原材料・製商品の相場変動リスク
鉄スクラップや非鉄金属の価格は鉄鉱石・銅鉱石等の資源価格に連動するが、相場の急激な変化により契約内容によっては利益の減少や損失が発生する。実際に鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級)は第15期通期平均50,916円/トンから第16期通期平均42,732円/トンへと大幅に下落しており、在庫価値にも影響が及ぶ。仕入価格と販売価格の相場連動を基本としているが、急変時のタイムラグリスクを完全には排除できない。
業績変動リスク
相場変動・為替変動・原材料増減等の複合要因により業績が大きく変動する。第16期の経常利益は通期1,216百万円であるが、四半期別では第1四半期41百万円(通期比3.4%)から第3四半期632百万円(同52.0%)まで大きく偏在しており、季節性・相場依存度の高さが顕著である。売上高も第4四半期11,303百万円と他四半期比で落ち込むなど、収益の安定性に課題がある。
自然災害・火災・事故リスク
中核企業エコネコルの資源リサイクル工場は静岡県富士宮市(富士山麓)に立地しており、富士山噴火・南海トラフ巨大地震・気候変動による風水害のリスクにさらされている。船積みヤードを有するグループ各社では津波・風水害による製商品在庫への大規模被害も想定される。また主要設備であるシュレッダー(大型破砕機)は破砕資材からの発火・爆発リスクが比較的高く、長期停止となった場合は業績・財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。
法的規制・コンプライアンスリスク
廃棄物処理法・建設業法・環境関連法・外国為替法・贈賄防止法令など広範な法規制が適用される。事業停止命令や許認可取消処分を受けた場合、または環境関連法・製造物責任法に基づく損害賠償が発生した場合には業績・財政状態に重大な影響が生じる。国内外での予期せぬ法令制定・改廃や規制の大幅変更により既存事業が制限される可能性もある。
カントリー・地政学リスク
海外売上高比率が高く輸出・三国間貿易を実施しており、オランダ支店・イギリス支店・ベトナム駐在所等を有する。取引先各国の経済情勢悪化、貿易・通商規制の変更、政変・戦争・感染症流行等が業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。特定販売先リスクとも連動しており、上位3社(国内・韓国・ベトナムの鉄鋼メーカー)の売上高比率は24.55%に達する。
有利子負債・金利変動リスク
2025年6月期末の有利子負債は7,735百万円であり、総資産に対する割合は24.7%となっている。今後の経済情勢・金融環境の変化や市中金利の上昇により、財務コストが増加し業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。財務バランスを総合的に勘案する方針としているが、金利上昇局面では借入コストの増大が収益を圧迫するリスクがある。
情報セキュリティ・サイバー攻撃リスク
個人情報や取引先機密情報を保有しており、紛失・破壊・漏洩が生じた場合は社会的信用の低下や損害賠償責任が発生する。また想定防御レベルを上回るサイバー攻撃により社内システムが停止し、一定期間の事業停止と対応費用の負担が生じる可能性がある。デジタル化推進委員会を設置し情報管理規程の整備・周知を図っているが、脅威の高度化に対して完全な防御は困難である。
M&A戦略・シナジー未発現リスク
事業拡大手段としてM&Aを積極活用しているが、詳細なデューデリジェンスを実施しても買収後に偶発債務や未認識債務が判明するリスクがある。また対象会社が外部環境変化等により当初期待どおりの成果を上げられない場合、業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。のれんや固定資産の減損損失計上リスクとも連動しており、グループ全体の財務健全性に影響しうる。
ダスト処理費上昇リスク
資源リサイクル処理工程で発生するダスト(再生処理不能廃棄物)は管理型最終処分場または焼却処分場に出荷されるが、市場環境悪化により受け入れ制限が生じた場合、処理費の上昇や遠隔地輸送コストの増加が発生する。さらに事業場のダスト保管容量の制約から生産量が制限される可能性もあり、業績・財政状態への影響が懸念される。廃棄物処理事業特有のコスト構造リスクとして継続的な管理が必要である。
気候変動・脱炭素移行リスク
TCFD提言に沿ったリスク・機会の特定と情報開示に取り組んでいるが、炭素税の導入や再生可能エネルギー電力への切り替えに伴う経費増大が脱炭素移行リスクとして顕在化しうる。気候変動による自然災害増加という物理的リスクに加え、新たな環境規制の導入や市場・情勢の変化が業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。富士山麓・沿岸部に主要拠点を有することから物理的リスクの地理的集中度も高い。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

