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株式会社エンビプロ・ホールディングス

5698東証スタンダード鉄鋼業

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株式会社エンビプロ・ホールディングス5698

事業内容

エンビプロ・ホールディングスは1950年創業の鉄スクラップ問屋を源流とする純粋持株会社で、連結子会社11社・持分法適用関連会社2社を擁する。主力の資源循環事業では工場・解体現場等から排出される金属スクラップ・産業廃棄物を収集処理し、鉄スクラップ・非鉄金属・プラスチック・ゴム等のリサイクル資源を生産。

グローバルトレーディング事業が国内外への販売・物流代行を担い、リチウムイオン電池リサイクル事業がEV普及を背景に成長する。販売先は大手電炉・高炉メーカー、非鉄商社・精錬メーカー等に及び、ベトナム・英国・オランダに海外拠点を持つ。

2025年9月には東京証券取引所スタンダード市場に移行している。

ビジネスモデル

廃棄物の収集運搬・中間処理(せん断・破砕・選別等)でリサイクル資源を生産し、グローバルトレーディング事業を通じて国内外に販売する垂直統合モデルを基本とする。資源循環事業が原料調達・加工を担い、グローバルトレーディング事業が販売・物流代行で収益を積み上げる構造。

金属相場に連動した販売価格変動が業績を左右するため、相場感応度の低いプラスチック燃料化・ゴムチップ販売・物流代行サービス等で収益の安定化を図っている。

企業の強み

高度な物理選別設備・プロセス・ノウハウ、全国複数拠点と海外を含む流通ネットワーク、解体から資源循環までの一貫サービスを有し、静脈サプライチェーン全体でトレーサビリティを確保。大手電炉・高炉メーカーや非鉄商社等の安定顧客基盤を持つ。

2018年設立のVOLTAを中核に、レアメタル相場が前期比低水準の逆風下でも茨城工場の本格稼働と加工受託量増加により2025年6月期に売上高1,693百万円・セグメント利益223百万円と増収増益を達成。生産量は前期比35.5%増と拡大した。

2025年6月期の営業活動によるキャッシュ・フローは3,469百万円(前期2,940百万円から増加)。棚卸資産圧縮1,717百万円と減価償却費1,369百万円が寄与。同期に自己株式取得788百万円を実施しつつ純資産17,309百万円を維持し、負債合計を前期比2,758百万円削減した。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計は売上高32,657百万円(前年同期比13.6%減)と減収ながら、営業利益2,163百万円(同152.1%増)、経常利益2,422百万円(同144.4%増)と大幅増益を達成。グローバルトレーディング事業での取引形態変更による形式上の減収と、構造改革によるスプレッド改善・高付加価値品比率向上が同時進行しており、売上規模より収益の質が改善していることを示す。

通期業績予想(売上高43,000百万円、営業利益2,300百万円)に対し第3四半期累計で営業利益の94%を達成しており、通期予想の上振れ余地が注目される。

外部要因として、銅・金・銀の史上最高値圏推移やリチウム・コバルトの上昇転換が今期の増益を大きく後押しした。一方、イランによるホルムズ海峡事実上の封鎖がグローバルトレーディング事業のドバイ向け貨物に影響を与えたように、地政学リスクが業績に直接波及する構造は変わっていない。

鉄スクラップ価格は中国の鋼材需要低迷による安価な半製品輸出増がアジア市況を圧迫しており、円安水準の継続が下支えとなっているものの、為替・相場の反転局面では収益が急速に悪化するリスクを内包する。

中期経営計画の取り下げ以降、定量的な中長期目標が示されていない点は投資家にとって評価の難しさを残す。ただし、2026年6月期第3四半期累計において販売費及び一般管理費が4,888百万円(前年同期比14.2%減)と大幅削減され、売上総利益率が17.3%(前年同期16.6%)へ改善するなど、構造改革の成果が財務数値に具体的に表れ始めた。

自己資本比率54.4%、純資産18,410百万円と財務健全性も維持されており、LIBリサイクル事業への積極投資継続と財務規律の両立が今後の評価ポイントとなる。

成長戦略

サーキュラーエコノミー3重要戦略事業の推進と資源価格変動に左右されにくい事業体質の構築

独自の物理選別技術を継続的に深化させ、非鉄金属・貴金属(金銀滓等)の高付加価値品回収・販売を強化。焼却灰からの金銀滓回収事業など重要戦略事業を推進し、大手メーカー向け営業強化による原材料確保も進展。

2026年6月期第3四半期累計でセグメント利益1,736百万円(前年同期比90.4%増)を達成し、成果が顕在化している。

取引形態の変更に伴う収益認識基準の適用により形式上は大幅減収となったが、新販路・商材の開拓とスプレッド(利幅)改善により収益性が大きく向上。2026年6月期第3四半期累計でセグメント利益487百万円(前年同期比153.4%増)と大幅増益を達成。

物流代行サービスでは需給バランス管理による適正価格提供を継続。

加工受託案件を中心に取扱量を拡大し、茨城工場を核とした生産能力増強に向けた積極的な設備投資を継続。2026年6月期第3四半期累計で売上高1,773百万円(前年同期比46.2%増)、セグメント利益491百万円(同210.8%増)と急成長。

EV普及に伴う使用済みLIB排出量の構造的増加を取り込む国内シェア拡大を目指す。

価値の提供方法を多様化することで相場感応度を低減する事業体質への転換を推進。SGA削減(2026年6月期第3四半期累計で4,888百万円、前年同期比14.2%減)や取引条件の適正化など構造改革の成果が財務数値に反映され始めており、収益の質的改善が進行中。

最終更新: 2026年7月17日