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株式会社 神戸製鋼所

5406東証プライム鉄鋼業

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株式会社 神戸製鋼所5406

事業内容

神戸製鋼所は1905年創業の総合重工業企業で、子会社188社・関連会社44社を擁するKOBELCOグループを形成する。事業は「素材系事業」(鉄鋼アルミ・素形材・溶接)、「機械系事業」(機械・エンジニアリング・建設機械)、「電力事業」の3領域で構成される。

輸送機・電機・建設土木・産業機械・社会インフラ等あらゆる産業の基礎資材を供給するとともに、世界シェア約60%を誇るMIDREX®直接還元製鉄プロセスや高効率火力発電など、独自技術を核とした高付加価値製品・サービスを国内外の幅広い顧客に提供している。

ビジネスモデル

素材系事業では鉄鋼・アルミ・鋳鍛鋼・溶接材料等を製造販売し、物価上昇分の価格転嫁と量的拡大で収益を確保する。機械系事業では受注生産型の産業機械・プラント・建設機械を提供し、アフターサービス・メンテナンス等のサービス案件が採算を押し上げる。

電力事業では長期電力受給契約に基づく安定的な売電収入を得る。3事業領域の相互補完により、景気サイクルに対する耐性を持つ収益構造を形成している。

企業の強み

エンジニアリングセグメントが保有するMIDREX®プロセスは直接還元鉄生産において世界シェア約60%を占める。天然ガスから水素まで還元剤を柔軟に切り替えられるMIDREX Flex™・MIDREX H2™を展開し、世界初の100%水素直接還元鉄プラント商業機を受注するなど、脱炭素需要を取り込む独自技術基盤を確立している。

売上高2,436,581百万円(2026年3月期)を鉄鋼アルミ・素形材・溶接・機械・エンジニアリング・建設機械・電力の7セグメントに分散。機械セグメントが経常利益46,703百万円と高収益を稼ぐ一方、電力セグメントが34,764百万円の安定利益を確保するなど、特定事業への依存度を低減した収益構造を持つ。

D/Eレシオは2022年度1.00倍から2025年度0.61倍へ大幅改善し、純資産比率は34.0%から46.4%へ上昇。中期経営計画目標(D/Eレシオ0.7倍台半ば・純資産比率40%台前半)を前倒しで達成した。

2025年度のフリーキャッシュ・フローは1,280億円を確保し、財務基盤の強化が着実に進捗している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益129,883百万円は前期比18.2%減と2期連続の減益。主因は電力セグメントの経常利益が前期比175億円減の347億円(神戸発電所3号機の定期点検延長・燃料費調整の時期ずれ・一過性増益影響の縮小)と、鉄鋼アルミセグメントの経常利益が前期比207億円減の28億円(メタルスプレッド悪化・在庫評価影響の悪化・固定費増加)の同時悪化。

外部要因として石炭市況の変動と鉄鋼原料価格の下落が収益を直撃した構図であり、次期においても電力の一過性増益影響の剥落が継続するリスクがある。

2026年3月期において機械セグメントの経常利益は467億円(前期比141億円増)と全社経常利益1,213億円の約38%を占める主力収益源に成長した。一方、2027年3月期予想では機械セグメントは本体売上の減少と固定費増加により減益見通しとなっており、エンジニアリングも案件構成差等により減益見通し。

機械系事業の受注残高の質(採算性)と案件構成の変化が全社利益率の方向性を左右する重要な観察点となる。

素形材セグメントでは自動車向けアルミ押出・サスペンションの販売数量が前期を下回り、鉄鋼アルミセグメントでは建設需要の停滞と原料価格下落によるメタルスプレッド悪化が収益を圧迫した。外部要因として中国の不動産市場低迷・個人消費の伸び悩みが建設機械・素材需要の回復を抑制している。

次期(2027年3月期)は素材系事業の数量回復と在庫評価影響の改善を見込むが、米国通商政策の不確実性(中東情勢含む100億円の減益リスクを織り込み済み)が下振れ要因として残存する。

成長戦略

「稼ぐ力の強化」と「成長追求」を軸に機械系・エネルギー転換需要を取り込む

物価上昇分(人件費・物流費・原料費等)の価格転嫁を継続的に推進するとともに、自助努力によるコストアップ抑制に取り組む。2027年3月期は鉄鋼・アルミ板・素形材・溶接の全素材系セグメントで増収増益を見通す。

機械セグメントの受注残高2,412億円・エンジニアリングセグメントの受注残高3,860億円を着実に売上計上するとともに、アフターサービス・メンテナンス等のサービス案件を拡大し採算改善を図る。2026年3月期に機械セグメントは経常利益467億円と大幅増益を達成した。

世界シェア60%超のMIDREX®プロセスを活用し、脱炭素化需要を背景とした還元鉄関連プラントの受注拡大を図る。2027年3月期においてエンジニアリングセグメントの受注高は還元鉄関連事業での複数案件受注により増加を見通す。

神戸発電所3号機の定期点検延長影響の縮小により2027年3月期は販売電力量の増加を見込む。一方、燃料費調整の時期ずれ影響剥落等により経常利益は減益見通し。アンモニア20%混焼の既設改修による長期脱炭素電源オークション落札で中長期の事業基盤を確保する。

有利子負債の削減(2026年3月期末7,699億円、前期比1,164億円減)と自己資本比率の向上(44.0%)を継続しつつ、年間配当80円(配当性向33.6%)を維持。2027年3月期も年間配当80円(配当性向31.8%予想)を予定し、継続的・安定的な株主還元を実施する。

最終更新: 2026年7月19日