事業内容
株式会社ヨドコウ(旧・淀川製鋼所、2025年10月商号変更)は1935年創業の独立系鉄鋼メーカー。冷延鋼板・表面処理鋼板・カラー鋼板等の鋼板関連事業を中核に、鉄鋼用ロール、グレーチング、不動産賃貸、運輸・倉庫・売電等の多角的事業を展開する。
国内4工場(大阪・呉・市川・福井)に加え、台湾(SYSCO社)・中国(YSS社)・タイ(PPT社)に海外拠点を持ち、グループ20社体制で事業を運営。主要顧客は家電・建設・自動車産業向けメーカーおよび流通業者で、最大顧客の㈱佐渡島向け売上高は34,179百万円(売上高比17.5%)に達する。
ビジネスモデル
素材である冷延鋼板を自社製造し、溶融亜鉛めっき・塗装等の表面処理を施した高付加価値製品(カラー鋼板・ガルバリウム鋼板等)を製造・販売する垂直統合型モデル。川下の建材・エクステリア商品まで自社グループで製造販売することで付加価値を積み上げる。
不動産賃貸(営業利益率約45%)や売電事業が安定収益源として機能し、主力の鋼板関連事業の市況変動リスクを補完する構造を持つ。
企業の強み
有報に「表面処理技術を活かして展開する建材商品及びエクステリア商品でも国内トップクラスのシェアを確保」と明記。クロメートフリー対応等の高い技術力を背景に家電・建材向けに強固な顧客基盤を有し、最大顧客への販売額は34,179百万円(売上高比17.5%)に達する。
90年近い製造実績と複数工場体制が競合の模倣を困難にしている。
1987年の台湾SYSCO社への資本参加を皮切りに、1999年タイPPT社設立、2011年中国YSS社設立と段階的に海外生産拠点を構築。各拠点が現地市場向け表面処理鋼板を製造・販売し、国内需要低迷時の収益補完機能を果たす。
PPT社は2026年3月期も採算を維持し堅調に推移、YSS社は合理化による固定費削減で利益改善を実現した。
自社保有不動産の賃貸・売買を行う不動産事業は、2026年3月期に売上高1,424百万円・営業利益830百万円・営業利益率約45%を達成。ヨドコウ興発㈱による施設管理サービスで物件稼働率を維持し、鋼板市況に左右されない安定的なキャッシュフローを創出している。
設備投資額204百万円を投じ物件価値の維持・向上にも取り組む。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は195,373百万円(前期比6.3%減)、営業利益は11,868百万円(同14.5%減)と減収減益。外部要因として、国内鉄鋼需要の低迷・輸入鋼材の流入、台湾SYSCO社へのトランプ関税の影響、中国YSS社の不動産不況長期化、タイPPT社の市況軟化が重なった。
一方、売上原価は160,842百万円(前期174,311百万円から大幅減)となり売上総利益は改善。販管費が22,663百万円(前期20,260百万円)に増加したことが営業利益を圧迫した。
親会社株主帰属当期純利益は17,404百万円(同28.9%増)と増益だが、YSS社持分譲渡に伴う繰延税金資産計上(法人税等調整額△3,616百万円)および関係会社株式売却益(1,764百万円)等の一時要因によるもの。過去5期の営業利益は2022期14,349百万円→2023期12,665百万円→2024期12,017百万円→2025期13,889百万円→2026期11,868百万円と低水準での推移が続いており、中期経営計画2028の2028年度目標(営業利益200百万円)との乖離は依然大きい。
成長戦略
「ヨドコウグループ中期経営計画2028」のもと高付加価値化と海外事業再編で収益力強化
国内では塗装鋼板をはじめとする高付加価値商品の販売に注力し、再生産可能な製品販売価格の実現に向けた継続的な顧客交渉を推進。2026年3月期は販売数量減少の影響を受け減益となったが、売上総利益は前期比で改善しており価格維持の取り組みは一定の成果を示している。
中国YSS社については持分譲渡の意思決定を行い、不動産不況下での損失リスクを遮断する方向で事業再編を推進。タイPPT社は市況軟化下でも採算を維持し堅調に推移。台湾SYSCO社はトランプ関税の影響を受けたが、グループ全体として海外ポートフォリオの最適化を図っている。
2025年度および2026〜2028年度の配当方針として、年間配当金1株当たり40円以上を維持したうえで連結配当性向75%以上を設定。2026年3月期は配当金総額13,093百万円(配当性向75.5%)、自己株式取得4,492百万円を実施。
2025年7月に1株→5株の株式分割を実施し、株式流動性の向上も図った。
「ヨドコウグループ中期経営計画2028」では、営業キャッシュ・フローや資産売却に加え借入等の資金調達も活用し、成長戦略への重点投資を実施する方針。2026年3月期の営業CFは18,762百万円(前期比65.9%増)と大幅改善。
有形固定資産取得4,399百万円等の設備投資を継続しながら財務基盤の強化を図っている。
最終更新: 2026年7月19日

