事業内容
日本製鋼所グループは、樹脂製造・加工機械、射出成形機、防衛関連機器、電子デバイス関連機器を手掛ける産業機械事業と、発電・原子力向け鋳鍛鋼部材・クラッド鋼板等を製造する素形材・エンジニアリング事業を主軸とする。連結子会社32社を含むグループ全体で売上高274,852百万円(2026年3月期)を計上。
主要顧客は防衛装備庁(同期売上高30,471百万円、構成比11.1%)をはじめ、国内外の電力会社、自動車・電子部品メーカー等に及ぶ。1907年創業の老舗重工企業として、室蘭・広島・横浜の主要製作所を擁し、グローバルに販売・サービス網を展開している。
ビジネスモデル
産業機械・素形材の両事業とも受注生産が基本であり、期末受注残高431,477百万円(前期比8.7%増)が将来売上の可視性を高める。産業機械事業では製品販売に加えアフターサービス・保守サービスが収益を補完し、素形材事業では高付加価値の大型鍛鋼部材が約19.4%の高営業利益率を実現。
防衛・エネルギー・半導体向けの複数需要源を持つことで景気変動への耐性を確保している。
企業の強み
2026年3月期末の連結受注残高は431,477百万円(前期比8.7%増)に達し、産業機械事業360,910百万円・素形材事業70,246百万円がそれぞれ前期比6.5%・21.4%増と積み上がっている。この受注残高は年間売上高の約1.6倍に相当し、中期的な売上計上の確実性を裏付ける自社固有の競争優位である。
防衛関連機器ではBAE SYSTEMS・Northrop Grumman等との技術受入契約に基づく国内独占製造権を保有。電子デバイス分野ではFPD向けELA装置等を手掛けるJSWアクティナシステムを擁し、素形材では大型鍛鋼部材の製造技術を蓄積する。
「溶かす・混ぜる・固める」のコア技術が三分野に横断的に適用可能な点が競合との差別化要因である。
素形材・エンジニアリング事業は2026年3月期に売上高45,795百万円に対し営業利益8,874百万円(営業利益率約19.4%)を計上した。大型鍛鋼部材は参入障壁が高く、受注高は前期比17.8%増の58,184百万円、受注残高も70,246百万円(前期比21.4%増)と積み上がっており、高収益構造の持続性が確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の微減を経て2025年3月期248,556百万円、2026年3月期274,852百万円と加速的に拡大。営業利益は2023年3月期の13,846百万円を底に回復基調が続き、2026年3月期25,306百万円は過去5期で最高水準。
営業利益率は9.2%と前期並みを維持。外部要因として防衛需要の急拡大(防衛関連機器売上高前期比45.6%増)とAI/データセンター普及に伴う電力関連投資拡大が業績を牽引。
一方、営業CFは△16,893百万円と2期連続マイナスで、運転資金増加と設備投資拡大(固定資産取得23,693百万円)が資金を圧迫している。
成長戦略
中計「JGP2028」で2034年3月期売上高5,000億円規模を目指し防衛・エネルギー需要を取り込む
国の防衛力強化方針のもと防衛関連機器の需要が高水準に推移。2026年3月期売上高46,930百万円(前期比45.6%増)を達成し、受注残高も積み上がっている。中期的に高水準の売上計上が継続する見通し。
2026年4月1日付でM&E社を吸収合併し一体運営体制を確立。高効率火力・原子力向け素形材製品の旺盛な需要を背景に受注残高70,246百万円(前期比21.4%増)を積み上げ。設備投資6,306百万円(前期比38.7%増)で生産能力を拡大中。
2029年3月期における財務目標達成に向け、マテリアリティ解決と持続的企業価値向上を推進。2027年3月期予想売上高310,000百万円は中計目標への着実な進捗を示すが、受注回復と運転資金管理の改善が課題。
低炭素社会実現・プラスチック資源循環社会に向けた各種プラスチック加工機械の底堅い需要を見込む。米国関税政策による投資遅延が短期的な逆風となっているが、グローバル販売・サービス網を活用した成形機の海外展開を継続推進。
最終更新: 2026年7月19日

