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東邦チタニウム株式会社

5727東証プライム非鉄金属

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東邦チタニウム株式会社5727

事業内容

東邦チタニウムは1953年設立のチタン専業メーカーで、JX金属を親会社に持つ東証プライム上場企業。主力の金属チタン事業ではスポンジチタン・チタンインゴット・高純度チタン・チタン加工品を製造し、航空機・半導体・一般産業向けに国内外へ供給する。

第二の柱である触媒事業ではプロピレン重合用触媒を製造・販売し、化学品事業では積層セラミックコンデンサ(MLCC)向け超微粉ニッケル等の電子部品材料を手掛ける。サウジアラビア合弁会社ATTM社を含む国際的な生産体制を有し、2025年3月期の連結売上高は88,974百万円。

ビジネスモデル

金属チタン事業(売上高の約73.7%)を中心に、Titanium Metals Corporation(売上高比36.0%)・日本製鉄(同15.3%)等との長期販売契約により安定的な販路を確保する。触媒事業(同12.0%)は22.2%の高営業利益率を誇り、化学品事業(同14.3%)は超微粉ニッケル新工場への投資フェーズにある。

原材料・電力コストの変動を販売価格是正で吸収しつつ、円安メリットを輸出収益に取り込む構造。

企業の強み

国内若松・茅ヶ崎・八幡工場に加え、サウジアラビア合弁ATTM社がフル生産体制へ移行。航空機向け輸出スポンジチタンは2025年3月期も堅調に推移し、金属チタン事業の売上高は65,568百万円(前期比10.5%増)、営業利益は6,926百万円(同53.6%増)を達成した。

プロピレン重合用触媒は2025年3月期に売上高10,680百万円(前期比45.8%増)、営業利益2,371百万円(同21.4%増)を計上。中国周辺諸国以外での回復を取り込み、グループ全体の収益安定化に貢献する高マージン事業として機能している。

1953年創業以来、チタン・触媒・電子部品材料にわたる独自技術を蓄積。2025年3月期の研究開発費は2,335百万円で、PEM型水電解装置向けチタン多孔質体(WEBTi®)等の新規事業開発にも注力。設備投資総額は12,388百万円に達し、将来の成長基盤を整備している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の金属チタン事業は売上高54,429百万円(前年比17.0%減)、営業利益4,382百万円(同39.2%減)と大幅に悪化。ボーイング社のサプライチェーン在庫調整が当初想定より長引いており、航空機向け輸出スポンジチタンの販売が前年を下回った。

外部要因として中国メーカーの過剰生産による一般産業用途向け市況悪化も重なり、主力セグメントの回復時期の見極めが投資判断の最大の焦点となっている。

化学品事業は2026年3月期に営業利益155百万円と黒字転換(前年は1,053百万円の損失)を達成した。外部要因として中国経済停滞の影響が概ね底を打ち、MLCC向け需要が通信・車載・産業機器等で回復基調にある点は追い風。

ただし売上高17,036百万円に対して営業利益率は0.9%にとどまり、流通在庫調整の影響も残存しており、本格的な収益貢献には至っていない。

2026年4月24日の臨時株主総会で株式交換契約が承認され、2026年5月28日付で上場廃止、2026年6月1日にJX金属の完全子会社となる予定。株式交換比率は東邦チタニウム普通株式1株につきJX金属普通株式0.70株。

2027年3月期の業績予想・配当予想は非開示であり、上場株式としての情報開示は本決算短信が実質的に最終となる。既存株主にとっての経済的帰結はJX金属株式の価値に依存する。

成長戦略

チタン供給能力増強・新工場稼働・新規事業(WEBTi®)の三本柱でJX金属グループ内成長を追求

国内工場での新工場建設を継続し、航空機向けおよび半導体向け高純度チタンの供給能力を拡大。2026年3月期の建設仮勘定は17,523百万円に拡大しており、ボーイング在庫調整正常化後の需要回復に備えた先行投資が進捗中。

小型・大容量MLCC対応の超微粉ニッケル新工場を若松工場内に建設中。化学品事業の2026年3月期黒字転換(営業利益155百万円)を受け、需要回復局面での供給拡大体制の整備が進んでいる。設備投資額(化学品事業)は4,620百万円。

PEM型水電解装置向けチタン多孔質体WEBTi®の早期事業化を推進。全社費用(調整額)に含まれる研究開発費・管理費として2026年3月期に2,981百万円が計上されており、新規事業創出への投資が継続している。JX金属グループとの統合後のシナジー活用も期待される。

2026年6月1日付でJX金属の完全子会社となる株式交換が完了予定。JX金属グループの資源・素材バリューチェーンとの統合により、原材料調達の安定化・コスト競争力強化・海外展開加速等のシナジーが期待される。上場廃止後は非公開企業として中長期戦略を推進。

最終更新: 2026年7月17日