事業内容
株式会社グリッドは「INFRASTRUCTURE+LIFE+INNOVATION」を企業理念に掲げ、電力・エネルギー、物流・サプライチェーン、都市交通・スマートシティの社会インフラ3分野に特化したAI計画最適化サービスを提供する。機械学習・強化学習・数理最適化を組み合わせた独自のAlgorithm MIXと、デジタルツインテクノロジーを搭載したReNom APPSを核に、コンサルティングからAIエンジン開発・システム実装・運用サポートまでを一貫提供する。
主要顧客は北海道電力・四国電力をはじめとする大手電力会社や鉄道会社・物流大手など社会インフラを支える大手企業であり、2023年7月に東京証券取引所グロース市場に上場した。
ビジネスモデル
顧客のコア業務である計画業務をAIで最適化するシステムを開発・実装し、その後の運用・サポートをストック型売上として継続受領する。2025年6月期のストック型売上比率は24.7%。
スイッチングコストが高い業務基幹システムを提供することで既存顧客売上比率83.4%を実現し、アップセル・クロスセルによりCLTV(顧客生涯価値)を最大化する構造を持つ。
企業の強み
数理最適化・機械学習・強化学習を組み合わせたAlgorithm MIXと、デジタルツインテクノロジーを搭載したReNom APPSを独自開発。2017年より量子アルゴリズム研究も継続し複数特許を出願。高度な技術要件が一般ITベンダーの参入を阻む構造となっている。
2025年6月期の既存顧客売上比率は83.4%(1,720百万円)。取引先数は43社(前期比26.5%増)、AI開発・システム開発・運用サポート3区分での顧客平均売上は54.9百万円(前期比10.3%増)。北海道電力・四国電力など大手電力会社を中心に安定した顧客基盤を構築している。
2025年6月期の営業利益率は20.8%、営業キャッシュフローは405百万円(前期285百万円から増加)。現金及び現金同等物は3,197百万円、負債477百万円に対し純資産3,940百万円と財務健全性が高い。3行合計900百万円の当座貸越枠も未使用で流動性余力が大きい。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高の推移は2023期1,354百万円→2024期1,652百万円→2025期2,063百万円→2026期3Q累計1,951百万円と4期連続増収を継続。一方、営業利益率は2024期22.2%→2025期20.7%→2026期3Q累計15.9%と低下傾向が鮮明であり、エンジニア・営業管理部門の積極採用に伴う人件費増加(製造費用656百万円・販管費378百万円)が主因。
外部環境として生成AI普及に伴うデータセンター・半導体工場新増設による電力需要増大(2035年度までに568億kWh増加見通し)が売上成長の追い風となっている。通期予想(売上高3,100百万円・営業利益450百万円)に対する進捗は概ね順調だが、利益率の回復には採用ペースの調整が鍵となる。
成長戦略
電力・都市交通・エネルギーマネジメント3分野拡大とストック型売上比率向上
予算規模の大きい電力会社からの追加受注・本番導入開発を継続的に推進。2026年6月期第3四半期累計で電力分野売上1,041百万円(前年同四半期比14.5%増)を達成し、売上全体の5割超を占める中核事業として確立。
鉄道会社案件を中心に都市・交通分野の売上が急伸。2026年6月期第3四半期累計で351百万円(前年同四半期比164.1%増)を計上し、売上全体の約2割を占める第2の柱に成長。フロー型257百万円・ストック型93百万円の両輪で拡大中。
電力系統接続申請支援を中心に2026年6月期第3四半期累計で160百万円(前年同四半期はなし)を計上し新規分野として立ち上げ完了。第4四半期には開発案件への着手を見込んでおり、通期予想達成の鍵となる分野。
運用・サポート契約(ストック型)の積み上げにより収益安定性を向上。電力分野172百万円(前年同四半期比36.0%増)、製造・運輸分野234百万円(同20.1%増)、都市・交通分野93百万円(同83.8%増)と全分野でストック型が拡大中。
優秀なエンジニアの採用を継続し、2026年6月期第3四半期末時点でエンジニア89名(前年同四半期比25.4%増)・営業管理44名(同33.3%増)を達成。事業拡大に向けた先行投資として人件費増加を許容しながら体制を整備中。
最終更新: 2026年7月17日

