・自動車・電子機器向けに高機能製品を製造販売する。自動車関連が売上高の約57%を占める最大セグメントだが、情報通信(営業利益率23.7%)や環境エネルギーが高収益を牽引。
研究開発費162,858百万円を投じ技術優位を維持しながら、設備投資243,183百万円で生産能力を拡充し、スケールメリットと品種構成改善で利益率を向上させる構造を持つ。
企業の強み
住友電装を完全子会社に持ち、ワイヤーハーネスで世界トップクラスのシェアを有する。北米・欧州・アジアに広範な製造拠点を展開し、2026年3月期の自動車関連事業売上高は2,937,168百万円に達する。
住友理工の完全子会社化(2026年2月)により防振ゴム・ホース事業も取り込み、グループ総合力をさらに強化した。
世界初の量産マルチコアファイバや極低損失光ファイバを開発・量産化し、データセンター向け光配線製品・光デバイス・InP基板で高い技術競争力を持つ。2026年3月期の情報通信関連事業は売上高326,632百万円・営業利益率23.7%を達成。
横浜製作所に新研究開発棟を建設するなど生産・開発能力の継続的増強を実施している。
自己資本比率56.9%(前期比5.3ポイント上昇)、ネット有利子負債473,881百万円と財務健全性が高い。JCRより「AA/J-1+」、R&Iより「AA-/a-1+」の高格付けを取得。
フリーキャッシュフローは250,330百万円のプラスを確保し、中期経営計画2028で掲げる3か年累計1兆円の設備投資を自己資金中心に賄える財務体力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は5,110,171百万円(前期比9.2%増)、営業利益は418,173百万円(同30.4%増)、経常利益は431,274百万円(同39.3%増)でいずれも過去最高を更新。親会社株主帰属当期純利益は369,508百万円(同90.7%増)と大幅増益だが、住友電設株式売却益79,154百万円の一時要因を含む。
外部環境として、生成AI市場拡大によるデータセンター向け光通信製品の需要急増、電力インフラ更新需要の堅調推移が業績を牽引。自己資本当期純利益率は14.7%(前期8.6%)に改善。
2027年3月期は売上高5,300,000百万円・営業利益425,000百万円・当期純利益320,000百万円を予想。
成長戦略
「デジタル・AI・エネルギー・モビリティ」3分野を軸に中期経営計画2028で売上高・営業利益の大幅拡大を目指す
2026年度からスタートする中期経営計画2028において、「デジタル・AI」「エネルギー」「モビリティ」の注力3分野及び融合領域でグループ総合力を発揮し、2028年度に売上高6兆円・営業利益6,000億円・税引前ROIC15%以上の達成を目指す。
生成AI市場拡大を背景とするデータセンター向け光ケーブル・光コネクタ等光配線製品・光デバイス・InP基板の生産能力増強を推進。2026年3月期に売上高326,632百万円・営業利益77,435百万円(売上高営業利益率23.7%)を達成し、2027年3月期は売上高500,000百万円を予想。
2026年2月に住友理工㈱を完全子会社化(子会社株式取得支出112,688百万円)。自動車用防振ゴム・ホース事業との統合シナジーを創出し、次世代モビリティ向け新製品開発に重点を置いた事業成長を図る。自動車関連事業の収益力強化と資産効率改善に貢献することが期待される。
電力ケーブルの欧州新拠点立上げを進めるとともに、国内の設備更新需要・再生可能エネルギー関連の国家・地域間連系線受注に注力。2026年3月期の環境エネルギー関連事業売上高は1,178,780百万円・営業利益90,615百万円を達成。2027年3月期は売上高1,060,000百万円を予想。
棚卸資産・政策保有株式の圧縮など資産効率改善に取り組み、税引前ROICは14.7%(前期9.3%)に改善。配当は2026年3月期に1株当たり154円(前期比57円増)に引き上げ、2026年7月1日付で1株につき4株の株式分割を実施し投資家層の拡大を図る。
最終更新: 2026年7月19日

