事業内容
株式会社エス・サイエンス(2026年4月にエスクリプトエナジー株式会社へ社名変更)は、1946年創業のニッケル地金・塩類販売を起源とする東証スタンダード上場企業。現在はニッケル事業・不動産事業・クリプトアセット事業の3セグメントを中核とし、教育事業・スマートDXソリューション事業は2026年3月期に廃止。
2026年2月には組織を「トレジャリー事業」「アドバイサリー事業」「グリッド事業」「金属不動産事業」の4区分に再編し、系統用蓄電池事業への参入も決定するなど、事業構造の抜本的転換を進めている。主要顧客は旭日産業㈱・㈱コタベ(ニッケル)、㈱希学園・㈱アイエフアール(不動産)。
ビジネスモデル
ニッケル事業では地金・塩類を仕入れ既存顧客へ販売する商社型モデルで安定的な粗利を確保。不動産事業では保有物件の売却(2026年3月期売上高824百万円、売上総利益率約59%)と賃貸収入(営業外収益に不動産賃貸料40百万円)を組み合わせる。
クリプトアセット事業は暗号資産の運用・投資を行い、評価損益・売却損益を営業外損益に計上する構造。さらに系統用蓄電池2物件(各2MW/8MWh)の取得・運用を計画し、グリッド事業として新たな収益源の構築を目指す。
企業の強み
旭日産業㈱・㈱コタベとの継続的取引関係を維持し、LMEニッケル価格低水準下でも販売数量増加により売上高616百万円・セグメント利益30百万円を確保。2024年3月期・2026年3月期ともにセグメント利益30百万円と安定した収益を計上しており、価格変動を数量でカバーする営業力が実証されている。
2026年3月期に販売用不動産2物件(㈱希学園向け412百万円・㈱アイエフアール向け404百万円)を売却し、売上高824百万円・売上総利益約488百万円(粗利率約59%)を達成。不動産事業セグメント利益は428百万円に達し、会社全体の売上総利益560百万円の大半を創出した。
2026年3月期末の純資産は4,701百万円(前期比1,830百万円増)、自己資本比率は82.6%。増資(財務活動CF+4,604百万円)により資本基盤を大幅に強化。負債合計966百万円に対し純資産が約4.9倍と財務レバレッジは低く、新規事業投資の余地を保持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期の634百万円から2026年3月期は1,441百万円へ約2.3倍に回復した。これは不動産事業売上高が8百万円から824百万円へ急拡大したことが主因。
営業損失は292百万円から146百万円へ改善した。しかし営業外費用に暗号資産評価損1,864百万円(千円単位原数値)が計上されたことで経常損失は2,524百万円、当期純損失は2,530百万円と過去5期で最大の赤字となった。
キャッシュ・フローは営業CF350百万円(訂正後)、投資CF△5,214百万円、財務CF4,604百万円(訂正後)で、暗号資産取得が投資活動を大きく押し下げた。
成長戦略
暗号資産・AIデータセンター投資を軸に、ニッケル・不動産・DXの多角化収益基盤を構築
2026年3月期に暗号資産取得5,000百万円を実施し、暗号資産投資を主要事業として位置付けた。社名変更(エスクリプトエナジー)もこの戦略転換を反映。ただし評価損1,864百万円が発生しており、市況変動リスクが顕在化している。
2026年3月期に不動産事業売上高824百万円・売上総利益約488百万円(粗利率約59%)を計上し、全社売上総利益の大部分を担う収益柱として確立。不動産売買の継続的な案件組成が今後の課題。
2026年4月20日取締役会決議により、株式会社SDSホールディングスが発行する新株予約権の一部引受(総投資額約14億円)と業務提携契約を締結。暗号資産分野およびAIデータセンター関連分野における連携を通じた成長機会の創出を目的とする。財政状態・経営成績への影響は現時点で未定。
主要顧客との継続取引関係を維持しつつ、新規顧客開拓によるシェア拡大を図る。2026年3月期のニッケル事業売上高は616百万円と前期(626百万円)から微減。本業の安定収益源として維持が求められる。
2024年8月立ち上げのIoT・DXソリューション事業は2026年3月期売上高が692千円と依然軽微。IoTデバイスと基幹システム連携の複合提案による顧客単価向上を目指すが、収益化時期は不透明。
最終更新: 2026年7月19日

