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日本鋳造株式会社

5609東証スタンダード鉄鋼業

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日本鋳造株式会社5609

事業内容

日本鋳造は1920年創業の鋳造専業メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。事業は「鋳造関連事業」の単一セグメントで構成され、素形材(鋳鋼品・鋳鉄品)とエンジニアリング(橋梁用支承・伸縮装置・建築物用柱脚等の鋼構造品)の2領域を展開する。

主要顧客は半導体製造装置メーカー、鉄道・道路インフラ事業者、物流施設デベロッパー等多岐にわたる。JFEスチールが議決権36.2%を保有するその他の関係会社であり、銑鉄・鋼屑等の原材料調達でも関係を持つ。

2025年7月に連結子会社の株式会社ダットを吸収合併し、現在は単体決算で開示している。

ビジネスモデル

受注生産を基本とし、素形材領域では半導体製造装置向け鋳鋼品や独自低熱膨張材LEX®等の高付加価値品を製造・販売する。エンジニアリング領域ではドイツ・マウラー社からの技術導入を活用した橋梁用伸縮装置や、独自開発の支承補強構造等を提供する。

収益は販売価格改定と合理化施策の両輪で改善を図り、設備投資によるリードタイム短縮・コスト削減で利益率向上を目指す構造である。

企業の強み

独自開発の低熱膨張材LEX®を保有し、半導体製造装置向け鋳鋼品で高い技術的差別化を実現している。2026年度には大幅増産対応を計画しており、2025年度下期に受注が大幅増加した実績が技術力の裏付けとなっている。

さらに「半導体向け開拓開発プロジェクト」を2025年9月に新設し、新材料開発を継続している。

既設支承への補強構造取り付けによる耐震性能向上技術を独自開発し、土木学会田中賞を受賞している。ドイツ・マウラー社との技術導入契約(2044年まで)により大型伸縮装置の製品ラインナップも保有する。エンジニアリング領域の受注残高は4,025百万円(2026年3月期末)に達している。

2018年より金属3Dプリンター研究開発を継続し、積層造形品を鋳包み材として用いる独自鋳造方法を特許化している。2025年4月に「3Dプリンター活用推進チーム」を新設し、2026年4月には国内最大級の金属3Dプリンターを導入予定。研究開発費は271百万円(2026年3月期)を投じている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は半導体製造装置向け鋳鋼品の受注が下期から大幅増加し、受注高は素形材だけで8,506百万円に達した。しかし増加受注に基づく出荷は2027年3月期となるため、当期売上への貢献は限定的。

外部要因としてAI関連需要の旺盛さは追い風だが、長いリードタイムゆえに業績への反映には時間差が生じる構造的特性に留意が必要。

2026年3月期の経常利益は584百万円(前期比83.8%増)と大幅改善に見えるが、株式会社ダット吸収合併に伴う受取配当金200百万円が営業外収益に計上された一過性要因が大きい。これを除いた実質的な経常利益は約384百万円程度とみられ、本業の収益力改善は緩やかにとどまっている点を投資家は識別すべきである。

2023年9月操業終了の池上地区について、解体撤去費用180百万円・減損損失242百万円・棚卸資産廃却損15百万円の計437百万円を特別損失に計上。これにより税引前当期純利益は140百万円にとどまり、当期純利益は154百万円(前期比19.8%減)となった。

一方、資産除去債務の計上により将来の原状回復コストが財務諸表に織り込まれ、潜在的な不確実性は低下した。

成長戦略

AI・半導体需要の取り込みと合理化・価格改定で増収増益への転換を目指す

AI関連需要を背景とした半導体製造装置向け鋳鋼品の受注急増に対応し、増産体制を適切に整備。2026年3月期下期から受注が大幅増加しており、2027年3月期の素形材部門売上拡大の主要ドライバーと位置付けられている。

物流費・外注費・資材費等のコスト合理化と販売価格改定を継続推進。2026年3月期は計画通りに進捗し、売上総利益は前期とほぼ同水準の1,852百万円を確保。2027年3月期も業務提携推進と合わせて利益率改善を図る方針。

2026年3月期に大型金属3Dプリンターの設置およびシステム化投資を実施。生産工程の高度化・効率化により品質向上と原価低減を目指す。老朽更新投資と合わせた設備投資総額は509百万円(有形固定資産取得)。

2025年7月1日付で連結子会社の株式会社ダットを吸収合併し、非連結単体経営体制に移行。合併に伴い現金同等物250百万円を取得。管理コスト削減と意思決定の迅速化による経営効率向上を図る。

最終更新: 2026年7月19日