事業内容
大平洋金属は1999年にフェロニッケル専業メーカーへ特化した東証プライム上場企業。青森県八戸市の製造所でニッケル鉱石を製錬しフェロニッケルを生産、主に日本製鉄(売上高の74.0%)等のステンレス鋼メーカーへ供給する。
フィリピン(リオ・チュバ、タガニート)およびニューカレドニア(MAI KOUAOUA等)の鉱山会社と長期購入契約を締結し原料を確保。子会社2社・関連会社9社で構成され、ガス事業・不動産・小売電気・カルシウムアルミネート等の周辺事業も展開。
2025年度から2031年度の中長期戦略「PAMCOvision2031」のもと、業態のゼロベース見直しと事業ポートフォリオ再構築を進めている。
ビジネスモデル
主収益はフェロニッケルの製錬・販売であり、LMEニッケル価格と為替レートに連動した販売価格で商社経由にて大手ステンレスメーカーへ供給する。営業損益はニッケル市況に大きく左右されるが、持分法適用関連会社(Nickel Asia Corporation等)からの持分法投資利益(2026年3月期7,875百万円)が経常損益を補完する構造となっている。
ガス事業(㈱大平洋ガスセンター)は内部供給を担う安定収益源。
企業の強み
リオ・チュバ、タガニート、CAGDIANAO(フィリピン)およびMAI KOUAOUA、Societe Miniere Georges Montagnat(ニューカレドニア)と最長10年の長期購入契約を締結済み。2026年1月~2035年12月の10年契約を含む複数の長期契約により、主原料ニッケル鉱石の安定調達基盤を構築している。
フィリピン上場のNickel Asia Corporation等の持分法適用関連会社を通じ、2026年3月期に持分法投資利益7,875百万円(前期比2,462百万円増)を計上。営業損失が継続する中でも経常利益3,323百万円・当期純利益2,610百万円を確保する収益補完機能を果たしており、関連会社への資本参加は1973年以来の長期的な関係に基づく。
太平洋クラリオン・クリッパートン海域の多金属ノジュールについて、実機設備(ロータリーキルン/電気アーク炉)を用いた商業規模連続製錬試験に世界で初めて成功し実行可能性評価を完了。LIBグレードの硫酸ニッケル・硫酸コバルト製造プロセスの確立も含め、次世代製錬技術の先行開発実績を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
当第1四半期の売上高は2,470百万円(前年同四半期比+32.5%)、営業損失は882百万円(前年同四半期3,067百万円から縮小)、経常利益421百万円・純利益322百万円と前年同四半期の大幅損失から黒字転換した。フェロニッケル販売数量が前年同四半期比+14.5%増加し、LMEニッケル価格上昇(+13.1%)と円安(+5.0%)が販売価格を押し上げた点が外部要因として寄与した一方、通期予想では営業損失が前期比で拡大(6,185百万円)、経常利益・純利益も前期比で大幅減益(-79.0%、-94.9%)と、四半期の改善傾向が通期業績の本質的な改善には直結していない構造がうかがえる。
成長戦略
PAMCOvision2031に基づく事業ポートフォリオ再構築で新規収益基盤を開発
現行のステンレス原料向けからマット原料向けへの用途拡大を目指し、高品質生産体制を活かした取引候補との品質条件協議を継続中。
海底資源から電池用金属材料・製鋼原料を製造する事業で、フィジビリティスタディを基に受託製錬コスト・投資スケジュールの精度向上を進めており、採掘規則整備待ちながら設備改造投資に備え準備中。
青森県内企業MiRESSOとの資本業務提携(前期第三者割当増資15億円引受)により製造所敷地内に実証プラントを建設、建設工事直前でスケジュールに大幅な遅れなく事業化に向け体制強化中。
高圧・特高圧事業者向け電力供給や地場再生可能エネルギー連携、カルシウムアルミネート製造販売の展開を進めているが、当第1四半期はその他部門で売上61百万円・営業損失104百万円と新規立上げ課題への対応が続く。
最終更新: 2026年8月6日

