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日本伸銅株式会社

5753東証スタンダード非鉄金属

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日本伸銅株式会社5753

事業内容

日本伸銅株式会社は1938年創業、大阪府堺市に本社を置く伸銅品専業メーカーである。銅・亜鉛を主要原材料として、伸銅品(板・条・棒・管等)および伸銅加工品を製造・販売する単一セグメント事業を展開する。

2015年に株式会社CKサンエツの連結子会社となり、兄弟会社であるサンエツ金属株式会社と生産品種の棲み分けによる最適分業体制を構築している。主要販売先は市原金属産業株式会社(売上高の13.2%)をはじめとする金属流通・加工業者であり、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。

ビジネスモデル

銅・亜鉛の国際相場(LME価格)に基づく建値制で製品販売価格を設定し、原材料コストの変動を販売価格に転嫁する仕組みを基本とする。伸銅品(売上高の88.0%)を主力としつつ、付加価値の高い伸銅加工品(同5.4%)の拡販により収益性向上を図る。

相場変動リスクはデリバティブ取引でヘッジするが、ヘッジコストが営業外損益に影響する構造を持つ。

企業の強み

兄弟会社サンエツ金属株式会社との生産品種の棲み分けによる最適分業体制を構築しており、製品の相互OEM供給・原料の共同購買・人材交流等のシナジーを追求している。グループ内連携により単独では実現困難なスケールメリットとコスト競争力を確保している。

2026年3月期末の自己資本比率は68.7%と高水準を維持しており、純資産合計は12,711百万円に達する。銅相場急騰時の運転資金需要やM&A資金需要に対し、内部留保と金融機関借入の両面で対応できる十分な財務基盤を有している。

2026年3月期の伸銅加工品売上高は1,640百万円(前年同期比31.4%増)と高成長を実現した。主力の伸銅品も販売数量が20,419トン(前年同期比6.4%増)と拡大しており、受注残高も3,479百万円(前年同期比58.1%増)と積み上がっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は2,694百万円(前年比46.8%増)と好調だった一方、銅相場ヘッジ目的のデリバティブ損失が1,703百万円(前期360百万円)に急拡大し、経常利益は1,028百万円(前年比27.2%減)、当期純利益は742百万円(同23.1%減)に落ち込んだ。外部要因として銅相場の急騰(LME高騰・円安で1トン219万円まで上昇)がヘッジコストを膨らませた構図であり、相場連動型ビジネスモデルの宿命的なリスクが改めて浮き彫りとなった。

2027年3月期の業績予想は売上高36,800百万円(前年比22.1%増)の一方、営業利益は1,320百万円(同51.0%減)と大幅減益を見込む。当期に発生した相場差益が次期では発生しないことを前提とした保守的な計画であり、電気銅想定価格は2,110千円/トン、電気亜鉛は586千円/トン。

売上高は増収でも利益が半減する予想は、収益の質に対する投資家の慎重な評価を促す内容といえる。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは△975百万円(前期299百万円の収入超過)と大幅に悪化。棚卸資産増加△951百万円、売上債権増加△905百万円に加え、法人税等支払額が△560百万円(前期△127百万円)と急増したことが主因。

財務活動で短期借入金1,110百万円を調達して資金を補填しており、運転資本管理と借入依存度の上昇が今後の注目点となる。

成長戦略

グループシナジー深化と伸銅加工品拡大による競争力・企業価値向上

サンエツ金属株式会社および三谷伸銅株式会社との兄弟会社体制を活かし、原材料調達・製造・販売における最適分業を深化させる。2026年3月期において販売費及び一般管理費の削減(847百万円→818百万円)が実現しており、コスト効率改善に寄与している。

付加価値の高い伸銅加工品の売上高は2026年3月期に1,640百万円(前年同期比31.4%増)と高成長を達成。主力の伸銅品を上回る成長率を維持しており、収益構造の多様化と利益率改善への貢献が期待される。

2026年3月期の販売数量は2万1,176トン(前年同期比6.3%増)と拡大基調を維持。2027年3月期は電気銅想定価格2,110千円/トン・電気亜鉛586千円/トンを前提に売上高36,800百万円(前年比22.1%増)を計画しており、数量・価格両面での増収を目指す。

最終更新: 2026年7月19日