事業内容
株式会社メタルアートは1943年創業の精密型打鍛造品専業メーカーで、滋賀県草津市に本社・主力工場を置く。自動車部品(売上高の83%)を中核に、建設機械・農業機械・その他部品を製造販売する。
主要顧客はダイハツ工業(売上高の32.2%)、トヨタ自動車(同13.5%)で、トヨタグループへの依存度が高い。鍛造から機械加工・熱処理までの一貫生産体制を有し、インドネシア子会社PT.METALART ASTRA INDONESIAを通じた海外展開も行う。
2025年4月にはグループ会社メタルフォージを吸収合併し、事業構造の一体化を推進している。
ビジネスモデル
顧客から受注した精密型打鍛造品を、鍛造・機械加工・熱処理の一貫工程で製造し納入する受注生産モデル。売上高は45,289百万円(2026年3月期)で、原価低減活動と資源価格・労務コストの価格転嫁推進により営業利益率8.6%を確保。
設備投資は3,481百万円を実施し、生産能力の維持・拡充と省力化投資を継続している。
企業の強み
鍛造・機械加工・熱処理を自社内で完結させる一貫生産体制を構築しており、完成部品としての供給が可能。この体制はHEV・BEV向け部品や産業用ロボット部品など新分野への展開基盤にもなっており、競合が短期間で模倣困難な製造能力として機能している。
ダイハツ工業への販売高は14,576百万円(売上高比32.2%)、トヨタ自動車は6,111百万円(同13.5%)と、トヨタグループ2社で売上高の約46%を占める。長年の取引実績に基づく安定的な受注基盤は、需要変動時の下支えとして機能している。
2024年5月に経済産業省の「DX認定」を取得(2026年5月に更新審査完了)。AI活用自動検査の導入、ロボット・AGVによる省人化ライン構築、2025年度稼働の新検査工場など、具体的な生産技術革新の実績を積み上げており、製造現場の競争力向上につながっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期44,238百万円をピークに2025期43,954百万円まで微減した後、2026期は45,289百万円(前期比3.0%増)と回復。営業利益は2024期2,921百万円を底に2025期2,995百万円、2026期3,905百万円と2期連続改善し、過去5期で最高水準に達した。
原価低減徹底とエネルギー・労務コストの価格転嫁推進が収益改善の主因。外部要因として国内自動車需要の底堅さと建設機械・農業機械の底打ちが追い風となった。
一方、2027年3月期は電動化シフトによる部品生産終了と米国通商政策の不確実性を背景に、営業利益2,410百万円(前期比38.3%減)と大幅な減益を予想しており、トレンドの反転が見込まれる。
成長戦略
Gerbera holdingsによる完全子会社化を通じた非上場環境での事業再構築
2026年5月14日付で公開買付けへの賛同・応募推奨を決議。公開買付者による完全子会社化を通じ、上場維持コストや短期業績プレッシャーから解放された環境での中長期的な事業構造変革を企図している。2027年3月期は無配とし、キャッシュを事業再構築に充当する方針。
グループ全体での徹底した原価低減活動とエネルギー・労務コスト上昇分の価格転嫁推進を継続。2026年3月期に営業利益率8.6%(前期6.8%)を達成し、施策の効果が数値に表れた。2027年3月期は売上減少局面での収益維持が課題となる。
連結子会社の株式会社メタルフォージを連結範囲から除外(吸収合併)し、グループの一体的な事業運営体制を構築。製造・販売機能の統合による機動的な対応力強化と固定費削減効果を狙う。
電動化シフトに伴う一部部品の生産終了を見据え、新規顧客・新規部品の拡販を推進。2026年3月期のその他部門は前期比27.9%増の1,494百万円と高成長を達成。ただし自動車部品全体では電動化の影響が2027年3月期以降に本格化する見通し。
最終更新: 2026年7月19日

