継続企業の前提に関する疑義
自己資本比率が13.8%と依然低水準にあり、金・銀等の貴金属価格変動による繰延ヘッジ損益の影響で包括利益が大きく変動するため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在すると認識している。対応として、2025年2月に全取引金融機関との債権者間協定書を締結し5年間の返済計画に合意、三菱UFJ銀行との総額100億円の貸出コミットメント契約・当座貸越契約(2026年1月締結)、および2026年3月に行使価額修正条項付新株予約権の発行(行使期間2026年3月~2028年3月)により資本増強を図っている。当連結会計年度末の現金及び預金は11,133百万円を保有しており、重要な不確実性は認められないと判断しているものの、財務基盤の脆弱性は継続的な監視が必要な最重要リスクである。
金属価格変動リスク
製錬事業における原料鉱石価格と製品価格はLME(ロンドン金属取引所)等の国際市場価格を基準としており、需給バランス・投機筋の動向・政治経済情勢により大幅に変動する。価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。対応として、商品先渡取引等の市況変動ヘッジを活用するとともに、市況の影響を相対的に受けにくい事業の収益拡大・安定化を図っている。
為替相場変動リスク
主原料の鉱石は海外から輸入しており、製錬費(T/C)は米ドル建て、国内販売価格も米ドル建て価格の円換算を基礎としているため、円高は業績に悪影響、円安は好影響をもたらす構造となっている。為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。対応として、為替予約やオプション取引等のヘッジ手段を活用している。
エネルギー資源価格上昇リスク
製錬事業・環境リサイクル事業の製造工程では多量の電力・コークス・重油等を消費しており、電力・コークス価格は原油・LNG・石炭等のエネルギー資源価格に大きく影響される。エネルギー資源価格が大幅に上昇した場合、製造原価が大きく悪化し経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。対応として、製法や仕入先の工夫によりエネルギーコスト高に対処している。
原材料確保リスク
製錬事業の主原料である鉱石は全量を海外鉱山から調達しており、世界的な鉱石需給の変化や鉱山での事故等不測の事態が発生した場合、原料不足による減産・販売機会の喪失や単位当たり原価の悪化につながる可能性がある。対応として、ペルー・豪州等の有力鉱山との長期買鉱契約を締結し安定調達を図るとともに、廃バッテリーや製鋼ダスト等リサイクル原料の利用拡大により原料の多様化を推進している。
生産量確保・操業リスク
地震・洪水等の自然災害や感染症の蔓延、操業上の事故・トラブルにより計画通りの生産が行えない場合、減産による販売機会の喪失や単位当たり原価の悪化が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。製錬事業は市況の影響を受けやすい業態であるため、計画通りの生産による販売機会の確保が業績上特に重要である。対応として、長期的な計画に基づく予防的設備保守と安全操業のための各種施策を実施している。
環境規制・気候変動リスク
国内外の事業所における環境関連法令の改正等により新たな費用が発生する可能性があるほか、カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素の取り組みにより原材料調達・製造工程において追加的なコストや事業形態の変更が生じる可能性がある。また、過去に出荷した非鉄スラグの一部における土壌環境基準超過・不適切使用の問題を抱えており、再発防止のため「品質保証室」「環境・安全室」を本社に設置し体制を強化している。TCFDフレームワークによる分析を実施し、気候変動リスク及び機会の把握に努めている。
情報セキュリティリスク
従業員の操作上の錯誤・不正アクセス・サイバー攻撃・コンピュータウイルス感染等により情報資産の漏洩・改竄が発生した場合、社会的信用の低下・対策費用の発生・生産プロセスの中断・取引停止等により経営成績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性がある。対応として、情報セキュリティ関連規程を制定し、社長直轄の「情報セキュリティ管理委員会」(経営企画部担当役員が委員長)を設置してPDCAサイクルによる運用体制の定期的な見直しを実施している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

