事業内容
日亜鋼業は1908年創業の線材加工製品総合メーカーで、普通線材製品(めっき鉄線・フェンス・落石防護網)、特殊線材製品(硬鋼線・鋼索・めっき鋼線)、鋲螺線材製品(高力ボルト)の3事業を主軸とする。主要顧客は公共土木・建築・自動車・電力通信産業と幅広く、連結子会社ジェイ-ワイテックス㈱・滋賀ボルト㈱・太陽メッキ㈱等を含む8社グループで事業を展開。
東西製造拠点(兵庫・茨城等)を有し、短納期デリバリーを強みとする。2026年3月期の連結売上高は33,793百万円。
ビジネスモデル
自社のめっき・成形加工技術を活かした高付加価値製品(ナンバーワン・オンリーワン商品)を製造し、製販技一体のソリューション営業で需要家に直接提案する。原材料コスト上昇分は販売価格転嫁で吸収しつつ、生産コスト改善・物流効率化の自助努力で収益を確保。
不動産賃貸(営業利益率約61%)が安定収益源として機能し、グループ子会社との一体運営でシナジーを追求する構造。
企業の強み
めっき・成形加工の高度な技術に裏付けられたナンバーワン・オンリーワン商品を有し、補強土壁「ハイパープレメッシュ」等の差別化製品を需要家と共同開発してきた実績を持つ。兵庫・茨城等の東西製造拠点から短納期デリバリーを実現し、製販技一体のソリューション営業を展開している。
2026年3月期末の自己資本比率は73.1%、有利子負債/自己資本(D/Eレシオ)は0.04倍と財務健全性目標(0.3倍以下)を大幅に上回る水準を達成。純資産合計57,206百万円、現金及び現金同等物7,356百万円を保有し、設備投資や事業拡大に対応できる財務的余力を有する。
2026年3月期は売上高が前期比333百万円減収の中、販売価格改善とコスト削減策により営業利益は前期比82百万円(6.1%)増益を達成。減価償却前営業利益率8.4%・経常利益率10.8%と自社設定目標値(各8%・10%)をいずれも達成しており、コスト転嫁と自助努力の組み合わせによる収益管理能力が実績として示されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期34,075百万円をピークに4期連続で微減傾向(2026期33,793百万円、前期比△1.0%)。国内鉄鋼需要の低調・建築土木分野の低迷が数量を押し下げる外部要因として継続している。
一方、営業利益は販売価格改善とコスト削減により2026期1,432百万円(前期比+6.1%)と2期連続増益。経常利益も2,229百万円(+4.2%)と改善。
純利益はタイ関係会社整理損(1,017百万円)という一過性特別損失で1,017百万円(△4.5%)に留まったが、2027期予想は1,200百万円(+17.9%)と一過性要因剥落後の回復を見込む。包括利益は投資有価証券評価差額金の大幅改善(+1,957百万円)により2,986百万円と前期760百万円から大幅増加。
成長戦略
販価転嫁完遂・差別化商品拡販・基幹システム刷新・自己株取得による総還元50%以上
人件費・物流費・副原料費等の上昇分を販売価格に転嫁し収益を確保する。2026年3月期は普通線材・特殊線材で販価改善効果が数量減を上回り増益を実現。2027年3月期も主副原料価格の大幅上昇が見込まれる中、転嫁継続が収益維持の最重要施策。
補強土壁「ハイパープレメッシュ」等の差別化商品や、めっき・成形加工技術を活かしたナンバーワン・オンリーワン商品の展開により、価格競争に依存しない収益構造を強化する。電力通信分野等の成長市場への対応も推進。
2026年3月期にソフトウエア仮勘定が353百万円から1,104百万円へ大幅増加し、システム投資が本格化。有形・無形固定資産増加額の調整額2,319百万円のうちシステム更新等が大部分を占める。業務効率化・意思決定高度化による経営基盤強化を目指す。
2026年3月期は自己株式取得691百万円+配当450百万円で総還元1,141百万円(純利益比約112%)を実施。2026年5月に追加取得枠(上限500,000株・200百万円)を決議。年間配当10円(2027年3月期予想も同額)を維持しつつ機動的な資本政策を継続。
タイ関係会社TSN Wires Co., Ltd.の全株式譲渡により不採算海外事業を整理済み。国内子会社との製販技一体運営によるコスト低減・品質向上シナジーを追求し、グループ全体の収益力向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

