事業内容
株式会社ジェノバは、GPS等のGNSS衛星測位で生じるメートル級の誤差をセンチメートル級に補正するデータをリアルタイム配信する専業企業。国土地理院が全国に設置した約1,300点の電子基準点(GEONET)を活用し、仮想点方式(VRS)および電子基準点方式でネットワーク型RTK-GNSSサービスを提供する。
主要顧客は測量・土地家屋調査・ICT土木・IT農業・ドローン・航空測量の6分野に従事する事業者。2002年の事業開始以来、国内唯一に近い全国規模の補正情報配信インフラを構築し、2023年4月に東京証券取引所グロース市場に上場した。
ビジネスモデル
売上の大半(2025年9月期:1,331百万円、全体の97.4%)はデータ配信サービスで構成され、従量プラン・定額プラン・年間契約プランの複数料金体系を提供する。初回登録料に加え、継続的な契約収入が積み上がるストック型構造。
残りは通信機器販売(35百万円)。設備投資は主にサーバー増強に限定され、限界費用が低い高収益モデルを実現。
2025年9月期の営業利益率は56.6%に達する。
企業の強み
国土地理院のGEONET全約1,300点を活用し、観測位置から最寄り3点を自動選定するVRS方式を採用。業界最多水準の電子基準点密度により高精度・低バラツキの補正データを提供。配信データは「測地成果2024」に整合し、公共測量に直接利用可能な品質を担保している。
売上高は2023年9月期1,206百万円→2024年9月期1,265百万円→2025年9月期1,367百万円と増収を継続。営業利益も651百万円→695百万円→774百万円と拡大し、2025年9月期の営業利益率は56.6%。
当期純利益も444百万円→482百万円→543百万円と3期連続で過去最高を更新した。
リアルタイムデータ配信の期末契約数は第21期(2021年9月)7,393件から第25期(2025年9月)9,348件へと5年間で26.4%増加。単一の重要経営指標として管理されており、測量・ICT土木・IT農業等の多分野への利用拡大が契約数の着実な積み上げを支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期1,206百万円→2024期1,265百万円→2025期1,367百万円→2026年9月期中間期715百万円(前年同期比4.8%増)と増収基調を維持するも、成長率は鈍化傾向。営業利益は中間期406百万円(同3.3%増)と増益を確保したが、売上原価がサーバーリプレイス・商品仕入増により前年同期比20.7%増加し、売上総利益率は83.5%から81.0%へ低下した。
販管費削減(176百万円→174百万円)が一定の下支えとなった。外部要因として市場金利上昇・保有投資有価証券の利息収入増加により営業外収益が4百万円→9百万円へ拡大し、経常利益は415百万円(同4.3%増)と営業利益を上回る伸びを示した。
自己資本比率は89.6%へ改善し財務健全性は高水準を維持。
成長戦略
主力6分野でのブランド確立と政策連動需要の取り込みによる契約数・利用時間の継続拡大
国土交通省「i-Construction・インフラDX推進コンソーシアム」による3次元データ活用義務化対象の拡大を追い風に、中小建設事業者へのICT建設機械導入促進・3Dマシンガイダンス需要を取り込み、利用者数・利用時間の拡大を図る。
農林水産省「スマート農業総合推進事業」による自動操舵農機・農薬散布ドローン導入支援を背景に、CPトランスMJW等の関連商品仕入増加を伴いながらIT農業分野での契約数拡大を推進。中間期に商品仕入の微増が確認されており需要増加が顕在化している。
国土強靭化政策・防災DX推進ワーキンググループによるGNSS活用地殻変動監視・インフラモニタリング推進、および自動運転レベル4実装拡大に向けた制度整備を背景に、測量・ICT土木以外の新分野での利用拡大を目指す。
2026年9月期中間期にサーバーリプレイス(有形固定資産24百万円増加)およびソフトウエア取得(無形固定資産72百万円増加)を実施。投資有価証券取得(100百万円)も継続し、サービス品質向上と財務基盤の多様化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

