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東京製鐵株式会社

5423東証プライム鉄鋼業

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東京製鐵株式会社5423

事業内容

東京製鐵は1934年創業の電炉専業鉄鋼メーカーで、鉄スクラップを主原料に電気炉で溶解・精錬し、H形鋼・棒鋼・ホットコイル・鋼片等の多様な鋼材を製造・販売する。岡山・九州・宇都宮・田原の国内4工場体制を持ち、建設・製造業向けを中心に幅広い需要家へ供給する。

2024年7月には低CO2鋼材ブランド「ほぼゼロ」を発表し、自動車分野への電炉鋼材採用も実現。鉄鋼事業の単一セグメントで構成され、連結子会社を持たない1社体制で運営されている。

ビジネスモデル

主原料の鉄スクラップを市場から調達し、電気炉で溶解・連続鋳造・圧延の一貫工程で鋼材・鋼片を製造する。販売価格は出荷時点の市況に基づき決定されるため、スクラップ価格と製品価格のスプレッドが収益の主要ドライバーとなる。

阪和興業(売上高比14.7%)・小野建(同11.5%)を主要販売先とし、輸出は受注生産方式を採用。設備投資は自己資金で賄い、無借金経営を維持している。

企業の強み

2026年3月期末の自己資本比率は75.8%、現金及び現金同等物残高は73,470百万円を確保。有利子負債ゼロの無借金経営を維持しており、市況悪化局面でも自己資金による設備投資を継続できる財務的耐久力を有する。純資産合計は222,089百万円に達する。

高品位鋼材製造における電炉特有の課題(鋼材中への窒素混入による加工性低下)を克服するため、アルミニウム添加量の最適化により窒素を安定固定する技術を独自開発し、2025年10月に特許(特許第7766845号)を取得。自動車分野への電炉鋼材採用を実現した技術的裏付けとなっている。

岡山・九州・宇都宮・田原の4工場に加え、名古屋・関西・東京湾岸の各サテライトヤードを順次開設(2022年〜2025年)。多品種(H形鋼・棒鋼・ホットコイル・鋼片・酸洗鋼板等)の製造能力と広域物流網を組み合わせ、多様な需要家ニーズへの機動的対応を可能にしている。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期第1四半期は中東情勢緊迫化を背景とするスクラップ価格急騰により、前年度末から計3回の製品価格改定を実施したにもかかわらず、営業損失2,307百万円を計上した。前年同期の営業利益4,767百万円から急転した形であり、価格転嫁ラグという構造的課題が改めて顕在化した。

会社側は製品価格値上げが順次出荷価格に反映されるとして下期の採算改善を見込んでいるが、中東情勢の不透明感が継続する中でスクラップ価格の動向が最大の不確定要素となる。

2027年3月期通期業績予想は売上高315,000百万円(前期比+17.5%)、営業損失4,000百万円、当期純利益1,000百万円(前期比△91.3%)と2026年4月24日公表予想から下方修正された。年間配当予想は1株当たり40円(前期50円から減配)。

投資有価証券売却益3,403百万円等の特別利益4,397百万円が四半期純利益を下支えしたが、本業の収益力は著しく低下しており、通期での営業黒字転換は現時点の予想では見込まれていない。

第1四半期の鋼材販売単価は96.8千円/トン(前年同期96.2千円/トン)と微増したが、販売数量は739千トン(前年同期746千トン)と減少し、売上高は72,927百万円(前年同期比△1.3%)にとどまった。一方、売上原価は68,793百万円(前年同期62,459百万円)へ急増し、売上原価率は94.3%(前年同期84.6%)に悪化。

売上総利益は4,134百万円(前年同期11,403百万円)と大幅に圧縮されており、スクラップコスト上昇の製品価格への転嫁が追いついていない実態が数値に明確に表れている。

成長戦略

採算重視・価格転嫁の徹底と低CO2鋼材拡販による収益構造の立て直し

2024年7月開始の低CO2鋼材「ほぼゼロ」を中心に脱炭素需要を取り込み、製品差別化と販売単価の維持・向上を図る。2027年3月期第1四半期においても拡販方針を継続しており、収益改善の柱として位置づけられている。

前年度末より計3回の製品価格改定を実施済み。スクラップ価格急騰に対し製品価格値上げを順次出荷価格に反映させることで、下期にかけての採算改善を目指す。採算重視の方針のもと、需要に見合った生産体制の構築も並行して推進する。

製造工程の歩留まり向上や生産効率改善を通じたコスト削減を継続的に推進。スクラップ価格・電力費等の外部コスト上昇圧力に対し、内部コスト削減で対抗する方針。減価償却費は前年同期1,961百万円から当期2,142百万円へ増加しており、設備更新投資も継続している。

2024年8月に田原工場で酸洗コイルの生産を再開し、製品ラインナップの拡充と新規需要の取り込みを図る。建設向け以外の需要分野への展開により、市況変動への耐性強化を目指す。

最終更新: 2026年7月21日