事業内容
東邦亜鉛株式会社(2026年6月に東邦メタリクス株式会社へ商号変更予定)は、1937年創業の非鉄金属製錬会社。鉛・銀・金・ビスマス等の製錬を行う製錬事業を中核に、電炉ダスト由来の酸化亜鉛製造・販売を担う環境・リサイクル事業、電子部品・高純度電解鉄の電子部材・機能材料事業、亜鉛製錬再編後の金属リサイクル事業、および土木・運輸・環境分析等の周辺サービスを展開する。
主要顧客は阪和興業(売上高の14.3%)・住商マテリアル(同13.4%)等の金属商社、タイヤメーカー、特殊鋼メーカー等。2024年12月に事業再生計画を策定し、不採算の資源事業(豪州鉱山)からの撤退と亜鉛製錬事業の再編を完了、鉛・銀製錬とリサイクルに経営資源を集中する構造転換を進めている。
ビジネスモデル
原料鉱石や電炉ダスト・廃バッテリー等の二次原料を調達し、製錬・リサイクル技術で鉛・銀・金・酸化亜鉛等の製品に加工して販売する。販売価格はLME相場・貴金属相場に連動するため、金属市況と為替が収益を大きく左右する。
製錬セグメントが売上高125,550百万円の約83%を占める主力であり、副産物(金・銀・ビスマス等)の回収が利益率を左右する構造。環境・リサイクル事業は廃棄物処理フィーと製品販売の二重収益モデルを持つ。
企業の強み
鉛・銀の主力製錬に加え、金・ビスマス・アンチモン等の希少金属を副産物として回収する技術を保有。2025年度は銀相場が通期平均53.1$/toz(前年度30.4$/toz)へ急騰する局面で、銀製品売上高が前年同期比78.9%増収となり、多品目回収能力が収益の安定化と拡大に寄与した実績がある。
1973年に電炉ダストから酸化亜鉛等の有価金属を回収する技術の企業化に成功し、50年超の実績を持つ。環境・リサイクル事業の売上高は6,927百万円(2026年3月期)で、タイヤメーカー向け酸化亜鉛を主力に安定的な顧客基盤を構築。廃棄物処理と製品販売の二重収益構造が特徴。
純度99.95%(3N5)から99.999%(5Nグレード)に及ぶ高純度電解鉄を独自製法で製造。航空機のランディングギアやジェットエンジン部品、原子力発電用部品等の過酷環境向け重要部材への採用実績を持ち、大学・外部研究機関との共同研究・特許取得・学会発表を通じて技術的参入障壁を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は125,550百万円(前期比0.6%減)と微減収だが、営業利益6,722百万円(前期比19.5%増)、経常利益5,678百万円(同53.9%増)、当期純利益4,782百万円(前期損失1,458百万円から黒字転換)と損益面は大幅改善。外部要因として銀相場(通期平均53.1$/toz、前期比75%増)・金相場の高騰が製錬事業の収益を押し上げた。
一方、前期に計上した減損損失7,678百万円が当期はゼロとなったことが純利益の改善に大きく寄与。販売費及び一般管理費は7,571百万円から5,900百万円へ削減され、構造改革効果も顕在化している。
2027年3月期は売上高178,500百万円(前期比42.2%増)、経常利益4,500百万円(同20.7%減)を予想。売上増は製錬事業の本格稼働反映だが、利益は銀相場前提の保守的設定により減益見込み。
成長戦略
5年間の事業再生期間で鉛・銀製錬とリサイクルを基盤に収益基盤を再構築
亜鉛製錬事業の主要設備を2025年3月末に停止し金属リサイクル事業へ再編、豪州資源事業からも完全撤退。前期計上の特別損失7,678百万円が当期ゼロとなり、収益構造の正常化が完了した。
安全・安定操業の確立とトラブル未然防止を最優先課題とし、原料ベストミックスの高度化と二次原料からの有価金属(金・銀・ビスマス等)回収強化を推進。2027年3月期製錬セグメント経常利益予想は2,900百万円。
施策効果による改善積上げと低収益事業・資産の見直しを継続。販売費及び一般管理費は前期7,571百万円から5,900百万円へ削減済み。亜鉛製錬再編に伴う保有資産売却が金属リサイクルセグメントの経常利益1,451百万円に貢献。
2026年3月に行使価額修正条項付新株予約権を発行(行使期間2026年3月〜2028年3月)。4月の行使実績は調達額680百万円・593,600株。三菱UFJ銀行との総額100百万円の貸出コミットメント契約も締結し流動性を確保。自己資本比率13.8%からの改善が課題。
二次原料からの有価金属回収強化、各製品の値上げ・販路拡大を推進。事業の競争力強化投資の検討推進と非連続な成長を見据えた機能強化を2027年3月期の基本方針に掲げる。2027年3月期環境・リサイクルセグメント経常利益予想は1,850百万円(前期920百万円から大幅増益目標)。
最終更新: 2026年7月19日

