S&J株式会社 logo

S&J株式会社

5599東証グロース情報通信業

S&J株式会社 logo
S&J株式会社5599

事業内容

S&J株式会社は2008年創業のサイバーセキュリティ専業企業。大企業・中堅企業を主要顧客とし、セキュリティアドバイザー・インシデント対応・脆弱性診断等を提供するコンサルティングサービスと、自社開発SIEM「SOC Engine」・クラウド型EDR「KeepEye®」・AD監視等を活用した24時間365日体制のSOCサービスを両輪として展開する。

SIer等の販売代理店網も活用し、中小企業向けにも国産・低コストの製品・サービスを提供。2023年12月に東京証券取引所グロース市場へ上場。

ビジネスモデル

売上の大半は年間契約を基本としたストック型収益で構成され、2026年3月期末のARRは2,134,256千円(前期比18.4%増)、契約負債残高は599百万円超。既存顧客への継続サービスで高い継続率を維持しつつ、インシデント対応等のスポット案件をコンサルティングサービスで取り込み、その顧客をSOCサービスへ誘導する循環モデルを構築。

マクニカ・ソフトクリエイト等の代理店経由でも販路を拡大している。

企業の強み

年間契約を基本とするストック型収益モデルにより、2026年3月期末ARRは2,134,256千円(前期比18.4%増)を達成。契約負債残高も前期比43,473千円増加し、受注残高は合計1,695,415千円(前期比47.3%増)と将来売上の可視性が高い。

高い顧客継続率が安定的な収益基盤を形成している。

SOC Engine(自社開発SIEM)、KeepEye®(クラウド型EDR)、S&J AD Agent®(AD監視エージェント)など複数の自社開発製品を保有。大企業向けコンサルティングで蓄積した知見を製品・サービスに還流させる仕組みを持ち、他社SIEMやEDR製品の運用にも対応できる技術的柔軟性を有する。

2026年3月期の売上高営業利益率は23.8%(前期21.6%から改善)。金融機関からの借入がなく、現金及び現金同等物残高は2,249,429千円。自己資本比率71.2%と財務基盤は堅固で、内部留保による自律的な成長投資が可能な体制を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高20.1%増・営業利益32.2%増と増収増益を達成した一方、2027年3月期の会社予想は売上高17.4%増・営業利益11.5%増・当期純利益0.1%増と利益成長の鈍化が示されている。売上成長に対して利益成長が大幅に下回る予想は、人材採用・技術投資等の先行費用増加を示唆しており、費用コントロールの実績を注視する必要がある。

外部要因として、大手企業へのサイバー攻撃の深刻化・ランサムウェア被害の頻発を背景に情報セキュリティIT投資は企業規模・業種を問わず増加傾向にあり、需要環境は引き続き良好。一方、同市場の成長性は大手ITベンダーや新興セキュリティ企業の参入を促しており、競争激化リスクは高まっている。

専門人材の採用・育成が事業拡大の律速要因であり、販管費の増加ペースが2027期予想に反映されているとみられる。

2026年3月期に初めて期末配当15円(配当性向20.6%)を実施し、2027年3月期は17円(配当性向23.3%予想)へ増配を予定。加えて当期は自己株式取得に354百万円を投じており、株主還元に対する経営姿勢の転換が明確になった。

ただし、自己株式の処分(収入78百万円)も同時に行われており、ストックオプション行使等との関係を含めた資本政策の全体像を継続的に確認する必要がある。

成長戦略

ARR積み上げ・新規サービス拡充・営業力強化の三位一体で成長加速を目指す

KeepEye®等の自社開発製品を活用した新規顧客獲得を継続推進。2026年3月期のSOCサービス売上高は1,767百万円(前期比22.6%増)と主力サービスとして着実に拡大しており、2027期も引き続き新規案件獲得を成長の主軸に据える。

不審メール訓練支援・セキュリティインシデント対応を中心に案件を獲得。2026年3月期のコンサルティング売上高は565百万円(前期比13.0%増)。SOCサービスへの誘導機能も担い、顧客深耕の入口として位置づける。

顧客ニーズの細かな把握と技術向上、コーポレートブランドの強化および人材採用を継続推進。2027期の販管費増加予想は先行投資の反映とみられ、中長期的な成長基盤の整備を優先する方針。

2026年3月期に初配当(期末15円)を実施し、2027年3月期は17円への増配を予定(配当性向23.3%)。自己株式取得も積極的に実施しており、成長投資と株主還元を両立する資本政策を推進。

最終更新: 2026年7月19日