事業内容
日本金属株式会社は1930年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の特殊鋼専業メーカーである。主力のみがき帯鋼事業では冷間圧延ステンレス鋼帯・みがき特殊帯鋼を製造し、自動車外装モール・医療用注射針・精密ベアリング・電子部品など多様な最終用途に供給する。
加工品事業では型鋼・精密管・電磁製品等を製造・販売する。国内の板橋・岐阜・福島工場に加え、タイ・マレーシア・中国(上海)に海外子会社を持ち、グローバルに製品を供給する。
主要顧客は自動車・医療・電子部品・建材メーカーで、2026年3月期の連結売上高は49,619百万円。
ビジネスモデル
当社は自社の圧延技術・表面処理技術を核に、競合が模倣困難なニッチ高付加価値製品を開発・製造し、製品エキストラ(付加価値料金)を上乗せした価格で販売する。原材料・エネルギー・労務費・運賃の変動はサーチャージ制の導入等により適時販売価格へ転嫁し、コスト変動リスクを吸収する仕組みを整備している。
販売は連結子会社の日金スチール㈱等を通じて行い、海外子会社が現地販売を担う。
企業の強み
1953年に国内初のセンジミア冷間圧延機を導入して以来、圧延・表面処理技術を蓄積。黒加飾ステンレス鋼「ファインブラック」は国内大手自動車メーカーの世界戦略車(SUV・EV)外装モールに採用拡大し、新製品「マット調ファインブラック」も採用決定。
競合他社が短期間で模倣困難な独自技術に裏付けられた製品差別化を実現している。
原材料・エネルギー・副資材・物流・労務費・運賃の変動を販売価格へ適時反映させるサーチャージ制を導入・ルール化している。さらに他社差別化製品のエキストラ改定や低収益品の価格是正を継続的に実施しており、コスト上昇局面でも収益構造の悪化を抑制する仕組みが機能している。
2026年3月期のみがき帯鋼事業営業利益は前期比1,065百万円増益の1,667百万円に回復した。
注射針用材(インスリン・肥満症治療薬向け)の国内・中国・インド向け販売増加、AIデータセンター拡大に伴うサーバー用HDD・精密ベアリング向け需要伸長、コイン電池・新型ゲーム機向け電子部品の堅調推移など、自動車以外の複数用途への展開実績を有する。加工品事業でも内面高精度管(細径)の中国「国産化」需要獲得や水処理システム向け受託契約締結など新規用途開拓が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は49,619百万円(前期比3.3%減)と5期中4期目の減収。自動車関連の国内・欧州・中国向け販売不振が主因。
一方、売上原価削減(46,151百万円→43,358百万円)と販管費圧縮(5,337百万円→4,992百万円)により売上総利益率が10.0%から12.6%へ改善し、営業利益は1,268百万円と2期連続赤字(2024期△1,095百万円、2025期△189百万円)から黒字転換した。ただし前期に計上した固定資産売却益1,822百万円が当期224百万円へ縮小したことで税前利益・純利益は大幅に減少。
外部要因として原材料・エネルギーコストの高止まりと為替差損(411百万円)が引き続き収益を圧迫している。2027年3月期は売上高49,600百万円・営業利益1,270百万円・経常利益760百万円・純利益510百万円を予想し、経常・純利益の回復を見込む。
成長戦略
「NIPPON KINZOKU 2030」第3フェーズ:ターゲットアイテム拡大と高収益体質の実現
サーチャージ制導入・低収益品価格是正・付加価値エキストラ改定を継続し、製品ミックス改善による収益構造の高度化を推進。2026年3月期に売上総利益率12.6%を達成し、2027年3月期は営業利益1,270百万円・経常利益760百万円を目標とする。
インスリン・肥満症治療薬向け注射針材、サーバー用HDD・精密ベアリング向け、コイン電池・ゲーム機向け電子部品関連の販売を強化。プレスリリース等を活用した国内外への情報発信により、インド・東南アジア・欧州向けの受注を拡大中。
異形圧延製品「ファイン・プロファイル」において銅・アルミ等非鉄材料への複雑成形技術を確立し、試作品提供を開始。高度水処理システム向け製品の受託契約締結など環境関連ビジネスへの参画も進める。第11次経営計画第3フェーズ(2025〜2029年度)の中核施策。
最終更新: 2026年7月19日

