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三井金属株式会社

5706東証プライム非鉄金属

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三井金属株式会社5706

事業内容

三井金属株式会社(旧・三井金属鉱業)は1874年の神岡鉱山取得を起源とする非鉄金属素材メーカーで、子会社52社・関連会社10社を擁する。事業は「機能材料」「金属」「その他の事業」の3セグメントで構成(自動車部品は2025年11月の三井金属アクト全株譲渡により消滅)。

機能材料では半導体・AI向けキャリア付極薄銅箔・高周波基板用電解銅箔・電子材料用金属粉・スパッタリングターゲット等を製造・販売し、金属では亜鉛・鉛・金・銀の製錬と資源リサイクルを担う。台湾・マレーシア・中国・インド・東南アジア等にグローバル製造拠点を持ち、先端半導体から循環型社会まで幅広い産業を支える素材を供給している。

ビジネスモデル

金属製錬で培った素材技術を応用し、半導体・通信インフラ向け高機能材料を製造・販売することで高マージンを確保する。金属セグメントは亜鉛・貴金属のLME相場連動型収益とリサイクル原料処理による安定収益を組み合わせる。

機能材料セグメントは販売量増加と販売価格改定・販売構成最適化により利益率を向上させる構造で、2026年3月期の機能材料経常利益率は約20%に達した。研究開発費15,051百万円を投じ次世代材料を継続創出する。

企業の強み

キャリア付極薄銅箔「MicroThin™」と高周波基板用電解銅箔「VSP™」を台湾・マレーシア・中国・日本の複数拠点で製造。2026年3月期に高周波基板用電解銅箔の生産体制を増強し、2026年度以降の段階的追加増強も決定済み。

AIサーバー・半導体パッケージ基板向け需要を取り込み、機能材料セグメント売上高は前期比33.4%増の328,447百万円を達成した。

亜鉛・鉛・銅・金・銀の製錬プロセスを組み合わせた独自の製錬ネットワークを国内外に保有し、難処理鉱石・リサイクル原料からの有価金属回収を実現。循環型社会への移行に伴うリサイクルニーズ拡大に対応できる技術・処理能力を有し、金属セグメントは2026年3月期に経常利益75,085百万円を計上した。

2026年3月期末の自己資本比率は59.1%(前期比8.7ポイント上昇)、有利子負債のキャッシュ・フロー対比率は1.3年、インタレスト・カバレッジ・レシオは41.2倍に改善。三井金属アクト株式譲渡等による事業ポートフォリオ動的管理と借入金削減519百万円超の圧縮により、財務基盤が大幅に強化された。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益130,912百万円に対し、2027年3月期予想は91,000百万円(前期比△30.5%)。金属セグメント経常利益予想は75,085百万円から37,500百万円へほぼ半減の見通しで、亜鉛LME相場の実績2,968$/tに対し予想3,200$/tと上昇を見込むものの、2026年3月期に大きく寄与した在庫要因の好転が剥落することが主因とみられる。

外部要因として非鉄金属相場の動向が業績の振れ幅を大きく左右する構造は変わらず、予想の達成確度を見極める必要がある。

2026年3月期の機能材料セグメント経常利益は66,542百万円と前期比65.0%増を達成し、2027年3月期予想も67,000百万円と横ばい維持を見込む。高周波基板用電解銅箔の生産体制増強(2026年度以降の段階的追加増強決定済み)は設備投資支出の増加(2027年3月期投資活動CF支出予想900億円)を伴う。

AIインフラ投資の継続が市場環境として追い風となる一方、海外競合の増産動向や販売価格の持続性が中期的な収益性を左右する重要変数となる。

2025年11月に三井金属アクト(自動車用ドアロック)の全株式を譲渡し、自動車部品セグメントが消滅。事業ポートフォリオの集中化が進む一方、25中計でバイサイドM&A予算を原計画240億円から600億円へ拡大した。

全固体電池向け固体電解質(A-SOLiD®)の初期量産工場建設や機能性多孔体・ライフサイエンス等の新規テーマへのリソース配分強化が示されているが、これらの事業化・収益化の時間軸と投資規模の妥当性について、投資家は継続的な進捗確認が必要な局面にある。

成長戦略

機能材料を中核に据えた高付加価値化と、600億円M&A予算による事業ポートフォリオ変革

AIサーバー・通信インフラ向け多層基板需要の拡大に対応し、高周波基板用電解銅箔の生産体制を増強済み。2026年度以降の段階的追加増強も決定。積層セラミックコンデンサ向けアトマイズ銅粉の増強も決定し、機能材料セグメントの供給能力を継続的に拡大する。

次世代蓄電池として期待される全固体電池向け固体電解質の初期量産工場の建設工事を開始。2030年以降の事業の柱として育成する方針で、事業創造本部が推進。2025年10月には次世代半導体チップ実装用キャリア(HRDP®)を機能材料事業本部へ移管し、事業化を加速。

25中計の「大胆施策」として、バイサイドM&Aの予算枠を2026年度に原計画の240億円から600億円へ拡大。案件の創出と実行の両面で体制強化を進める。機能材料・金属の既存事業補完および新規事業領域への資源投入を加速させる方針。

ものづくり産業が集積し産官学連携・多様な技術人材を有する九州地域に「九州先端材料開発センター」を2026年4月に設立。事業部と連携した材料開発体制を構築し、AIインフラ・先端半導体関連分野の将来競争力向上につながる先端材料の創出を推進する。

資本効率を意識した経営強化の一環として、自動車用ドアロック製造・販売会社である三井金属アクト株式会社の全株式を2025年11月4日に譲渡。政策保有株式の一部売却も実施。2026年度より報告セグメントを機能材料・金属・その他の事業の3区分に集約し、高収益事業への資源集中を図る。

最終更新: 2026年7月19日