事業内容
株式会社UACJは、2013年に古河スカイと住友軽金属工業が経営統合して発足したアルミニウム総合メーカーです。子会社49社・持分法適用会社12社からなる企業集団を形成し、板製品(圧延・箔)、押出・加工品、航空宇宙・防衛材、自動車部品の4領域で事業を展開しています。
国内製造拠点に加え、米国(Tri-Arrows Aluminum Inc.)、タイ(UACJ Thailand)、欧州、中国、ベトナム等にグローバル生産網を持ち、飲料缶材・自動車部材・半導体製造装置材・電池箔・航空宇宙材など多様な産業に素材を供給しています。2026年3月期の売上収益は1,181,716百万円に達し、東京証券取引所プライム市場に上場しています。
ビジネスモデル
アルミ地金を原材料として圧延・押出・鋳鍛造等の加工を施し、板材・箔・押出材・自動車部品等を製造・販売することで収益を得ます。販売価格はアルミ地金市況に連動するパススルー構造を基本としつつ、加工ビジネスの拡大やリサイクル推進(UBC溶解・スクラップ活用)による付加価値創出で収益率の向上を目指しています。
第4次中期経営計画では「素材+α」をコンセプトに、先端分野向け高付加価値製品の供給とバリューチェーン全体での価値創出を推進しています。
企業の強み
米国のTri-Arrows Aluminum Inc.(Novelis Corporationとの合弁)やタイのUACJ Thailandを中核とした北米・アジアの生産拠点を保有し、堅調な缶材需要を背景に2026年3月期の海外販売数量が前期比増加を達成しました。1985年から継続する米国合弁事業など長期にわたる海外事業基盤は競合が短期間で模倣困難な固有資産です。
航空宇宙・防衛材(鋳鍛造品)、半導体製造装置用厚板焼入れ材、リチウムイオン電池用集電体(電池箔)等の先端分野向け製品を保有し、国内最大級リング材製造設備の導入決定や厚板焼入れ材の生産能力倍増を決定するなど、経済安全保障需要に対応したサプライチェーン強化を進めています。
2025年4月にUACJ山一アルミ缶リサイクル株式会社を設立し、UBC溶解リサイクルシステムを構築。米国・タイでもスクラップ処理能力を拡大し、グループ全体のスクラップ使用量を増加させています。
空調機用アルミフィンの水平リサイクル実証実験に業界初成功するなど、循環型素材としてのアルミの環境価値を事業化する技術・設備基盤を有しています。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期782,911百万円→2026年3月期1,181,716百万円と5期で51%増加し、加速度的な成長を示した。営業利益は2023年3月期に17,207百万円まで落ち込んだ後、2026年3月期に76,863百万円と過去最高を更新。
外部要因として、アルミ地金価格の上昇が売上収益拡大(前期比182,935百万円増)と棚卸資産評価益に寄与した。また在外営業活動体の換算差額24,842百万円が包括利益を押し上げた。
一方、2027年3月期の連結業績予想は売上収益1,300,000百万円(前期比10.0%増)に対し、営業利益64,000百万円(同16.7%減)、親会社帰属当期利益28,000百万円(同28.0%減)と減益を見込んでおり、地金価格・為替等の外部環境変化が業績変動の主因となる構造が続く。
成長戦略
「素材+α」戦略でリサイクル・加工・先端分野・新領域の4軸から付加価値提供企業へ変革
Tri-Arrows Aluminum Inc.(北米)およびUACJ (Thailand) Co., Ltd.(タイ)において、堅調な缶材需要を取り込むための戦略投資を継続。2026年3月期の有形固定資産取得支出は55,677百万円と前期比大幅増加し、生産能力増強が進捗している。
半導体製造装置関連材、電池箔、航空宇宙・防衛材等の先端分野向け製品の需要拡大を取り込み、収益性の高い製品ミックスへのシフトを推進。第4次中期経営計画における「素材+α」戦略の中核施策として位置づけられている。
使用済みアルミ缶(UBC)処理設備や缶材増産設備等のリサイクル推進投資を継続し、低炭素・循環型素材としての競争力を強化。顧客の脱炭素要請への対応力を高めるとともに、原料コスト低減にも寄与する。
2026年4月28日の取締役会において、総額150億円以内の国内無担保普通社債発行に関する包括決議を実施。運転資金・設備資金・借入金返済資金等に充当し、戦略投資継続に向けた財務基盤を整備する。
最終更新: 2026年7月19日

