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日本金属株式会社

5491東証スタンダード鉄鋼業

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日本金属株式会社5491

事業内容

日本金属株式会社は1930年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の特殊鋼専業メーカーである。主力のみがき帯鋼事業では冷間圧延ステンレス鋼帯・みがき特殊帯鋼を製造し、自動車外装モール・医療用注射針・精密ベアリング・電子部品など多様な最終用途に供給する。

加工品事業では型鋼・精密管・電磁製品等を製造・販売する。国内の板橋・岐阜・福島工場に加え、タイ・マレーシア・中国(上海)に海外子会社を持ち、グローバルに製品を供給する。

主要顧客は自動車・医療・電子部品・建材メーカーで、2026年3月期の連結売上高は49,619百万円。

ビジネスモデル

当社は自社の圧延技術・表面処理技術を核に、競合が模倣困難なニッチ高付加価値製品を開発・製造し、製品エキストラ(付加価値料金)を上乗せした価格で販売する。原材料・エネルギー・労務費・運賃の変動はサーチャージ制の導入等により適時販売価格へ転嫁し、コスト変動リスクを吸収する仕組みを整備している。

販売は連結子会社の日金スチール㈱等を通じて行い、海外子会社が現地販売を担う。

企業の強み

1953年に国内初のセンジミア冷間圧延機を導入して以来、圧延・表面処理技術を蓄積。黒加飾ステンレス鋼「ファインブラック」は国内大手自動車メーカーの世界戦略車(SUV・EV)外装モールに採用拡大し、新製品「マット調ファインブラック」も採用決定。

競合他社が短期間で模倣困難な独自技術に裏付けられた製品差別化を実現している。

原材料・エネルギー・副資材・物流・労務費・運賃の変動を販売価格へ適時反映させるサーチャージ制を導入・ルール化している。さらに他社差別化製品のエキストラ改定や低収益品の価格是正を継続的に実施しており、コスト上昇局面でも収益構造の悪化を抑制する仕組みが機能している。

2026年3月期のみがき帯鋼事業営業利益は前期比1,065百万円増益の1,667百万円に回復した。

注射針用材(インスリン・肥満症治療薬向け)の国内・中国・インド向け販売増加、AIデータセンター拡大に伴うサーバー用HDD・精密ベアリング向け需要伸長、コイン電池・新型ゲーム機向け電子部品の堅調推移など、自動車以外の複数用途への展開実績を有する。加工品事業でも内面高精度管(細径)の中国「国産化」需要獲得や水処理システム向け受託契約締結など新規用途開拓が進んでいる。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は営業利益1,268百万円と2期連続赤字から黒字転換を果たした。しかし経常利益は483百万円にとどまり、為替差損411百万円・支払利息352百万円・シンジケートローン手数料174百万円等の営業外費用合計1,060百万円が重荷となっている。

親会社株主帰属純利益は213百万円(前期703百万円から69.7%減)と特別利益(固定資産売却益)剥落の影響が大きく、本業の稼ぎだけで安定的な利益を確保できる水準には至っていない。

売上高の大半を占めるみがき帯鋼事業は自動車関連向けが主力であり、米国関税政策(通商拡大法232条に基づく50%鉄鋼追加関税)や欧州・中国でのEV化加速に伴う日本車販売不振が販売数量を圧迫している。外部要因として地政学リスクや産業構造変化が継続する中、医療・電子部品等への多用途展開の加速と、EV向け新製品開発の進捗が中期業績を左右する。

2026年3月期末の自己資本比率は44.4%(前期39.9%)へ改善し、短期借入金を14,150百万円から3,000百万円へ大幅圧縮する一方、長期借入金を6,930百万円から14,000百万円へ積み増し、借入の長期化を図った。ただし現金及び現金同等物は11,834百万円から8,901百万円へ2,933百万円減少。

営業CFは2,604百万円と改善したが、財務活動CF(△4,392百万円)が重く、フリーCFの持続的な拡大が財務健全性維持の前提となる。

成長戦略

「NIPPON KINZOKU 2030」第3フェーズ:ターゲットアイテム拡大と高収益体質の実現

サーチャージ制導入・低収益品価格是正・付加価値エキストラ改定を継続し、製品ミックス改善による収益構造の高度化を推進。2026年3月期に売上総利益率12.6%を達成し、2027年3月期は営業利益1,270百万円・経常利益760百万円を目標とする。

インスリン・肥満症治療薬向け注射針材、サーバー用HDD・精密ベアリング向け、コイン電池・ゲーム機向け電子部品関連の販売を強化。プレスリリース等を活用した国内外への情報発信により、インド・東南アジア・欧州向けの受注を拡大中。

異形圧延製品「ファイン・プロファイル」において銅・アルミ等非鉄材料への複雑成形技術を確立し、試作品提供を開始。高度水処理システム向け製品の受託契約締結など環境関連ビジネスへの参画も進める。第11次経営計画第3フェーズ(2025〜2029年度)の中核施策。

最終更新: 2026年7月19日