事業内容
合同製鐵は1937年創業の電炉専業鉄鋼メーカーで、大阪・姫路・船橋を含む6製造拠点で線材・形鋼・棒鋼・鉄筋等の条鋼類を製造・販売する鉄鋼事業を中核とする。日本製鉄の持分法適用会社として資本関係を持ちつつ、独立した事業運営を行う。
鉄鋼事業の売上高は174,307百万円と連結売上高の約91%を占める。第二の柱として、連結子会社の朝日アグリア経由で有機質肥料・化成肥料・種苗・乾牧草等を製造販売する農業資材事業(売上高12,716百万円)を展開。
主要顧客は阪和興業(売上比14.2%)、伊藤忠丸紅住商テクノスチール(同10.7%)等の鉄鋼商社。
ビジネスモデル
鉄スクラップを主原料として電気炉で溶解・精錬し、連続鋳造・圧延工程を経て線材・形鋼・棒鋼・鉄筋等を製造する。製品は主に鉄鋼商社経由で建設・土木向けに販売される。
収益は販売価格と原料(鉄スクラップ)・電力コストのスプレッドで決まる構造であり、需要見合いの生産管理と再生産可能な販売価格の維持が収益管理の核心。農業資材事業では有機質肥料等の製造販売で安定的な補完収益を確保する。
企業の強み
大阪・姫路・船橋の自社製造所に加え、完全子会社の朝日工業・三星金属工業・トーカイを含む計6製造拠点を保有。関東3ミルの一体的運営や鉄筋4ミルのトップランナー方式を推進し、生産余力を輸出(2025年度単体輸出額3,663百万円、前期比1,915百万円増)にも活用できる柔軟な生産体制を構築している。
2026年3月期末の自己資本比率は56.3%(前期52.8%から改善)。長期借入金を前期比8,207百万円削減し、純資産は144,249百万円に拡大。
営業キャッシュフローは21,429百万円と前期(19,138百万円)を上回り、設備投資・借入返済・配当を賄える安定的なキャッシュ創出力を維持している。
非化石電力を活用した環境配慮型鋼材「GODO Green」(商標登録出願中)の製造・販売を開始。ねじ節鉄筋・高強度鉄筋等の高付加価値品の拡販も推進しており、コモディティ品との差別化による収益性改善を図っている。
研究開発費は鉄鋼・農業資材合計で315百万円を投じ、製品開発・品質向上に継続投資している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期235,387百万円をピークに3期連続で減少し、2026年3月期は191,772百万円(前期比6.5%減)。営業利益は2024年3月期17,850百万円から9,813百万円へと2期で約45%減少。
外部要因として、国内建設分野の人手不足・働き方改革による工期長期化、物流コスト・資機材価格高騰による建設案件の延期・中止が鋼材需要を低迷させた。加えて、鉄スクラップ価格は国内需要低調にもかかわらず高水準で推移し、円安によるエネルギー価格高止まりがコスト構造を悪化させた。
2027年3月期は売上高200,000百万円(前期比4.3%増)、営業利益6,500百万円(同33.8%減)を予想しており、下期の緩やかな需要回復を見込むも収益環境は一段と厳しい見通し。
成長戦略
中期ビジョン2030で収益力復元・高付加価値化・サステナビリティ推進を5年で実行
鉄筋棒鋼における関東3製造拠点の一体的運営促進と、鉄筋4ミルでのトップランナー方式導入により生産効率を高め、固定費負担の軽減と収益性改善を図る。中期ビジョン2030の重点施策として継続推進。
客先ニーズの高度化を踏まえた線材・構造用鋼の高品質化を推進し、ねじ節鉄筋・高強度鉄筋等の高付加価値品拡販による収益性改善を目指す。単体鋼材販売単価が106.7千円/tまで下落する中、価格競争からの脱却が急務。
電炉メーカーの環境優位性を活かした非化石電力鋼材「GODO Green(商標登録出願中)」の製造・販売を開始。省エネ設備投資の継続と合わせ、脱炭素需要を取り込む差別化戦略を展開。中期ビジョン2030のサステナビリティ推進の柱。
中期ビジョン2030において5年間で400億円規模の設備投資を計画。2026年3月期の有形・無形固定資産取得支出は8,988百万円(前期6,225百万円から増加)と投資フェーズに入っており、建設仮勘定も1,073百万円から4,256百万円へ急増。
農業資材事業では有機質肥料への経営資源シフトによる差別化を推進。2026年3月期は売上高12,716百万円(前期比5億19百万円増)、経常利益275百万円(前期比5億1百万円増)と黒字転換。M&Aについても継続的に検討(2026年3月期に子会社株式取得726百万円を実施)。
最終更新: 2026年7月19日

