機能材料
半導体・AI需要を取り込む三井金属の中核成長セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| セグメント売上高(外部顧客向け、四半期累計) | 98,025百万円 | 69,485百万円 | ↑ |
| セグメント売上高(セグメント計、四半期累計) | 100,557百万円 | 71,269百万円 | ↑ |
| セグメント経常利益(四半期累計) | 18,238百万円 | 10,491百万円 | ↑ |
事業詳細
銅箔(キャリア付極薄銅箔・プリント配線板用電解銅箔)、排ガス浄化触媒、機能粉(電子材料用金属粉等)、電池材料(水素吸蔵合金等)、レアマテリアル(高純度酸化タンタル・半導体装置保護膜材料等)、セラミックス製品、スパッタリングターゲット(ITO等)を製造・販売する。半導体パッケージ基板・AIサーバー向け多層基板・スマートフォン・二輪車等を主要顧客とし、前連結会計年度中の自動車セグメント子会社株式譲渡に伴う報告セグメント区分変更(自動車部品を分離)後も、グループの経常利益の柱として最大の利益貢献セグメントとなっている。
直近の概況
銅箔の販売量増加と価格改定で大幅増収増益
2027年3月期第1四半期の機能材料セグメントは、半導体市場の堅調さを背景に銅箔の販売量が増加したこと等により、売上高が前年同期比292億円(41.1%)増の1,005億円となった。経常利益は銅箔の販売量増加に加え、販売価格改定によるマージン改善等により、前年同期比77億円(73.8%)増の182億円と大幅増益となった。なお、自動車セグメントの子会社株式譲渡に伴い、報告セグメント区分が変更されている。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 半導体市場・AIサーバー市場の拡大によるキャリア付極薄銅箔・電解銅箔の販売量増加
- 販売価格改定によるマージン改善
- 積層セラミックコンデンサ向け電子材料用金属粉の堅調な需要
- インド向け二輪車排ガス浄化触媒の堅調な需要
- インジウム・パラジウム・ロジウム等貴金属価格の変動を反映した販売価格の上昇
- 半導体・AI関連需要の中長期的な拡大トレンド
- 先端材料の研究開発体制強化による新製品開発の加速
リスク
- 非鉄金属相場(インジウム・パラジウム・ロジウム等)の価格変動による在庫評価損リスク
- 為替相場(円高進行)による在外子会社売上高の円換算額減少リスク
- 半導体・スマートフォン市場の需要変動による銅箔・機能粉販売量の変動リスク
- 台湾・中国・マレーシア等アジア拠点への地政学的リスク(米中関係・日中関係の悪化)
- 米国の保護主義的通商政策による輸出規制・関税引き上げリスク
- ハイブリッド車から電気自動車へのシフトによる水素吸蔵合金需要の長期的減少リスク
- 海外パネルメーカーの現地調達進展によるディスプレイ用スパッタリングターゲットの販売量減少リスク
- 中東情勢緊迫化等に伴う資源・エネルギー価格変動リスク
金属セグメント
亜鉛・鉛・貴金属の製錬と資源リサイクルを担う基盤事業
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(セグメント計) | 98,277百万円 | 74,033百万円 | ↑ |
| 経常利益(セグメント利益) | 6,827百万円 | 3,329百万円 | ↑ |
事業詳細
亜鉛、鉛、銅、金、銀の製造・販売および資源リサイクル事業を展開する。神岡鉱業、彦島製錬、三池製錬、八戸製錬、パンパシフィック・カッパー等の製錬子会社・関連会社を通じ、国内外の製錬ネットワークを構築。LME相場・為替・在庫要因が収益に直結する市況連動型セグメントであり、循環型社会の進展に伴うリサイクルニーズへの対応を戦略的重点に位置づけている。
直近の概況
亜鉛等相場上昇と在庫要因好転で増収増益
当第1四半期の売上高は前年同期比242億円(32.7%)増加の982億円、経常利益は34億円(105.0%)増加の68億円となった。亜鉛等の非鉄金属相場の平均価格上昇に加え、亜鉛製錬の大規模定期修繕工事の影響があったものの、相場変動に伴う在庫要因が好転したことが増益に寄与した。2027年3月期通期の経常利益見通しは前回予想から110億円下方修正され265億円とされている。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 亜鉛・貴金属等の非鉄金属LME相場の上昇(当第1四半期は亜鉛・銅・インジウム価格が前年同期比上昇)
- 相場変動に伴う在庫要因の好転
- 製錬ネットワークを活用したリサイクル原料処理の強化・リサイクルニーズの拡大
- 循環型社会実現に向けた低炭素エネルギー活用による金属素材提供の拡大
- 新規取引先獲得による亜鉛国内販売量の維持・拡大
リスク
- 亜鉛・鉛・貴金属のLME相場下落リスク(収益が市況に直結する構造、パラジウム・ロジウムは当期に入り下落基調)
- 円高進行による採算悪化リスク
- 自動車生産・建築需要の低迷による亜鉛・鉛販売量の減少リスク
- 海外鉱石の調達条件悪化リスク
- 亜鉛製錬等の大規模定期修繕工事による一時的な収益悪化リスク(当第1四半期に発生)
- 地政学的リスク(中東情勢・米中関係)による資源・エネルギー価格変動および原料調達への影響
モビリティ
自動車用ドアロックを主力とする自動車部品セグメント(2025年度に消滅)
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(セグメント計) | 51,218百万円 | 95,829百万円 | ↓ |
| セグメント利益(経常利益ベース) | △849百万円 | 708百万円 | ↓ |
| セグメント資産 | -(期末時点で連結除外済み) | 78,212百万円 | ↓ |
| 減価償却費 | 1,943百万円 | 3,768百万円 | ↓ |
| 設備投資額(有形固定資産及び無形固定資産の増加額) | 1,120百万円 | 3,071百万円 | ↓ |
事業詳細
三井金属アクト株式会社が製造・販売する自動車用ドアロック(サイドドアラッチ)を主要製品とするセグメント。2025年4月1日付の組織改編により「モビリティ」から「自動車部品」へ名称変更。同社全株式を2025年11月4日に譲渡したため、当連結会計年度(2026年3月期)は2025年4月から9月までの6カ月実績のみ計上。2026年度より当セグメントは報告セグメントから消滅し、「機能材料」「金属」「その他の事業」の3セグメント体制へ移行。
直近の概況
三井金属アクト全株式を2025年11月譲渡、セグメントは2026年度より消滅
事業ポートフォリオの動的管理に伴うベストオーナー探索の一環として、自動車用ドアロックの製造・販売会社である三井金属アクト株式会社の全株式を2025年11月4日に譲渡。これに伴い当連結会計年度の売上高51,218百万円および経常損失849百万円は2025年4月〜9月の6カ月実績のみ。特別損失として関係会社株式売却損19,074百万円を計上。2026年度より報告セグメントから自動車部品セグメントは消滅し、3セグメント体制へ移行。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 該当なし(セグメントは2026年度より消滅)
リスク
- 三井金属アクト株式譲渡に伴う関係会社株式売却損19,074百万円の計上(2026年3月期特別損失)
- セグメント消滅により自動車部品事業に係る将来の収益貢献はなし
- 6カ月実績のみ計上による前期比較の歪み(売上高前期比46.6%減、経常損益15億円悪化)
その他の事業
産業プラントエンジニアリング・伸銅品等を手掛ける補完セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(外部顧客向け) | 25,290百万円 | 46,976百万円 | ↓ |
| 経常利益(セグメント利益) | 576百万円 | △536百万円 | ↑ |
事業詳細
三井金属グループの「その他の事業」セグメントは、各種産業プラントエンジニアリング、伸銅品、パーライト製品、ダイカスト製品、粉末冶金製品等を主軸とする。前連結会計年度期中に自動車セグメントの子会社株式を第三者へ譲渡した影響により、2027年3月期第1四半期は前年同期に比べ売上高が減少したが、持分法による投資利益の増加等により経常利益は黒字転換した。機能材料・金属の主力セグメントを補完する位置づけである。
直近の概況
自動車子会社譲渡影響で売上減も経常利益は黒字転換
2027年3月期第1四半期は、前連結会計年度期中に自動車セグメントの子会社株式を第三者へ譲渡した影響等により、売上高は前年同期の537億円から381億円へ155億円(28.9%)減少した。一方、持分法による投資利益の増加等により経常損益は前年同期の△5億円から5億円の利益へ転換し、11億円改善した。通期業績予想では、経常利益23百万円(前回予想8百万円から15百万円上方修正)、売上高1,380億円(前回予想比60億円増)と見直されている。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 国内グループ企業および海外向け大型工事案件の受注継続による産業プラントエンジニアリング部門の売上貢献
- 持分法適用会社からの投資利益の増加
- 事業ポートフォリオの動的管理(ベストオーナー探索)による資本効率改善
- 中期経営計画「25中計」における抜本的なキャッシュ創出施策の推進
リスク
- 子会社株式の第三者譲渡に伴う売上・利益の剥落リスク(前年同期に自動車部品セグメントの売上高245億円を含んでいたが、当期は含まれず)
- 国内非鉄金属関連分野のプラントエンジニアリング受注減少リスク
- セグメント利益率が依然として低水準であり、コスト上昇や需要減少に対する耐性が限定的
- 持分法投資利益への依存度が高まっており、持分法適用会社の業績悪化がセグメント利益に直接影響するリスク
最終更新: 2026年8月7日

