事業内容
古河電気工業は1896年創業の非鉄金属・電線ケーブル大手で、インフラ(光通信・電力ケーブル)、電装エレクトロニクス(自動車部品・電装材料)、機能製品(放熱冷却・半導体製造用テープ・銅箔)の3事業を軸に展開する。連結売上高1,307,560百万円のうち電装エレクトロニクスが756,170百万円と最大規模を占め、インフラが363,941百万円、機能製品が150,804百万円と続く。
国内外に幅広い製造拠点を持ち、海外売上高比率は50.6%に達する。主要顧客は自動車メーカー、通信事業者、データセンタ事業者、電力会社等多岐にわたる。
ビジネスモデル
メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波の4つのコア技術を基盤に、電線・ケーブル・光デバイス・機能材料等を製造販売する。原材料(銅地金等)を調達・加工し、高付加価値製品へ転換することで収益を得る。
販売価格の適正化と製品ミックス改善により収益性を高める一方、M&Aや子会社化によるシナジー創出と事業ポートフォリオ最適化を通じて資本効率を向上させる構造を持つ。
企業の強み
LN高速光変調器で世界トップシェアを持つ古河ファイテルオプティカルコンポーネンツを子会社化し、ローラブルリボンケーブル・MTフェルール・DFBレーザダイオードチップ等の高付加価値製品群を保有。「Lightera」ブランドによるグローバル統一戦略のもと北米拡販体制を整備し、インフラセグメントの営業利益は前期比276.1%増の21,400百万円超を達成した。
メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波の4コア技術を保有し、情報・エネルギー・モビリティの融合領域で製品を展開。電装エレクトロニクス・インフラ・機能製品の3セグメントが相互補完し、2026年3月期に全セグメントで増収増益を達成。
25中計の全財務目標(ROIC12.2%、ROE19.1%、自己資本比率39.1%等)を達成した実績が競争力の裏付けとなっている。
古河電工サブマリンケーブルの子会社化によりHVDCケーブル製造能力を増強し、千葉県富津市に国内HVDC生産拠点の新設を決定。国内超高圧地中線の引替え需要および再生可能エネルギー向け海底線・地中線の堅調な需要を背景に、エネルギーインフラ事業の製造・施工能力を継続的に拡充している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期930,496百万円を底に4期連続増収となり、2026期は1,307,560百万円(前期比8.8%増)と過去5期最高を更新。営業利益は2024期11,171百万円の低水準から2026期63,856百万円へ急回復し、営業利益率は4.9%(前期3.9%)に改善。
外部要因として銅地金価格の高騰が売上高を押し上げた一方、データセンタ関連の光ファイバ製品需要拡大・ワイヤハーネスの国内堅調需要が本業の利益を牽引。生産性改善・販売価格適正化の取り組みも増益に寄与。
自己資本比率は39.1%(前期34.6%)に上昇し、財務体質も改善している。
成長戦略
データセンタ・AI・再エネ需要を軸に事業ポートフォリオを最適化し、ビジョン2030の実現を目指す
日本(ライテラジャパン)・米国(Lightera, LLC)・ブラジル(Lightera LatAm)の3拠点をLightera Holding合同会社のもとに統合し、グローバルで統一された戦略・意思決定体制を確立。北米拡販体制の整備も進め、インフラセグメントの売上高は363,941百万円(前期比20.0%増)、営業利益は21,439百万円(同276.1%増)と大幅増益を達成。
LN高速光変調器で世界トップシェアを有する富士通オプティカルコンポーネンツ(現・古河ファイテルオプティカルコンポーネンツ)を取得原価5,959百万円で子会社化。当社の光半導体光源技術とFOC社のLN技術を結集し、5G/B5G時代の高速・小型ハイブリッド集積デバイスおよび低消費電力・広帯域光トランシーバの供給体制を構築。
古河電工サブマリンケーブル㈱(旧・日本サブマリンケーブル)を取得原価2,207百万円で子会社化し、海底ケーブル製造拠点と技術人材を確保。千葉県富津市ほかにHVDCケーブル製造設備・建物を導入する設備投資を並行して推進。再生可能エネルギー向け海底線需要の取り込みを目指す。
古河電池㈱の全株式譲渡(2025年12月24日)、瀋陽古河電纜有限公司の全持分譲渡(2026年2月10日)等によりノンコア・不採算事業を切り離し、資本効率を改善。25中計期間の全財務目標(ROIC12.2%、ROE19.1%、Net D/Eレシオ0.59、自己資本比率39.1%)を達成。
得られた資源をデータセンタ・再エネ関連の成長分野へ再投資する方針を継続。
医療・産業機器向け光ファイバ製造会社の子会社化(ライフサイエンス)、大手鉄道会社でのレーザ施工システム実運用開始(レーザ応用)、英国核融合炉開発企業への高温超電導線材供給・出資(超電導)、グリーンLPガス量産向け実証プラント建設(グリーンLPガス)を推進。新事業研究開発費増加率は目標125%に対し実績156%を達成。
最終更新: 2026年7月19日

