鉄鋼・建材市況の変動
主原料の熱延鋼板は鉄鉱石・原料炭の価格変動や投機的市況変動の影響を受け、中東情勢・ロシアのウクライナ侵攻・中国経済低迷などの地政学リスクが需給バランスを不安定にしている。販売価格と原料市況が想定を超えて乖離した場合、2027年3月期以降の業績に影響を及ぼす可能性がある。対応策として重要調達先との資本関係構築、複数調達先との機動的交渉、調達先の多様化を進めている。
製品クレーム・品質不具合
製造・販売する製品やサービスに起因するクレーム発生リスクがあり、特に2007年から2016年に製造した建築外装用カラー鋼板の一部で美観・耐久性上の不具合が発生しており、将来の補修費用等の発生リスクが存在する。ISOの品質マネジメントシステムに基づく品質保証体制と専用顧客対応部署を設置し迅速対応を図るとともに、一部製品については賠償責任保険に加入している。
海外情勢・地政学リスク
台湾・中国・タイに生産・販売拠点を有し、海外売上が連結売上高の相当な比率を占める中、米国トランプ政権の関税政策、中国の権威主義的姿勢強化に伴う台湾問題、保護主義的貿易措置などが事業活動を制約するリスクがある。これらは輸出販売の制約のみならず世界の需給環境全体に影響を及ぼす可能性がある。複数拠点によるリスク分散と各拠点の機動的連携、台湾有事を想定した対応策の継続検討で対処している。
為替レートの変動
海外連結子会社の取引は現地通貨または米ドル建てが大半を占めるため、円との為替レート変動が連結売上高・利益に直接影響する。米ドル円レートは輸出環境・輸入競合製品との価格競争・原材料調達コストにも影響し、当連結会計年度は円高・円安双方の局面が生じた。為替動向に細心の注意を払い、機動的な調達・販売施策を実行することで収益の安定を図っている。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃等による機密情報(営業秘密・個人情報)の漏洩は社会的信用の著しい低下と事業活動の停滞を招く可能性があり、ランサムウェアや自然災害による大規模停電等の想定外システム障害は生産・販売・間接業務全般に直接的影響を及ぼす。情報システム・情報セキュリティに関する諸規程の整備と適切なシステム管理体制を構築し、クラウド活用によるバックアップ対策を推進している。
気候変動リスク
カーボンプライシング(炭素税・CO2排出量取引)の導入による原材料・エネルギー価格の上昇や環境規制強化による設備投資増加(移行リスク)、自然災害の激甚化による事業所被害・サプライチェーン混乱(物理的リスク)が中長期的に事業・業績・財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。TCFD提言に賛同し、2030年度CO2排出量2013年度比46%削減・2050年カーボンニュートラル実現を目標に掲げ、ISO14001取得やヨドコウ環境マネジメントシステムを通じて対応している。
市況変動と財務・CF影響
表面処理鋼板事業および鋼板建材事業は世界的な鉄鋼・鋼板建材市況の変動に大きく左右され、原材料価格と販売価格の双方が想定を超えて乖離した場合、業績のみならず短期的なキャッシュ・フローに大きな影響が及ぶ。現預金の相応の水準維持、投資有価証券の流動化、金融機関とのコミットメントライン契約の活用により機動的な資金対応を図っている。
固定資産の減損リスク
有形・無形固定資産に減損会計を適用しており、将来の経営環境変化により減損処理が必要となった場合、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性がある。当連結会計年度末(2026年3月期末)には子会社の福井ヨドコウ株式会社が保有する稼働の目途が立たない資産について減損損失205百万円を特別損失に計上した実績がある。
政策保有株式の時価変動
事業戦略上の重要性や取引先との関係から政策的に株式を保有しており、経済情勢の変化等により株価が大きく下落した場合、時価が帳簿価額比50%以上下落で減損処理、30%以上50%未満下落でも回復可能性判断のうえ評価損を特別損失に計上し、業績・財務状況に影響が及ぶ可能性がある。毎年、個別銘柄の保有目的の妥当性・合理性を検証し、合理性が認められないものは純投資への振替や売却を進めている。
退職給付債務の変動
割引率・長期期待運用収益率等の計算基礎の変動や年金資産の運用環境悪化により数理計算上の差異が多額に発生した場合、未積立退職給付債務の増加等により費用処理すべき債務金額が増加し、業績に影響が及ぶ可能性がある。毎年、年金運用プランの見直しと年金資産の構成比率調整を実施し、経済情勢に即した運用を行うことで影響の抑制に取り組んでいる。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

