市況変動リスク
普通鋼電炉業界は市況産業であり、製品販売価格および主原料の鉄スクラップ価格が国内外の経済情勢や市場動向の変化に大きく左右される。価格変動が収益に直接影響するため、業績の安定性が損なわれる可能性がある。営業部門と生産部門の連携強化および需要に見合った生産の徹底により対処している。
エネルギー価格高騰リスク
電炉による製造工程では電力・燃料が製造コストの重要な要素であり、地政学的リスクの高まりによるエネルギー価格の急騰が財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。紛争等の外部要因によるコスト上昇は自社でコントロールが困難であり、収益性を大きく圧迫するリスクがある。営業・生産部門の連携強化と柔軟な対応体制の構築により影響の最小化を図っている。
アジア市場リスク
輸出の主要先であるアジア地域の経済情勢悪化や保護主義的政策の導入により、受注環境が変化する可能性がある。また、アジア域内の生産設備拡張による供給余力の増大が日本国内市場への製品輸出増加を通じて国内競争を激化させるリスクもある。電炉鋼材の特性を活かした製品開発・品質向上による差別化と徹底したコストダウンで競争力の維持・向上に努めている。
鉄スクラップ調達リスク
主原料である鉄スクラップはアジア地域の鉄鋼需要拡大に伴い日本からの輸出が増加しており、調達価格の上昇および入荷量の減少が生じる可能性がある。原料調達の不安定化は生産コストの上昇や操業への支障につながるリスクがある。国内鉄スクラップを主原料とする利点を活かしつつ、徹底したコストダウンにより対処している。
為替変動リスク
輸出取引に伴う外貨建取引において為替変動リスクが生じており、先物為替予約を活用してリスク回避を図っているものの、間接的な影響を含めすべての為替変動リスクを排除することは困難である。為替の急激な変動は輸出採算や業績に影響を及ぼす可能性がある。ヘッジ手段の活用により影響の軽減に努めているが、完全な排除は保証されない。
法規制変更リスク
将来における法律・規則・政策等の変更およびそれらによって発生する事態が、業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性がある。規制変更の内容・範囲・時期は予測困難であり、対応コストの発生や事業活動の制約につながるリスクがある。現時点の法規制等に従って業務を遂行しており、変更への対応を随時行う方針としている。
災害・停電による操業停止リスク
生産施設における災害、停電その他の中断事象が発生した場合、製造ラインの中断により損害が生じる可能性があり、完全な防止・軽減は保証されない。製造業としての特性上、操業停止は売上・利益に直接的な影響を与える。全工場での定期的な災害防止検査・設備点検の実施および同一製品の複数拠点生産により、生産中断の回避に努めている。
気候変動リスク
気候変動に起因する自然災害の深刻化により、洪水・高潮等による生産設備の故障やサプライチェーンの寸断による操業停止リスクがある。また、炭素税や排出権取引制度等の温室効果ガス排出規制が導入された場合、電力料金等の操業コストが高騰し収益性が低下する可能性がある。長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」のもとCO2排出原単位の2030年時点での2013年比60%削減・2050年実質ゼロを目標に掲げ、TCFDの提言に賛同しリスク・機会の分析と情報開示を継続している。
繰延税金資産の減額リスク
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しており、前提条件や仮定に変更が生じ課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。業績悪化局面では課税所得の見積り下方修正が生じやすく、財務指標に悪影響を及ぼすリスクがある。将来の利益計画に基づき回収可能性を慎重に判断した上で計上している。
固定資産減損リスク
事業計画や市場環境の変化により固定資産の価値が毀損した場合、減損処理が必要となり帳簿価額が回収可能価額まで減額される可能性がある。減損損失の計上は一時的に財務業績を大きく悪化させるリスクがある。減損の兆候がある資産について割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較する手続きを通じて適切な認識・測定を行っている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

